春・夏の運動会や子どもの遠足、
ファミリーでの行楽、学校・職場etc.…
に持っていくと言えば?!
「お弁当」!!
お弁当って欠かせない存在ですよね!
でも気温が暖かくなってくると
心配なのが、「食材の傷み」!!
腐敗したものを食べたらご想像の通り!
つらい食中毒が…(泣)
ということで、今回の食オタは…
「お弁当に入れると傷みやすい野菜」
を、大実験しちゃいます~!!!
傷ませないコツ、食中毒を防ぐには?
食材を傷ませないコツは?
食中毒って防げるの??
私、調理師免許を持っていまして。
学校では耳にタコができるほど
食中毒について散々勉強…。
厚生労働省が提唱している3原則は、
「つけない・増やさない・やっつける」
詳しい食中毒の知識はコチラ
知っておきたい食中毒のこと
●食中毒の分類
その分類は〈細菌〉〈ウイルス〉〈自然毒〉〈化学物質〉〈寄生虫〉の5つに大きく分けられる。
●気温と湿度
細菌性食中毒(腸炎ビブリオ・サルモネラ菌・カンピロバクター)の月別発生状況は、例年5月~10月に多く発生し、特に7月~9月が多い。これは、日本の高温多湿という夏の気候に関係している。細菌の発育適温帯は20℃~40℃。細菌を繁殖させないためには、低温域(5℃以下)または高温域(65℃以上)のどちらかでの保管が望ましい。
●お弁当と食中毒
原因食品別食中毒発生状況をみると、魚介類おそよびその加工品が最も多く、次いで複合食品(弁当・調理パン・総菜などの数品目以上の原材料で構成される加工調理品のこと)となっており、近年の中食や外食の利用者が増えたことも深くかかわっている。家庭における食中毒の発生件数は全体の10パーセント程度。
参照:厚生労働省、農林水産省
つまり!!!
① 菌を極力付けずに
② 増やさない工夫をし
③ 増殖するのを止める方法の調理
をすれば、食中毒は防ぎやすくなる!
具体的には…
①菌をつけない
→調理の前には必ず手を洗いする
②増やさない工夫
→水分の多い物、気温が熱くなるところは避ける
③増殖するのを止める調理
→加熱調理する
上記のことは頭で理解したところで!
とはいえ、忙しい朝のお弁当作り。
毎回きっちり3原則を守れないこと時にはあると思います。
だって…、子どもに持たせたお弁当って
どんな状態で過ごすか分からない!
お弁当にトマトやキュウリなど
生野菜を入れることもありますし。
そこで今回は!
お弁当に入れる食材の中でも「野菜」にフォーカスして比較実験!
【比較実験】傷みやすい野菜は?
一般的なお弁当を想定して、
野菜の傷みを比較実験してみましょう!
◆実験方法◆
いろんな野菜をタッパーに詰め、同じ日にそれぞれ違った環境にし、時間経過とともに食材の変化を観察します!
◆実験準備
みなさんが、お弁当に良く入れる野菜は何ですか?
こんな野菜をラインナップしてみました。
◆実験する野菜
・プチトマト
・キュウリ
・サニーレタス
・ブロッコリー(茹で)
・にんじん(茹で)
・じゃがいも(茹で)
比較する環境は、コチラ!
◆比較環境
A:リュックサックの中
(遠足・レジャーを想定→22℃程度)
B:室温
(20℃~25℃)
C:冷暗所
(一定の温度を保ち、直射日光の当たらない場所→気温19℃)
D:太陽光の当たる場所
(気温33℃~)
※温度は実験日の気温に即して観察しています。
実験当日は、気温17℃の晴天!
「リアルな実験をしたい!!」と家族全面協力のもと実施しました♪
【A:リュックサックの中】
息子には、リュックをお願い♪
野菜を詰めたタッパーを背負って実際に外出してもらいました!
【B:室温】
室温はリビングで放置。
【C:冷暗所】
日の光が全く入らない玄関の隅へ。
【D:太陽光の当たる場所】
バルコニーに置き、
直射日光の当たるところへ。
それぞれをセッティングし観察開始!!
◆経過観察
お弁当を持参する平均的な時間を参考に
1~5時間までは1時間おきに観察。
それ以降は一日おきに変化をみていきます!
●1時間経過
1時間後の野菜はどれもまだ大丈夫そう!
ただ、直射日光が当たっている
D太陽光の当たる場所は
タッパーに水分が多くつき始めました!
早くも嫌な予感…
●2時間経過
Aリュックの中、B室内、C冷暗所は、
問題ありません!
D太陽光のタッパーは、
ブロッコリーの異臭が漂い始めました。
そして、キュウリが干からびてきた!
●3時間経過
Aリュックの中、B室内、C冷暗所、
まだ食べられる状態です!
リュックの中が心配でしたが、
あまり外にいなかったせいか状態安定!
ホッと一安心。
D太陽光の食材は、
ブロッコリーも白くなりはじめ、
トマトの切り口も萎びてきました。
ジャガイモの痛みも早く、ネチョっとした感じ。
全体的に危険な異臭が出始めたので
3時間で食べれる状態ではないと判断!
暑さのせいで野菜から出た大量の水分。
これも、傷ませる原因に…↓
●4時間経過
Aリュックの中、B室内、C冷暗所ともに食べれる状態にあります。
ただ、Aリュックの中とB室内はタッパーに水分が付き始めました。
「そろそろ食べたほうがいいよ」
というサインかな?!
D太陽光は食べない方が良い状態ですが
実験のために観察を続行します。
●5時間経過
Aリュックの中、B室内ともに
状態は悪化している感じはないです。
まぁ食べられるでしょ!という感じ。
C冷暗所は問題なく
まだまだいけそうです!
お弁当を作ってから食べるまでって、
通常の5時間くらいかな?
と、1時間ごとの観察はここで終了!
その後の様子も気になるので、
2日間かけて実験してみることに!
●24時間経過
C冷暗所は、そこまでの異臭はありません。
ですが!
他の場所の食材はどれも異臭が!!
特にD太陽光はひどく、
絶対に食べてはいけないものに…。
やはり「気温が高いものは痛みが増す」という事実はこの実験で明らかに!
●48時間経過
C冷暗所も干からびてきました!
Aリュックの中、B室内、D太陽光は
クリーム色の菌が付き始めた!!
危険な状態になってきたので
ここで実験終了です!!
実験まとめ
閲覧注意!:野菜別それぞれの変化
最終的な野菜の傷み具合をみていきましょう!
★腐敗した野菜の写真があるので、見たくない方は飛ばしてくださいねー!
トマト
注目すべきはプチトマトです!
(…プチトマトって、彩り・手軽さで人気のスター食材!…って思っているのは私だけ?!)
カットしたトマトは
傷みの進行度合いが早かった!
切り口から水分が出て、
腐敗or干からびるからですね~。
一方、丸のままのプチトマト。
数日経過しても、しなびた感じがない!
皮で覆われているためですね!!
写真は48時間経過したもの↓
この48時間後の丸のままトマトを試しにカットしてみることに…。
ドキドキ。
おぉー!(写真向かって右です)
中身は水分が保たれジューシーな状態!
結論:トマトを入れるときはカットしてはいけない!
茹で野菜(ブロ・人参・じゃが)
つづいて、茹でた野菜について。
検証するのは、茹でた3点。
●ブロッコリー
●人参
●じゃがいも
●ブロッコリー
茹でている(加熱している)ので
レタスより長持ちするかな?!と予想。
しかし!どの野菜よりも
臭いがきつくなるのが早かったです。
傷みが進むと溶けてしまい、
ドロドロ~(恐)
箸では持てない状態に…。
●人参&じゃがいも
にんじんとジャガイモは
傷みが増すと菌が浮き出てきます。
にんじんよりもジャガイモの方が
傷みの進行は早いという結果に!
その一因は、ジャガイモの方が
水分量が多いからと思われます。
茹で野菜は傷みが早い。
特に水分量が多くなるものはキケン!
●生野菜(レタス・きゅうり)
サニーレタス
意外だったのが、サニーレタス!
私の予測では、
サニーレタスが一番先に水分が抜けて
しなびてしまうと思ったのですが…。
実験したどの場所でもサニーレタスの葉は元気!
あまりしなびた感じはなく数日経過しても
共通してハリが残っていました!
意外すぎるー!!!
ただし、茎の白い部位は
ピンク色に変化。
数日経過しても食べれる状態
とは言い切れません。
キュウリ
干からびる速度が
どの野菜よりも早かった!!!
断面の面積が大きいというのも
理由の1つと言えますね。
サニーレタスは元気!
切ったキュウリは干からびるのが早い。
実験結果のまとめ
傷みやすさを表にまとめてみました!
食べられる状態=〇
傷み始めてる状態=△
食べられない状態=×
わかったこと
●水分の多い野菜は避ける
・トマトはカットしないでそのまま入れる
・レタスの茎は切り離す
●水分量の多い調理法を避ける
・汁気のあるものはNG
・茹でたものでも水分を多く含んでしまう食材はむかない
例)ジャガイモを入れたい場合は、肉じゃがなどではなく、揚げるなどして工夫する
●暑くなる場所には注意!
熱くなるところ、湿度が高くなりそうなところには極力置かない!
●長時間持ち歩きに注意!
長時間持ち歩かない!早めに食べるに限る!
●異変は口にしない!
異臭や粘りなど、おかしいと思ったものは口にしない!
傷みやすい野菜ランキング
今回の実験結果から
傷みやすい食材を発表!!
傷みやすい野菜ランキング
1位 | ブロッコリー、カットトマト |
---|---|
2位 | じゃがいも |
3位 | キュウリ |
4位 | にんじん |
5位 | サニーレタス(葉の部位) |
6位 | プチトマト(丸のまま) |
★今回の実験だけをもとにしています
トマトは、カットしているか否かで大きく差が出る驚きの結果に!
「水分量が傷みの大きな要因」
ということがわかりますね~。
今回の結果をもとに、野菜が持っている水分量を考察!
傷みやすい野菜・傷みにくい野菜を予測してみました~!!
●傷みやすい野菜(予測)
・キュウリ
・生野菜全般(カットしたものは特にNG)
・じゃがいも
・大根
・キャベツ
・カブ
●傷みにくい野菜(予測)
・レタス
・ミニトマト(丸のまま)
・れんこん
・ピーマン
・ごぼう
・にんじん
・いんげん
今後のお弁当作りの参考にしてください!
お弁当に入れると傷みやすい野菜、
大実験いかがでしたか??
今回の実験で犠牲になってくれた
野菜たちに感謝を込めて…。
みなさんのこれからのお弁当作りに
生かしてもらえたら嬉しいです!
これまでなんとな~く
お弁当に入れていた野菜たち。
わたしも今回の実験で、
お弁当に向く食材かどうか
見極められるようになったかも?!
それでは!
次回の食オタノートもお楽しみに♪