果物の糖度実験、第2弾!!
今回は、ぶどうの糖度を徹底調査!
前回のスイカの記事は読んで頂けましたか?
スイカは、ウワサ通り「真ん中が甘い」ことが判明!
では、ブドウはどうなんでしょう。
そもそも同じ房でそんなに違いがでるのか?
保存しておくと糖度は変わるのか?
あんまり意識なく食べてたけど、違いが出るなら、こっそり甘いところを選んで食べたいな~。
私自身も興味津々♪
では早速、調べていきましょう~。
実験1:ブドウはどこが甘い粒?
食オタ仲間の増田純代さんの紹介で、西東京市の保谷果樹園さんに伺ってきました。
保谷果樹園さんにご協力いただいて、今回は、4種類のブドウを集めることができました!
なんて贅沢な♪
部位によって糖度は違うのか?
先端を①として4か所の糖度を測り比べてみました。
◆藤稔
藤稔(ふじみのり)は、巨峰のような黒紫色の品種。
今回は早採りでいただいたので、色がまだ少し薄めですね。
部位ごとに分けて…
それぞれ皮ごとミキサーにかけ
果汁にしました!
まずは先の方から計ってみましょう。
①先端…糖度16.0度
ちなみに藤稔は、糖度17度くらいのぶどうです。
②中央部分(先端寄り)…糖度16.1度
ほぼ先端とおなじですね。
③中央部分(枝寄り)…糖度16.7度
④枝近く…糖度17.9度
おっ!!
枝近くの糖度がずば抜けて高い!
保谷果樹園さんからたくさん藤稔を頂いたので、平均値を取るべく、違う房でも計ってみました。
まとめるとこんな感じ↓↓
平均で見ても「④枝近く」が
1番高い結果となりました~!
「①先端」と「②中央部分(先端寄り)」がほぼ同じ糖度の房もありましたが、比較的「先端の方は糖度が低い」という結果でした。
真ん中を境に、こんなに糖度に差があるなんて!
私自身も驚き~!!
他の品種ではどうなのかな。
◆サニールージュ
サニールージュは赤系ぶどう、糖度が19度前後の品種です。
藤稔と同じく4部位に分けて糖度を測ってみましたよ~。
結果は、こんなかんじに!↓
①先端 | 18.4度 |
---|---|
②中央(先寄り) | 18.1度 |
③中央(枝寄り) | 18.3度 |
④枝近く(上) | 19.0度 |
サニールージュも、「④枝近く」の糖度が1番高く、その他の部位では、あまり糖度が変わらない結果となりました。
◆シャインマスカット
シャインマスカットは皮ごと食べられる緑系ぶどう。
糖度は、こちらも19度前後の品種です。
気になる結果は、こちら↓
①先端 | 17.1度 |
---|---|
②中央(先寄り) | 18.6度 |
③中央(枝寄り) | 19.5度 |
④枝近く(上) | 19.8度 |
すっごくわかりやすくい結果!
「①先端」から「④枝近く」にかけて糖度があがっていますね。
◆デラウェア
赤系の小粒ぶどう。
小粒なのでミキサーにかけるのに
粒数がたくさん必要でした…。
デラウェアは糖度20度くらいの品種です。
果たして結果は…↓
①先端 | 14.0度 |
---|---|
②中央(先寄り) | 14.6度 |
③中央(枝寄り) | 14.4度 |
④枝近く(上) | 16.0度 |
今回、購入したデラウェアは糖度が低めでしたね。
低い中でも糖度が1番高いのは「④枝近く」となりました。
実験1:結果
こちらも、まとめてみました↓↓
糖度が1番高い部位は、
どの品種でも「④枝近く」でした!
低い部位は、「①先端」や「②中央部分(先端寄り)」と品種によって異なっていたり、①~③ではあまり糖度に違いがなかったり…。
藤稔のように、いくつかの房で測定して平均をとったら、傾向が見えてきたかもしれませんね!
もっと糖度測定したい欲がムクムク…。
今回の測定でハッキリとわかったのは
「④枝近く」の糖度が高いこと!
なんで枝近くの粒が甘い?
なぜ「④枝近く」は糖度が高いのか。
それには理由が2つ考えられます!
1つは、「熟していく順番」に秘密がありそうです。
ぶどうは、枝側から順番に熟していくのです。
早くから熟し始める枝側の方が糖度が乗っているということ!
2つ目の理由は、「太陽の当たり方」が関係ありそう。
糖度があがる条件の一つに、日照時間があります。
植物は光合成で糖を作りだします。
ということは!
しっかり太陽が当たっている実の方が、糖度が高くなるというわけですね。
枝側のほうが比較的、太陽に当たりやすいので、糖度が高くなっているのだと思います。
品種や房によって、糖度の低い部位が異なったのも、太陽の当たり具合によるものかもしれませんね。
◆ブドウは追熟しない果物
食オタ会議でも話題にあがった、
ぶどうも追熟させると甘くなるのか。
果物の中には追熟するものとしないものがあります。
●追熟する果物…バナナ・キウイ・メロンなど
●追熟しない果物…いちご・りんご・ぶどうなど
そう、ぶどうは追熟しない果物なのです。
では、糖度の変化はあまりないのでしょうか。
気になるところです。
実験2:追熟させると甘くなるか?
ぶどうの糖度は、時間が経つと変わるのか、糖度変化の実験をしてみます。
中央部分の実を4つに分けて常温と冷蔵で調べてみました!
比較実験
①追熟(常温保存)3日
②追熟(常温保存)6日※藤稔とサニールージュのみ
③冷蔵保存3日
④冷蔵保存6日
保谷果樹園さんからいただいた藤稔とサニールージュは、常温保存で6日置いても大丈夫でしたが、
スーパーで購入したシャインマスカットとデラウェアは常温下では3日が限界でした…。
◆藤稔
実験1で測定したように中央部分は
平均で16.4~16.8度でしたが
どう変化していくのかな。
①追熟(常温保存)で3日
糖度は、18.7度
あれ?だいぶ上がりましたね…。
②追熟(常温保存)6日
糖度は、19.4度
③冷蔵保存3日
糖度は、16.2度
④冷蔵保存6日
糖度は16.8度
その他の品種の結果は…
◆サニールージュ
①追熟(常温保存)3日 | 18.9度 |
---|---|
②追熟(常温保存)6日 | 19.4度 |
③冷蔵保存3日 | 17.0度 |
④冷蔵保存6日 | 17.4度 |
◆シャインマスカット
①追熟(常温保存)3日 | 19.5度 |
---|---|
②追熟(常温保存)6日 | 測定不能 |
③冷蔵保存3日 | 17.4度 |
④冷蔵保存6日 | 17.7度 |
◆デラウェア
①追熟(常温保存)3日 | 16.6度 |
---|---|
②追熟(常温保存)6日 | 測定不能 |
③冷蔵保存3日 | 16.1度 |
④冷蔵保存6日 | 15.8度 |
実験2:結果
まとめてみました↓↓
ぶどうは追熟させても糖度がのらない
と聞いたことがあったのですが…
ほとんどの品種で常温保存すると
糖度があがっていました。
でもでも!
常温保存で追熟させたぶどうは
あんまり美味しくなかった…!
ぶどうの美味しさみずみずしさも半減、香りも少なくなってしまっています。
\結論/
総合的に美味しく食べたいのなら、収穫したら早めに、買ったら早めに食べるのがオススメ!
そして、冷蔵保存ではほとんどの品種で
糖度が下がってますね…。
ただ、スイカの記事でも説明したように、ぶどうも果糖がとっても多い果物なので、低温で甘みを感じやすいです。
スイカ同様、食べる少し前に、冷蔵庫で冷やすのが良さそうです!
まとめ
実験1
「ぶどうはどこが甘いの?」
答え:枝の近く
品種ごとの部位別、糖度ランキング!
今回、計った品種はどれも
「枝近く」の糖度が高い結果でした!
品種によっては、差がないものもあるようです。
でも、なんだかホッとしました。
もし先端が1番甘かったら…少ないから奪い合いになってしまいますよね。
先端側から順に、枝側に向かって
食べていくとどんどん甘くなるので
最後まで美味しく食べられそうです♪
実験2
「ぶどうは追熟させると甘くなるの?」
答え:甘くなる
が、しかし!
常温で追熟すると美味しくない!
ぶどうの美味しさでもある、みずみずしさや香りがなくなってしまうので、常温で置くなら3日くらいまで。
冷やしすぎは糖度の低下につながるので、食べる少し前に冷蔵庫で冷やしてみてください。
どうしてもすぐに食べられないときは?
軸を少し残して1粒ずつカットしておくと、日持ちしやすいですよ。
どんな果物や野菜もそうですが
生産者さんの努力と愛の結晶です。
ぶどうは特に摘果に手間がかかる果物なんです!
摘果せずに放置するとこーんなに実がつきます。
糖度が高くて、キレイな形のぶどうにするために、ひとつひとつ手作業で、摘果をしているんです!
生産者さんの手間があっての
この甘さ!この美しい形なのです!!
そんなことも、ふと思い出しながら
先端から枝側へ…
おいしくぶどうを食べて頂けたら
嬉しいです♪
次回の食オタNOTEもお楽しみに!