果物や野菜には、ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富です。
そして「酵素」がたくさん含まれるんですよね。
食育のお仕事でも、よく酵素の話を取り上げます。
果物の中でも酵素が多いのが、キウイフルーツ!
今日は、キウイに含まれる酵素について研究!
ちょっと気になっていたことを実験してみようと思いまーす。
キウイフルーツに含まれる「酵素」とは
一緒に食べると消化を助けてくれる「食物酵素」。
大根おろし+お餅の食べ合わせが有名かな?
酵素の種類
酵素には大きく分けて、次の3つの種類があります。
・たんぱく質を分解するもの
・でんぷんを分解するもの
・脂質を分解するもの
キウイフルーツの酵素アクチニジンの働き
キウイには”アクチニジン”という
たんぱく質を分解する酵素が含まれます。
このアクチニジンは、
たんぱく質を分解=つまりお肉を柔らかくする
効果があるんですね!
ただし実は、少し困っちゃう点も…。
例えば…
それって、ホント??
食オタ心がくすぐられる~。
これは、実際にやってみなくては!!
【実験1】
キウイを入れるとゼリーが固まらないって本当?
ゼラチンでゼリーを作るときに、キウイやパイナップルを生のまま入れると固まらない
…って、聞いたことありませんか?
そういえば、私もキウイでゼリーを作ったことないな。
初めて挑戦してみます!
①生のグリーンキウイ×ゼラチン
グリーンキウイを用意しました!
生のまま入れてゼラチンで固まるのか?!
やってみましょう。
まずは鍋に水、ゼラチン、砂糖を入れて…
ひと煮立ち~。
ゼラチンがしっかり溶けるように、泡だて器でシャカシャカ♪
ゼラチン液の粗熱が取れたら…
生のキウイを器に入れて流し込みます。
生グリーンキウイ×ゼラチンの結果
冷蔵庫で冷やすこと3時間。
どうなったかな~??
と、スプーンを入れてみると…
あら?!ホントだ!!
固まってない…!液体のまま!!
「ゼラチンの量、間違えたか?」
と、不安になるほどサラサラ~(汗)
知らずに作ってたらショックかも。
ゼラチンが固まらない理由
なんで固まらなかったのか!
そこが気になりますよね。
ゼリーを作るときに使ったのはコレ↓
粉のゼラチン。
理由は、ゼラチンの原料にあります。
ゼラチンって何でできているか知っていますか?
「コラーゲン」は、たんぱく質の一種。
そう!!ゼラチン=たんぱく質なんです!!
↓箱にも「100%コラーゲン」って、書いてありました。
つまり。
キウイの酵素「アクチニジン」は、たんぱく質分解酵素。
それが、たんぱく質であるゼラチン(コラーゲン)を分解する。
というわけ。
箱の裏にも注意書きがありました。
おや?なになに?
「フルーツを煮るか缶詰をお使いください」
と書いてありますね。
試してみましょう!
②加熱したグリーンキウイ×ゼラチン
酵素は熱に弱いので、煮ればいいのか!
ゼラチンを溶かした水の中でキウイを煮てみました。
これで原理的には固まるはず~。
ワクワク♪
加熱グリーンキウイ×ゼラチンの結果
待つこと3時間…。
おぉ!固まってるぅーー!
生キウイの時と同じ分量のゼラチンで、しっかりと固まってました!
しかし…
キウイがあんまり美味しくない…。
加熱したからか??
せっかくなら美味しいまま、ゼリーにしたいなぁ~…。
③生のゴールドキウイ×ゼラチン
ゴールドキウイは、酵素アクチニジンが少ないんです。
って、ことは。
ゴールドキウイならゼラチンでも固まる?
これは、やってみなくては!
生ゴールドキウイ×ゼラチンの結果
グリーンの時と同量で作ってみたら…
おぉ~!固まってる!
しかも。
キウイの味がフレッシュなまま!
ゼリーに閉じ込められてて、おいしーー!
④生のグリーンキウイ×寒天
まだまだゼリーの実験は続きますよ!
今度は固める材料を変えてみましょう。
ゼリーは寒天でもできますよね。
寒天は、たんぱく質ではない!
これならグリーンキウイでも固まりそうですね。
煮溶かした寒天を入れて
冷蔵庫で3時間冷やします。
待ってる時間ってドキドキしますよね。
生グリーンキウイ×寒天の結果
冷蔵庫から取り出してみると…
見た感じは固まっていそう!?
スプーンですくってみると…
プルン!!
やった!しっかり固まってました!
生のキウイでできるので、キウイも美味しいまま♪
生のグリーンキウイでゼリーを作るなら、
寒天を使うのも良さそうですね!
ちなみに…
ゴールドキウイでも作ってみました。
もちろんしっかり固まっていましたヨ!
寒天を使えば、生のグリーンキウイでも
しっかり固まってくれることが分かりました。
ただ…
寒天だと透明感が少ないんだよなぁ~~。
食オタとしては、キウイのかわいい断面が
見えていて欲しい…。
⑤生のグリーンキウイ×アガー
続いて使うのはコレ。
アガー!!
ゼラチンよりも透明感のあるゼリーが作れちゃうんです。
たんぱく質ではなさそうだけど…
固まってくれるかなぁ??
アガーは、先に砂糖と混ぜてから、お湯で溶かさないとね!
生グリーンキウイ×アガーの結果
さてさて、固まったかな?
おぉ!できてる、できてる!
ゼラチンや寒天と比べてプルプル感が強い。
けど、透明感もあって可愛いキウイゼリーです!
寒天と見比べてみましょう。
透明感が全然ちがう~!!!
大満足です!
キウイゼリー実験結果まとめ
生のキウイフルーツ×ゼラチンでは、
本当にゼリーは固まりませんでした!
ただし、キウイを加熱すれば固まります。
生のグリーンキウイでゼリーを作りたいなら、寒天かアガーを使うべし。
そしてグリーンではなくゴールドキウイなら固まります!
ゴールドなら、ゼラチンでも寒天でもアガーでもOK。
食感もぜんぜん違うので、
好きな食感で選ぶのもいいかもしれませんね。
個人的には、アガーがオススメ!
キウイの断面がキレイに見えます♪
【実験2】
ヨーグルトが苦くなるって本当?
ヨーグルトにキウイを入れるとたんぱく質が分解されて苦くなる
今度は、この要注意ポイントを検証します!
①ヨーグルトの上にキウイを乗せてみる
ヨーグルトの上に、切ったキウイを乗せておきます。
グリーンとゴールド両方ともやってみました。
ヨーグルトとキウイって、よくある組み合わせじゃない?
私も一緒に食べたことある気がするんだけど…
苦くなった記憶がないなぁ(汗)
2時間後。
実食!
…???
キウイに接していたヨーグルトを食べてみたけど…
よくわからんなぁ~。
むしろヨーグルトにキウイの香りがうつって
美味しくなった気がするんですけど~(笑)
②ヨーグルトと混ぜてみる
再度、チャレンジ!
今度は、すり潰したキウイとヨーグルトを混ぜてみることに。
またグリーンとイエロー、両方試してみました。
2時間後。
見た目に、変化はない気がする??
こちらはグリーンキウイです↓
スプーンですくってみましょう。
…っ!!
あれれ?!
ヨーグルトとは思えないサラサラ!
ひと口パクリ。
…ん゛っ!……にがっっ!!
しかもヨーグルトの味、まったくしない!
うわ~~~。ほんとに苦くなるんだ!
ゴールドキウイの方は?!
少し分離しているようにも見えるけど。
ヨーグルトのもったり感は残ったままです。
食べてみると…
ゴールドキウイは、ヨーグルトの味もそのまま!
キウイの味も残っていました!
キウイヨーグルト実験結果まとめ
「キウイをヨーグルトに入れると苦みが出る」
は本当だった!!
ただし、酵素アクチニジンが少ないゴールドキウイは大丈夫。
それとグリーンもちょっと乗せるくらいなら平気。
グリーンキウイとヨーグルトを一緒に食べたい場合は…
✓ 直前に添える
✓ 混ぜない
ことをおすすめします!
【実験3】
キウイでハムが溶ける?
ハムとキウイを隣り合わせにするとハムが溶ける
ほんまかいな!!
確かにハムはたんぱく質だけど…。
こればっかりは信じがたい(笑)
キウイの上に1枚ずつハムを乗せてみました。
2時間後。
どれどれ、溶けたかな~?
…って、溶けてませんね!
やっぱりウソだったのか…?
ん~…。どうしても溶かしたい(笑)
今度はサンドしてみました!
上からも下からもアクチニジン攻撃なら溶けるのでは??
さらに2時間後。
溶けているかな~??
触ってみると、……はっ!!
とろーんとは溶けていませんが、ボロボロになりました。
触れば触るほどに崩れていく。
なんか嬉しい(笑)
キウイとハム実験結果まとめ
「ハムはキウイのたんぱく質分解酵素で溶ける」
実証できました!
さすが、たんぱく質分解酵素!
本当にたんぱく質を分解してくれた~。(笑)
ただ、チョットであれば溶けないことも判明。
注意すべきはお弁当など、長時間置いておく場合ですね。
キウイとハムは隣にしないほうが良さそうです。
キウイフルーツに含まれるたんぱく質分解酵素「アクチニジン」。
知識として知っていることを、
実際に試してみるってワクワクしますね。
パイナップルやパパイヤなど、他にもたんぱく質分解酵素を持つ果物があります。
他の果物の酵素だと、どうなるのかなぁ??
引き続き検証してみたくなりました。
夏休みの自由研究にも面白そうですね♪
ぜひみなさんも挑戦してみてください!