分厚くて、食べ応えのありそうな豚ロースを発見!
豚ロースと言ったら「とんかつ」?!
とんかつも良いけれど、焼くだけでおいしい「ポークソテー」も
わたし好きなんです。
でも、ポークソテーって、
上手に焼くの難しいんですよね…。
反り返っちゃったり、
焼き縮みしたり。
おっと、これは肉オタの出番では?!
おいしく焼ける「ポークソテー」の作り方、
実験してみましょう!
ポークソテーの焼き方って??
「ポークソテー」とは、豚ロースなどを焼くだけ!の肉料理。
つまり、「焼き方」が命!!!
皆さんはどんなふうに焼きますか?
我が家ではいつもこんな感じです。
じゃ~ん♪
我が家のポークソテーです!
でも、そういえば!
食オタの友人がこう言っていました。
「フライパンは温めず予熱なしで焼く」
…え?!そうなの?!
私はいつもフライパンは軽く温めてから焼いていました。
焼くときのフライパンの温度で、
ポークソテーの仕上がりは変わるの!?
やってみましょう!!
ポークソテー実験①:フライパンは予熱する?冷たいまま?
さぁ、調べたいのは、焼くときの「フライパンの温度」です!
この3つで比較実験してみましょう。
比較するフライパンの状態(温度)
A 冷たいフライパン
B 予熱したフライパン
C アツアツのフライパン
とは言っても、おいしさを数値にするのは難しいので…
●焼く前後の重さ(グラム数)
●火の通り具合
●ジューシー感
の3つで、ポークソテーの焼き上がりを
チェックしたいと思います!
◆実験準備
用意したのは、ステーキやとんかつ用の豚ロース。
長さ12~14㎝、厚さ2㎝程度。
3枚入りのパックで購入したので
重さは110~200g超とバラバラです。
まずは、筋切りします!
包丁を使って筋を切り~。
筋切りの仕方は、以前実験しましたね!
そして3枚とも、条件はこのように揃えました。
・冷蔵庫から出したばかりの豚肉(約5℃)
・筋切りをしたもの
・塩、胡椒はしないで焼く
さて、焼くときのフライパンは、
冷たいままが良い?
予熱するのが正解?!
焼いてみましょう!
A:冷たいフライパン
お肉は重さ203gです。
(お皿の重さは引いてあります)
使用するフライパンは直径20㎝程度。
テフロン加工のものです。
フライパンの温度は18℃程度かな。
余熱せず、冷たいままのフライパンに
お肉を乗せてから火をつけます。
徐々にいい音と香りが立ち上がり…
およそ3分。
フライパンの接地面のお肉の色が変わってきました!
そろそろひっくり返すタイミングかな?
おいしそうに焼けてます♪
反り返りもありませんね!
ここから3分さらに焼きます。
その後、火を止めてふたをして余熱で3分程度待ちます。
B予熱したフライパン
続いては、フライパンを軽く温めてから焼く!
30秒ほど加熱して、手をかざして温かくなってきたな…
というタイミングでお肉を入れます。
おすすめの「予熱の目安」は水滴を落としてチェックするのが◎!
予熱適温だと、水滴がコロコロと勢いよく転がります。
逆に熱くしすぎるとジュっとすぐ蒸発。
ステンレスや鉄のフライパンならこの方法が分かりやすいです♪
今回みたいにテフロン加工のフライパンは
わかりにくいですが…。
さて、お肉に戻って。
焼く前は、128gです。
焼き目がつくまでさっきよりも少し短い、約2分半。
その後は先ほどと同じ。
裏返して3分焼き
火を止めてから余熱で3分ほど
ふたをして置いておきます。
C:アツアツのフライパン
最後は熱したフライパンで焼いてみます。
「空焚きするとテフロン加工がはがれやすい」
と言いますが…。
ジューシーにおいしく焼けたりして。
焼く前は190gです。
煙が少し出るくらいまで熱くして焼いてみると…。
脂がバチバチ飛ぶ!
危険です(汗)
焼き目がつくまでも早い!
1分半でちょうど良い感じ。
ひっくり返したらだいぶ反り返ってます(涙)↓
同じように筋切りをしているのにな~。
◆焼きあがり比較
それでは、それぞれの焼き上がりを比較してみましょう!
この3点でチェックしていきます。
●焼く前後の重さ(グラム数)
●火の通り具合
●ジューシー感
●焼く前後の重さ(グラム数)
焼く前と焼いた後の重さをグラム数で比べてみます。
A:冷たいフライパン
203g→181gになりました!
焼いたことで22g減っています。
B 予熱したフライパン
128g→102g、26g減です。
C アツアツのフライパン
重さは190g→114g。
ええっ!
76gも減りました…。
–
まとめて比較してみましょう。
実験内容 | 焼く前 | 焼き後 | 増減 | 縮み率(%) |
A冷たい | 203g | 181g | -22g | 89% |
B予熱後 | 128g | 102g | -26g | 79% |
Cアツアツ | 190g | 114g | -71g | 60% |
※縮み率=焼いたことで何%に縮んだか
一番違いが出たのは
C:アツアツのフライパン!!
お肉が60%に縮んでしまうなんて…!
冷たいフライパンとの差が歴然です!
●火の通り具合
次は、火の通り具合をチェック!
A:冷たいフライパン
うん、良い感じです♪
中までしっかり火が通っていますね!
でも柔らかそうな断面!
B:予熱したフライパン
少しだけ焼き締まったような印象。
C:アツアツのフライパン
g数でも60%も縮んでいましたが、
見た目もギュッと小さくなった印象。
焼き終わりのフライパンにはこんなに肉汁が…!!
並べて比較してみましょう。
同じように筋切りをしたにも関わらず
Cの反り返りが…(汗)
火の通り具合は…
A 冷たいフライパン | ちょうど良い |
B 予熱したフライパン | 少し固めの仕上がり |
C アツアツのフライパン | もっとも固め |
フライパンを熱さない方が、焼き加減もちょうどよくなるんですね!
●ジューシー感
いちばん問題の「ジューシー感」!
これは実際に食べてみて判定してみます♪
何となく、もう結果は見えているような…
食べてみて、私が感じた差です。
A 冷たいフライパン | 水分が残ってみずみずしい |
B 予熱したフライパン | Aよりも少し固い |
C アツアツのフライパン | パサパサしている |
結論
フライパンを予熱してから焼くより、冷たい状態にお肉をのせた方が良い!
その方がおいしく感じました!
上手なポークソテーの焼き方(冷たい豚肉使用)
フライパンは予熱しない!
「冷たいフライパン」にお肉をのせてから火をつけて焼くべし。
※冷蔵庫から出したばかりの豚肉(約5℃)を使用した場合。
ポークソテー実験②:豚肉の温度で焼き上がりは変わる?
さっきは冷蔵庫から出したばかりのお肉(約5℃)を使ったんですよね。
常温に戻したお肉だったら結果が変わるかも!?
この2つの焼き方で比較してみます。
比較するフライパンの状態(温度)
A:冷たいフライパン
B:予熱したフライパン
アツアツのフライパンは、今回除外。
調べたいのは、焼くときの「豚肉の温度」です!
常温の肉と冷たい肉、
焼き上がりに差が出るんでしょうか?!
やってみましょう!!
常温で1時間ほど放置すると、16℃になりました。
室温が低い冬はOKなのですが、
夏の常温放置はキケン!
夏場に常温に戻すときは電子レンジの
解凍モードを使ってくださいね!
A:冷たいフライパン
まずは冷たいままのフライパン。
常温にした豚肉を焼いてみます!
筋切り済みです。
焼く前の重さは162g。
接地面が良い焼き色になったら
ひっくり返します。
あれっ?
豚肉がちょっと反り返る?!
慌てて押さえてます…!
B:予熱したフライパン
次は予熱したフライパンで
常温の豚肉を焼いていきます。
焼く前の重さは148g。
今度は反り返らず、キレイな形で焼けています!
それでは、それぞれの焼き上がりを比較してみましょう!
今回もこの3点でチェックです。
●焼く前後の重さ(グラム数)
●火の通り具合
●ジューシー感
●焼く前後の重さ(グラム数)
焼く前と焼いた後の重さをグラム数で比べてみます。
A 冷たいフライパン
冷たいフライパンから常温のお肉を焼いたもの。
162g→119gで43g減。
結構減りましたね!
B予熱したフライパン
148g→122gで26g減。
あれっ、Aより減りが少ないですね!
実験内容 | 焼く前 | 焼いた後 | 増減 | 縮み率(%) |
A冷たい | 162g | 119g | 43g | 73% |
B予熱後 | 148g | 122g | 26g | 82% |
※縮み率=焼いたことで何%に縮んだか
あれれ?!
フライパンを予熱した方がグラム数の変化が少なくなりました。
冷たいお肉の場合は、冷たいフライパンの方が良かったのに!
常温だと温めた方がいいのか!?
●火の通り具合
焼き上がりの断面を比較してみましょう!
A 冷たいフライパン
お肉の繊維のスキマがなく、キュッとしまっているように見えます。
B予熱したフライパン
ジューシーでふっくらした
印象を受ける焼き上がりです!
並べてみると、どちらも生焼けはなし。
加熱はしっかりできています。
Aよりも、Bの方が少し
ふっくらとしているような?
●ジューシー感
食べ比べてみます!
やはり予熱してから焼いた方がみずみずしい!
肉汁がとどまっているような
ジューシー感があります!
上手なポークソテーの焼き方(常温の豚肉使用)
フライパンは予熱してから焼くべし!
※常温にもどした豚肉(約16℃)を使用した場合
これは…、どういうことだ!!
さっきと逆の結果になりました!!!
●実験結果まとめ
これまでの結果をまとめるとこうですね!
冷たい豚肉=冷たいフライパンを使う |
常温の豚肉=予熱したフライパンを使う |
つまり…?
大切なことはコレだ!!!
このコツを覚えておくと迷うこともなくなりそうです♪
【番外編】ポークソテーの疑問を解決!
実は、以前から気になっているポークソテーのギモンがあるんです。
水分保湿があるという片栗粉。
ポークソテーにまぶして焼いたら、よりジューシーになるのでは?
そしてもうひとつ。
塩は食材の水分を引き出す「浸透圧」あり。
塩をして焼いた肉、しない肉では仕上がりに差は出るの?
せっかくの機会なので、
これもトライしてみましょう!
疑問その1:片栗粉をまぶしたら?
サッと筋切りし、
片栗粉を均一につけて焼きます。
今回使うのは、冷蔵庫から出したばかりの豚肉。
「冷たい豚肉=冷たいフライパン」
でしたね!!
片面が焼けました!
カリっと良い感じです♪
でも、もう片面を焼き、
ふたをして余熱で仕上げていると…。
片栗粉が溶けて表面がトロトロに…。
フライパン内の蒸気を吸って、
カリッとはしないんですね。
重さは189g→160g。
29g減です。
片栗粉をまぶして焼いても
今までとあまり変わりませんね。
食べてみましょう!
やっぱり…。
片栗粉のプルプルとした食感が
ちょっと気になるなぁ…。
シンプルな味付けで食べるなら
片栗粉はちょっと余計かなあ?
片栗粉をつけて焼くと?
豚肉がジューシーというより、片栗粉がプルプル食感になる
シンプルに塩コショウで食べるなら片栗粉は不要。
味付けに調味料を使うならソースがからむので食べやすさ◎
しょうが焼きのように味付けをするなら
片栗粉が良い効果を発揮するかも?!
疑問その2:塩の効果は?いつ振る?
「塩」は食材の水分を引き出す
「浸透圧」がありますよね~。
塩をして焼いた肉は、仕上がりに差は出るのでしょうか?!
筋切りをし、塩を振ったあと30分くらい常温で放置しました。
(コショウも一緒に振っています!)
少し馴染ませた方が、塩の効果が出そうですよね!
焼く前の豚肉の温度はおよそ15℃。
「常温の豚肉=予熱したフライパン」
でしたね!
フライパンを予熱してから焼きます!
おいしそう~!
しかし…!!!!
焼いたあとのフライパンがこちら。
肉汁がめっちゃ出てる~!
重さは224g→181g。
43g減です。
こんなにグラム数が変わったのは
塩の浸透圧の効果(せい)なのかな?
よし、食べてみよう!
少しお肉が固くなったような気が…?
でも、美味しい!
これまでの実験では食べる直前に塩を振っていたので
表面だけに塩味がありました。
事前に塩を馴染ませたものは
肉の中まで塩気が染みていて
おいしかったー!
塩を馴染ませて焼くと?
若干かたくなり脂は出てしまうが、肉の中まで塩味が染み込み、これはこれで美味しい!
むしろ、豚肉の内部まで塩味が効いていて私は好きです♪
まとめ
今回はポークソテーの焼き方について、
・フライパンの温度
・豚肉の温度
をそれぞれ比較しました!
フライパン・豚肉の温度比較
フライパンは冷たいまま?
予熱してから焼く?
アツアツにしてから焼く?
豚肉が冷たい場合
→フライパンも冷たいままで!
豚肉が常温の場合
→フライパンは予熱しておく!
フライパンと豚肉の温度に差がないと、上手に焼けます!
●片栗粉はソースを絡ませるならアリ!
片栗粉をまぶして焼くと表面がプルプルに…。
シンプルに食べたい際は邪魔するかも。
ソースはしみこむので食べ方次第!
●塩を振るタイミングは、お好み!
事前に馴染ませておくと、肉の中まで味が染み込み美味しい♪
(若干かたく、脂は出てしまいますが)
「焼くだけ」なのに、意外に奥深い「ポークソテー」。
実験のためにたくさん焼いた豚肉は、
いくつかのソースを作っておいしくいただきました♪
トマトベースやクリームベースなど、
いろんな味で楽しめるのも魅力♪
簡単で美味しいポークソテー、
皆さんも楽しんでみて下さいね!
牛肉のステーキや、
鶏肉のチキンソテーなら
結果は変わるのかな?
また機会があったら検証してみます!
次回の食オタnoteもお楽しみに♪