今日のテーマは「飾り切り」♪
「飾り切り」とは、料理や食材を美しくカットして
もっと美味しく魅せるためのテクニック。
「見た目」でも楽しませる方法ですね!
でも…
「飾り切り」ってどうやるの??
食オタ飾り切りコンテスト優勝者に教えてもらっちゃいました~!
食オタ飾り切りコンテスト結果発表!
2019年10月10日~11月10日に行われた
「食オタ飾り切りコンテスト」
投稿写真を365マーケット運営部にて
選考させていただいた結果…
優勝したのは、こちら!!!
岩井直美さんが投稿してくださったお正月をイメージしたカッティングです♪
コンテストのお題だった
「パーティーシーズンに使える飾り切り」
に、ぴったり!
お正月にこんなフルーツ盛りがあったらテンション上がりますよね~!!
受賞式にて、緊張ぎみの岩井さん…。
365マーケット運営会社である
(株)VACAVOの代表長岡より
賞状と景品を授与させていただきます!
岩井さん、おめでとうございます!!
優勝された岩井さんに、
インタビューさせていただきました。
教えてくれた食オタ : 岩井直美 さん
保有資格
●ベジフルビューティーセルフアドバイザー
●ハーブコーディネーター
現在の活動
●食オタとしてマルシェで青果PR販売
●フルーツカット教室やワークショップ
いちばん好きな果物
●パイナップル
味も香りもカットするのも大好き!
カットしていると、自身も香りで癒されます♪
なぜ飾り切りをはじめたの?
以前スーパーに勤めていた際、カットフルーツを担当されていたそう。
可愛い形のものが入っているとお客様が笑顔に…!
その笑顔を見ているうちに、自分も楽しくなり究めていったと、岩井さん。
2012年頃からフルーツカットを始めて、今は人に教える立場に。
飾り切りの中でも、岩井さんはフルーツのカットが得意!
ということで、果物を中心にカット方法を教えてもらいました!!
飾り切り教えて①フルーツカットの準備をしよう
まずはフルーツカットの準備から、岩井さん教えてくださ~い♪
道具の準備
(1)必須道具は2つ!
「やだ~恥ずかしい」と言いながら、お手製の道具入れ登場!
岩井さんの道具を見せてくださいー!
フルーツカットに必要な道具は2つ!
「ペティナイフ」と「まな板」だけ!
ほかにボーラー(向かって右)や型抜きがあると、幅が広がるそうです!
そして、果汁が垂れるので、ふきんをまな板の下に敷いています。
大きい包丁は、パイナップルなど大物を切る時にだけ使うそうですよ。
フルーツカットの必須道具
●ペティナイフ
●まな板
あったら良いもの
・ふきん
・大きい包丁(普通の包丁)
・ボーラー
・型抜き
どんなナイフが良い?
フルーツカットには、どんなナイフが良いのでしょうか?
使うのは「ペティナイフ」。
ナイフ選びのポイント
★ 先がとがっているもの
★ 刃が厚くないもの
刃が厚かったり、刃先が丸いナイフは使いづらいそうです。
ホームセンターの500~600円のもので十分OKとのこと。
高級ナイフは必要ない!
お手入れは?
きちんと切れるナイフを使うのも上達のポイントだそうですよ♪
カットした断面がキレイなだけで美しく見えますもんね~!!
ただし、「研ぐ」と言っても100均に売っている簡易研ぎ石で十分。
こちらが岩井さんのナイフ↓
ピカピカ☆
キレイに研がれてますー!!
酸の強いもの=柑橘類を切った後は特にしっかり研いでおくんだそうです!
フルーツの準備
(1)カット初心者向きの果物
「まずはオレンジから挑戦してみて!」と、岩井さん。
同じ柑橘の仲間グレープフルーツは、水っぽくて、カットしにくいそう。
オレンジは果肉もしっかり♪
失敗が少ないんですって!!
慣れてきたら、パイナップルなど大物に挑戦したいですね~♪
(2)果物を選ぶ時のポイント
「どんなフルーツでも、硬すぎず・柔らかすぎず・形のいいもの!」
これが選ぶポイントだそうです!
果肉が柔らかすぎると、カットしたときに形が形が崩れます。
一方、硬すぎると変に力が入りけがの原因に。
そして、食べて美味しいフルーツを選んで欲しいですね♪
飾り切り教えて②初心者編フルーツカット
岩井さん、まずは誰にでも、簡単にできるものを教えてください!
いちご
パーティーにぴったりの果物、冬が旬のイチゴ!!
イチゴを使った「ハート」と「扇」の2種類のカットを教えてもらいました♪
【 ハート 】
「これめっちゃ簡単ですよ」と、イチゴを縦半分にカット。
ナイフの持ち方に注目!!
こんな風に立てて持つのがポイントだそうです↓
イチゴのヘタの部分を、丸みのある「V」字にカット。
すると…
ハートの形!!!
これは…、驚異的に簡単!
使える!
可愛い~!!!
【 扇 】
今度は、ヘタを切らないで残したまま薄くスライスしていきます。
手で優しく押し広げてあげると…
扇のように広がりました!
これ、華やか~!!
小さいイチゴも
大きく立派に見える(笑)
やっぱり切れ味の良いナイフで均等に薄くがコツですね♪
オレンジ
次は、初心者向けで見栄えもするフルーツ盛りをリクエスト!
「じゃあ、コレ」と岩井さん。
【 オレンジカップ 】
オレンジを輪切り方向に半分にカットしました。
そしてヘタの部分を、これくらいの厚さで切り落とします↓
落とした部分は捨てないで~。
オレンジ器の底になるって!
果肉と皮の部分にナイフを入れて、回しながら切って…
岩井さん、は…早い!!
皮に残った果肉も、こんな風にそぎ落としていきます。
器の上から、さっきの底を入れました!
お~、器ですね!!
果肉をランダムに一口大にカット。
中心の白い部分は、カットして取りのぞいてあげます。
果肉を器へ盛って…
尖っている部分を上にして盛ると、
ボリューム良く見えるそうですよ♪
さっきカットしたイチゴも一緒に盛り付けてみると…
おしゃれ~♡
簡単にフルーツ盛りできました!!
一緒にミントやブルーベリーを
トッピングすると可愛いとのこと♪
おぉぉ~そっか!
ブルーベリー用意してやってみます!!
飾り切り教えて③パイナップルボートに挑戦!
いよいよ大物、パイナップル!!
パイナップルをまるごと器にしたフルーツカットを教えてくださいー♪
立派な葉っぱ付きのパイナップル。
「葉の取り方って知ってます?」
と、岩井さん。
ん~、葉??
あまり葉付きをさばいたことない…。
「この葉の部分、回すと簡単に取れるんですよー!」
葉を持って、グリっと回すと…
わぉ!
ホントにひねるだけでキレイに葉っぱの部分が取れました!
し…、知らなかった!!
次に、パイナップルの切る方向。
このように立てて「お尻の方から」切ると
キレイに切れるんだそうですよ!
「お尻の方が柔らかくて、水分も糖も下に溜まっているからです」
なるほど~!
さすが果物のプロ!!
さぁ、ここから!
パイナップルの器を作ります!
まずは皮に沿って
四角にナイフを入れて…
中心の芯の部分を三角に切り抜きます!
そこから果肉を切り出し…
反対側も切り出します。
残った果肉の部分も2回に分けて切り出したら…
パイナップルの器、完成!!!
…って、早っ!!!
目にもとまらぬスピード!
「チョット止まって!」と言いながら
撮影させてもらってます(笑)
岩井さん手際よすぎです!!
しかも、いとも簡単そうに…。
パイナップル果肉を一口大に切って
器に入れていきます♪
ほかの果物もカット♪
リンゴは花型でくり抜いて果肉の厚さを整えます。
ねじり梅に~!
白い果肉が美しい♪
扇形にしたリンゴを細かい段差の切込みを入れます。
細かい~!!
これに爪楊枝を刺したら
扇子に!!
ルビーのグレープフルーツも、扇形にカット。
食べやすいように皮と果肉の間に
切り込みも入れます!
カットしたフルーツを
パイナップルの器に盛っていきます♪
葉っぱも添えると、映える~!
やっぱりグリーンもあると
パッと締まるそうですよ♪
パイナップルボートのフルーツ盛り、完成です~!!!
すごーい♪素敵!!
岩井さん、ここまで10分かからずに作っていました!
ちなみに同じ材料をそろえても、
その時のフルーツの状態や季節によって作るものが変わるそう。
「その時ある材料を使って、あれこれ考えながらつくるのが楽しい」
と、嬉しそうに話す岩井さん。
完全に、フルーツカットのオタクですね♪
飾り切り教えて④お正月に使える野菜の飾り切り
岩井さんはフルーツカットが専門。
でも、野菜も教えてください~!
お正月シーズンに使える、野菜の飾り切りをリクエスト♪
にんじん
人参を使った飾り切り
「ねじり梅」と「サクラの薬味台」
2種を教えてもらいました!
岩井さんの使っている花型を見せてください~♪
▼向かって左:ねじり梅に使用、右:桜の薬味台に使用
梅か桜、どちらか一つでも
持ってると良いですよね~♪
【 ねじり梅 】
これは一般的に良く知られている
飾り切りのひとつですね!
パイナップルボートの
リンゴでも使った技です♪
まずは花型(梅)で、型抜き。
一気に型で抜いて、均等な厚さに切り分けていきます。
中心点から花びらのくぼみへ向かって切り込みを入れます。
そして、花びらの真ん中あたりから
先程の切込みに向かって、丸くカット。
人参の「ねじり梅」完成!
「おせちでもお鍋でも何でも活用できますよ~!」
と、岩井さん。
ぜんぶ飾り切りするのは大変でも、
一部だけでも良いかも?
数個あるだけで、
お料理がすごく華やかになりますよね!
【 サクラの薬味台 】
今度は薬味台です!
「本当は大根でやるんですが、ニンジンでも可愛いですよ~♪」
花型(桜)でニンジンを型抜き。
まずは、型抜きした人参の先を、
鉛筆のように少しとがらせます。
そこから、うす~く斜めに一周切らずにカット…。
こ…これやるの、自信ない。
「大丈夫!ニンジンは折れやすいけど大根だと初心者もできますよ~!」
大根の方が軟らかいですもんね…!
完成した桜の薬味台の上に、おろし生姜をのせてみました♪
すごーい!!
これ、マスターしたい…!
出来る人に見える…!!!
お正月は、大根の花びらの先を食紅などで色付けするとキレイだそう♪
きゅうり
【 松(竹) 】
「松」と言う人と、
「竹」と言う人が居るそうですよ~。
お刺身盛りに添えたりすると、キラリと光る伝統的な飾り切りです!
まずはキュウリを半分にして、それを半割りに切ります。
そして、縦に細かく切り込みます!
こんな感じ↓
下まで全部切ってしまわないように~。
指を添えながらやさしく、斜めに切り込みを…。
左右に振りながら、同じように切り込みを入れていきます!
最後に裏面をカットして整えると…
ジャーン!
松の完成!!!
細か~い!!!
これ、料亭とかの刺身盛りに添えてありそう♪
こんなキュウリの飾り切りがあったら刺身も高級に見えちゃうかも♡
飾り切り活用とまとめ
フルーツには、皮やヘタなど食べない部分も多くあります。
それをうまく活用するのも、フルーツカットや飾り切りの魅力♪
捨てちゃう部分の活用
方法岩井さんに、こんな活用法も教えてもらいました!
パイナップルの葉
なんと、観葉植物として育てられる!?
こんな風に水に挿すか、
土にそのまま植えるのが一番だそう!
うまく育てられると、下から根が出て上にパイナップルがなるそうですよ!
実ならせてみたい~!!!
温かい部屋で育てるのが良いそうです♪
ぜひ葉付きのパイナップル、みなさんも探してみて下さい!
パイナップルの芯
取り除いた「芯」も有効活用!
紅茶やお水に入れて風味付けにしても良し♪
岩井さんのオススメ活用法は「お肉を漬け込む!」
芯をミキサーでペーストにして、鶏むね肉などを漬け込むんだそうです。
パイナップルの酵素でお肉がとっても柔らかくなる~♪
5~6分で短めに漬け込んでみて。
かなり柔らかくなるので10分も漬けると溶けちゃうそうですよ!
岩井さんのフルーツカットへの想い
最後に、フルーツカットにかける想いを岩井さんにインタビューしてみました。
ーー 特に女性にフルーツをもっと食べてほしいですよね!
そうなんです~。女性に嬉しいビタミン類もたくさん含まれていますしね!
でも、スーパーでは実は、女性より男性の方がフルーツを買ったりするんですよ!全体的に女性は経済的なので、日常的な野菜は買うんですが、嗜好品であるフルーツは抑える傾向にあります。
ーー カットフルーツって増えましたよね!
そうですね~。手軽と言うことで、まるごとの果物よりもカットフルーツの方が売れていますよね!
パイナップルも1本では売れないけど、カットしてあれば購入する人が増えます。
皮をむくのが面倒だったり、手間のかかる果物は食べなくなってきている傾向ですね。
ーー 面倒だから丸ごとの果物は不人気??
それもあります。近年は品種改良して、食べやすくなった果物が増えていますよね。シャインマスカットが良い例で。
これからも、種がない・皮をむかなくていい・カットする必要のないフルーツが増えていくと思います。
ーー その一方で、果物のさばき方も分からなくなっていますよね。
そう、フルーツのさばき方や皮の剥き方が分からない人が多くて。
みんな、果物が美味しいということは知っているんです。でも、果物摂取量は上がらない…。
その要因のひとつが、『どうやって食べたらいいか分からない』にあると思います。
ーー 特に20~30代に果物離れが進んでいますが…。
所得の問題もあるかと思いますが、若年層の食べ方への知識不足もありますよね。
カットの仕方が分かれば、そしてそれが、インスタにUPできるようにちょっと可愛く切れれば、楽しくなると思うんです!!カットすること自体が楽しくなり、結果フルーツを食べてくれることにつながれば…、と思います。
ーー フルーツカットは写真映えもするし、目の前に出されたら感動しますね!
フルーツカットを手土産にすると、めちゃくちゃ喜ばれますよ♪みなさん、ワーッ!となります!(笑)
小さなカットからやってみて、ぜひご家族やお友だちに出してみてほしいです!喜ばれるのが嬉しくて、またフルーツをカットしてみたくなるんじゃないかなぁ、と。
ーー 食べる側も「すごい!」「きれい!」と思ってくれたら、もっと果物へ興味を持ってもらえるんじゃないでしょうか。
そうなんです!フルーツカットをする時は、食べる側の食べやすさを考えてカットしますが、その果物に対する興味のきっかけ作りでもあると思います。
可愛くカットされていたら、ぜったい注目が行く。フルーツカットは、食べてもらえるようなアピール方法でもありますよね!そしてカットする人も楽しくて、また果物を購入してもらえるようになる。
フルーツカットの楽しさを、もっと多くの人に伝えたいなと思っています!!
ーー 今後、岩井さんがやっていきたいことって何ですか?
やはり、このフルーツカットの楽しさと魅力を、多くの人に伝えていきたいと思っています!
教室やワークショップなどを、積極的に開催していきたいです!
今回は、食オタ飾り切りコンテスト優勝者岩井直美さんにお話をうかがいました。
日本伝統の和食の飾り切り、パーティー演出のフルーツカット、飾り切りにも様々あります。
それらに共通しているもの。
それは、食べる人への心遣いやもっと食を楽しませる方法ということ。
飾り切りからその食に、興味を持ってもらえたらいいなぁ♪
飾り切りって、もちろん手法や技もあります。
でも、カットする本人が食に向かい、楽しむことが重要!
教えてもらったフルーツカット、私もさっそく自宅でやってみます♪
それでは、次回の食オタノートもお楽しみに~!