もうすぐひな祭りですね。
♪あかりをつけましょ ぼんぼりに~♪
歌の途中で「白酒」が出てきますよね。
「白酒」って何でしょうか?
文字通り、本物の白酒はお酒。
♪赤いお顔の 右大臣~♪ですからね。
昨年からブームにもなっているのはノンアルコールの方の「甘酒」!
「甘酒」でひな祭りを祝いましょう!
甘酒とは?
「甘酒」と一言で言っても、
酒粕で作るものと糀で作るもの
2種類があるんです。
酒粕で作るものは当然ながら
アルコール分があり、甘くありません。
甘酒にする時には甘味を加えます。
これに対して、糀で作るものには
アルコール分はなく甘味も加えません。
日本伝統の糀が作り出す自然な甘さ。
酒粕の甘酒…アルコールあり
糀の甘酒 …ノンアルコール、糀の自然な甘さ
菌オタクと言われる私がお勧めするのは
CMでも流れている 糀甘酒!!
\糀でつくる甘酒の特徴/
●飲む点滴
飲む点滴とも言われるほど栄養豊富。
それは点滴に含まれる成分とよく似ているからなんですよ。
そして吸収も早い!
●「甘酒」は夏の季語
冬のイメージのある人も?
でも、甘酒って夏なんです。
そもそも夏の季語である甘酒。
昔、夏バテした体に栄養を補給する
飲み物だったとのこと。
●体に良くてもほどほどに
でも…飽食の時代と言われる現代。
いくら体にいいからと言っても
飲み過ぎはNG!
分解されたブドウ糖は血糖値を
上昇させますからね。
砂糖を加えていなくても確実に太ります 笑
■どうして甘くなるの?
甘酒の作り方は人によってさまざま。
でも、準備するのものは共通しています。
糀甘酒の基本材料
①糀 ②ごはんかお粥 ③水
この3つの分量の違いで濃度や糖度が変わるんですね。
糀には、アミラーゼとプロテアーゼという酵素が含まれます。
糀の酵素
【アミラーゼ】
このアミラーゼは、お米のでんぷんを甘味であるブドウ糖に分解。ご飯粒を噛んでいると甘くなるのと一緒ですね♪
【プロテアーゼ】
プロテアーゼはお米に含まれるたんぱく質を、旨味であるアミノ酸に分解します。
なんか遠い昔に学校で習ったような…汗
だから、
甘酒には甘味も旨味もたっぷり!
ただ、この分解が活発に行われるのは
温度が決まっているんです。
それは 50℃~60℃。
温度
50℃~60℃
高すぎても低すぎても甘くなりません。
でも温度さえ守れば、
誰でも簡単に作れます。
あとは時間。
どういう分量で作るかによって、
時間の長短が変わります。
ごはん入れ
ごはんやお粥を入れると、かさ増しになります。でも単純に分解する量が増えるので、時間は長くかかります。
糀のみ
糀のみで作るとでき上がりの量は減ります。
でも短時間で完成し、味も濃厚!
その時々の気分や時間、必要な量によって
変えて楽しんでくださいね。
では一緒に作ってみましょう~!!
実際に作ってみよう!
3つのパターンにチャレンジ!
甘さの表現が難しいため、
今回は糖度計を使って
数値化してみようと思います。
●炊飯器で作る
●甘酒メーカーで作る
●保温ポットで作る
ちなみに糀は乾燥糀ではなく、
生の糀を使用します!
炊飯器で作る
保温機能を使って仕込みます。
材料
米:150g |
糀:150g |
水:お粥用に600㏄ & 温度調整用に300㏄ |
今回はせっかくなので、
甘くなるというもち米にも挑戦!
白米 VS もち米
さて、どっちが甘くなるでしょうか?
両方作って比較してみましょう♪
●白米(炊飯器)甘酒
【1】
分量の米と水でお粥を炊きますー!
【2】
炊きあがったら調整用の水を加え
60℃まで冷まします。
冷めたら糀を入れて軽く混ぜます。
ここの温度管理は慎重に…。
この時点ではドロドロ。
でも1時間弱でさらっとして
糀の甘い香りがフワ~っと。
【3】
ふたを開けたまま、50℃~60℃で
8時間保温します。
途中、温度を確認しながら何度か
かき混ぜると良いですよ~。
雑菌が入らないように
布巾もかけておきましょう。
少し混ぜるとすぐに2~3℃下がるので
焦らなくても大丈夫!
糖度の変化
お粥に糀を混ぜただけで既に9.8。
時間が経つにつれ甘くなり、
でき上がった時は25.1!
驚きです。
味の感想
クセのない上品な甘さ!!
粒も気にならないぐらい柔らか~。
●もち米(炊飯器)甘酒
白米と全く同じ手順で
作っていきます。
白米よりももっとドロッとしてお餅のよう。
それでも1時間ほどでさらっと…。
分解の威力はすごい!
糖度の変化
こちらも最初から10.9という数字。
予想通り、糖度は上がり続け
でき上がった時は30.2!
甘いはずですね。
味の感想
濃厚な甘さ。
そのまま飲むには濃い感じ…。
白米 VS もち米
さて、どっちが甘くなったか?
実験の結果…
白米で作った甘酒 | 25.1 |
もち米で作った甘酒 | 30.2 |
もち米で作った甘酒の方が
5度も糖度が違う!!!
やはりもち米は甘くできるんですね。
甘酒メーカーで作る
我が家にあるのは、
その名も「糀美人」!
適温で保温してくれるので、寝る前に準備すると、朝でき上がっています。
楽すぎる~!笑
こちらはアレンジとして
糀のみで作ってみますね。
その際、糀と水は1:1。
この比率だと甘糀ができ上がります。
濃厚でドロッとしているので、
砂糖の代わりに料理にも使えます。
※もちろん炊飯器でもこの分量でも作れますよ!
甘酒として飲む場合は、薄めてくださいね。
材料
糀:200g |
水:200㏄ |
【1】
容器に糀をほぐして入れ、
約50℃のお湯を入れます。
軽く混ぜます~。
【2】
55℃で8時間保温!!
かんたん~!!!
糖度の変化
糀とお湯を混ぜただけでも7.0。
でき上がった時は驚きの32.2。
本当に糀ってすごいなぁ
と、改めて感動。
味の感想
このままでは飲めないぐらい濃厚。
保温ポットで作る
なんといっても一番簡単な方法!
ポットやスープジャーでもできるんです。
4時間ほど50℃をキープできるものなら
何でもOK!
でも保温できる時間が短いので、
こちらも糀のみで作ります。
材料
糀:75g |
水:165g |
(他に消毒用の熱湯を適量)
【1】
ポットに熱湯を入れ、
消毒と保温を同時にする。
ポットが冷めないうちに
糀を入れていきますー!
【2】
約65℃のお湯を注ぎ、
ふたをし、軽く振って混ぜます。
そのまま4時間保温!!
甘酒メーカーに負けないくらい
かんたんー!!
糖度の変化
たった4時間放置するだけでも
18.6まで糖度が上がりました。
味の感想
サラッとした優しい甘さ。
保温時間が短いので、
少し粒感がありますねー。
ツブツブが気になる場合は、
ブレンダーやフードプロセッサーで
粉砕すると良いですね!
まとめ
甘酒にはいろいろな作り方や分量があります。
今回の4つのパターンはこんな感じ。
濃度がよくわかりますね。
今回の3つの作り方を使い分けるなら
こうなります。
一度にたくさん作りたいなら
→ 炊飯器!!
ごはんやお粥を入れて作るのがお勧め。
もち米で作るとより甘くなります。
最 初 | 4時間後 | 8時間後 | |
白 米 | 9.8 | 19.8 | 25.1 |
もち米 | 10.9 | 21.5 | 30.2 |
濃厚なものを作りたいなら
→ 甘酒メーカー!
温度を一定に保ちやすいので、
糀の量を多くして作るのがお勧め。
料理にも使えます。
最 初 | 4時間後 | 8時間後 | |
甘酒メーカー | 7.0 | 27.8 | 32.2 |
手軽に作りたいなら
→ 断然、保温ポット!
その日に飲む分を、
その日に作ることができますね。
最 初 | 4時間後 | |
保温ポット | 0.6 | 18.6 |
作る時の注意点
・いかなる場合も60℃を超えないこと。
・使用する道具類はしっかり消毒すること。
温度さえきっちり守れば、
失敗なくできます。
上限温度を守ったのに所定の時間を経過しても甘くならない場合は、再度加熱して保温してみてください。
その際も上限温度(60℃)を超えないよう注意してくださいね。
番外編
こんな甘酒はいかがですか?
ビーツやベリー、ブルーベリーなどと一緒に撹拌すると、こんなに可愛くなりますよ。
まだまだ奥の深い甘酒の世界。
糀のパワーには驚かされることがたくさん!
さらに学びを続けます。
次回の食オタノートをお楽しみに~♪
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