春は、「貝」の旬が続きますね♪
美味しい貝を、
もっともっと美味しく食べた~い!
今回は、貝の焼き方や下処理方法を
探ってみたいと思います!!
みなさんは、どんな貝が好きですか?
え?「ホンビノス貝」??
ハマグリと何が違うんだろう?
それも調査してみたいと思います!
上下はどっち?ハマグリの焼き方
前回は、煮ることを重点にして貝の実験をしてきました。
大きなハマグリ(蛤)なら、そのまま焼いて食べたいなぁ♪
◆貝を焼くと身が上に??
「焼き蛤」と言えば、食オタ仲間で、こんな話が…。
「ハマグリって焼くと、上の貝にくっついちゃうよねー!」 「そうそう!下の貝殻に居てほしいのに!」 |
ん??
貝を焼くと、身が上の貝にくっついちゃうのか?
確認してみましょう!
念のため、焼く前に砂抜きしました。
ハマグリって構造上、あまり砂抜きの必要ないらしいけど。
少しすると…
開いた!!
身はどちら側に…?!
あああぁ~(涙)
上にくっついちゃってますね…。
これだと食べる時に、身と汁を一緒に食するのが困難…。
身が下で焼けたらいいのに!!
そしたら、汁と身を、一緒に口に運べるのに!!
そこで、考えてみました。
こんな方法で解決できないかな??
<方法①> 裏表に気を付けて焼く
<方法②> 焼く前に貝をさばく
これで、身が上にくっつくのを防げるのでは?!
<方法①> 裏表に気を付けて焼く
「貝には裏表がある」っておばあちゃんが言ってたな~。
どうやら、こういう事らしい。↓
蝶番(貝殻のつなぎ目)を下にして垂直に立てて、手を放します。
コロッと転がって…
上を向いた方が表、
下を向く方が裏。
よし!
表が上のまま焼いてみますよ!!
…結果、ダメだ。
どっちを上向きにしても、
身は上にくっついちゃう…。
結果:裏表に気を付けて焼く方法
× 効果なし
<方法②> 焼く前に貝をさばく
もういっそのこと、上の貝殻を取っちゃえば?!
焼く前に貝をさばいちゃおう!
バターナイフを貝殻の間に入れ、貝柱を外していきます。
ムムム…。
なかなか貝をさばくの、難しいな…。
上の貝殻を取れたら、こんな風に焼いてみました!
成功です!身と汁は一つの貝殻に!
(そりゃそうだ)
…でも、これさばくのが難しい~!!
貝さばきのスキルが必要。
大変だし、他に方法があるなら、
もっと簡単な方法がいい!
結果/焼く前に貝をさばく方法
△ さばくのに慣れが必要
◆「加熱の方向」で身が下に?!
何か良い方法はないものか。
困った私は、お魚屋さんで尋ねてみました。
すると…
私「…!!!!!!」
(衝撃で声も出ない)
そうなのか!!!!!!!
つまり、こういうこと。↓
熱が当たる方向から外れるのなら上から熱を当てたら良いんだ!!
この原理を使えば、私の理想の浜焼きができるはず!
上から加熱できるもの…
そうだ、トースター!!!
<方法③> トースターで焼く
熱を上からあてる⇒身が下に
「上」からの熱を優位にしたい!
下の熱を抑えるように、アルミホイルを敷いてみよう♪
わくわく♪ ドキドキ♪
これは成功するんじゃない!?
はまぐりが開いてきました。
結果は…、どうだ?!
おぉぉー!!!!!
下に身が!
これだよー!大成功♡
安心したのも束の間。
取り出すときに、汁をこぼしてしまったー!(涙)
貝殻もかなりの高温!
・貝がしっかり固定されるよう台を作る
・バットのようなものに入れて焼く
取り出すときの策は、考えた方がいいかも。
結果/トースターで焼く方法
○ 成功!取り出し注意
理想に近づいている。
でもね、網で焼きたいのよね~!
<方法④> ホイルで包む
網で焼いて、しかも上から熱?
うーむ。
下からだけじゃなく、全体に熱が回るようにすれば良いのかな?
BBQの時に友人がホイルでくるんで焼いていたのを思い出しました。
やってみましょう!
ホイルに乗せて、包んでいきます。
なるべくびっちり!
巻き巻き~♪
こんな風に。
これを網にのせて、
焼いていきます。
下から火があたっていますが、ホイルの中は全体に熱が行くはず。
貝がカタカタしてしてきました!
少し湯気も出てきました!
…5分経過。
普通に焼いたときも、大体5分くらいで焼きあがったのでそろそろ良いかな??
全体に熱が回るように、少しだけ置いて蒸らします。
(ホイルも熱いからやけど注意!)
空けてみると、ふんわりと磯の香りが♪
でも、貝は開いてないですね~。
よく見てみると、蝶番が壊れています!
貝をひらいて、中の様子を見てみましょう。
ナイフを中心に差し込むと、簡単に開きました!
そして、見てー♪
ハマグリの身が下に!!!!
大成功ー♪
しかも柔らかそうな身が美味しそう~!!
結果:ホイルに包む方法
○ 焼き後に少し蒸らすとよい
まとめ:貝の身が下に行く方法
今回試してみた4つの方法を、まとめてみます!
<方法①> 裏表に気を付けて焼く × 効果なし |
<方法②> 焼く前に貝をさばく △ 要スキル |
<方法③> トースターで焼く 〇 取り出し注意 |
<方法④> ホイルで包む 〇 焼き後に蒸らす |
ということで、私的におすすめな方法はこの2つ!
魚オタのおすすめ方法
ホイルを敷きトースターで焼く
ホイルに包んで網焼き
焼くときに貝が安定しない場合はこんな方法が良いですよ~。
・しいたけの軸を挟む
・ホイルで台を作る
どの方法でも貝殻は高温になります。
火傷には十分ご注意を~。
塩抜きで美味しくなるってホント?
「下ごしらえ」とは、美味しく食べるための準備。
みなさん「砂抜き」はしてますよね!
でも貝の下ごしらえって、「砂抜き」以外にもあるみたい。
◆貝の下ごしらえ方法
こんな情報が!
「砂抜き」のあとに 「塩抜き」するとより美味しくなる |
ん?
砂じゃなくて、塩抜き?
●砂抜き
貝の中に入っている「砂」を取り除く
●塩抜き
貝の体内に残った「塩水」を出す
「砂抜き」は、貝の中の砂を取り除く下処理。
「砂抜き」方法は、先輩の糸井さんが実験されてます。
一方「塩抜き」は、砂抜き後に体内に残った塩水を出すこと。
余分な塩分を出して、貝本来の旨みを楽しめるんだとか。
そして、貝にストレスがかかると旨味成分を作り出すらしい…!?
◆「塩抜き」してみよう!
まぁ、ひとまず。
「塩抜き」というものをやってみよう!
塩抜きの手順
①砂抜き後、その水を捨てる
②貝をザルや網の上に乗せる
③そのまま水が無い状態で、暗い場所で数時間置く
ほほう。
こんな感じで貝を並べるんですね!
水は入れません。
乾燥しないように、新聞紙などを被せると良いみたい!
私はペーパーを被せました。
このままじゃ暗くないですね~。
その上からふんわりとホイルを。
この状態で数時間おきます!
うーん。
これだけで美味しくなるのかな…??
「余分な塩分を出すこと」が塩抜きの目的でしたね!
確かにしょっぱすぎると、旨みの感じ方が半減しちゃうか。
◆塩抜き実験!塩分濃度比較
「塩抜き」すると塩分濃度が変わる?
置く時間と塩分濃度の変化を比較実験してみましょう!
比較する塩抜きの時間
A:塩抜きしない
B:1時間
C:2時間
D:3時間
だいたい同じ大きさのハマグリを揃えてみました!
●塩抜きで置く場所:常温
●調理法:蒸し
貝が活発に活動するのは15〜25℃。
冬~春の時期は冷蔵庫よりも常温が良さそう!
今回は「常温」で統一します。
塩抜き後のハマグリを蒸して、出た汁と身の塩分濃度を測ります。
蒸し時間は5分間。
そして、ジャーン!!
用意しました!塩分計!!!
塩分濃度が数値で分かる優れもの♪
では!
それぞれ実験してみましょう♪
A 塩抜きしない
塩抜きしていないハマグリを、蒸し器で蒸していきます!
出てくる汁の塩分濃度も計りたいので、下にお皿も敷いて。
蒸し器に入れて約5分。
どうかな~??
ぱかっと開きました〜!
このままでは身の塩分濃度が測れないー!
みんな同じ条件で希釈して比較することにします!
【希釈条件】身の2g分を細かく刻み10倍の水で希釈して3分置く
蒸して出たエキスもあわせて塩分濃度を計ってみましょう。
塩分濃度(塩抜きしない)
エキス 1.3% | 身 0.2% |
エキスはもう、海水の味!
身を食べてみると、しっかりとした塩味を感じます。
市販のカップ味噌汁を計測すると、だいたい「塩分濃度1.0%」。
なので、塩抜きをしない貝の汁は、味噌汁よりも濃いくらいの塩分ってこと。
しょっぱいですよね。
B 1時間
こちらは1時間、塩抜きしたもの。
塩抜き中はカタカタとはまぐりから音がしています。
少し水が出ていますね!
舐めてみるとしょっぱい〜!
これ、ハマグリがはきだした海水ですね!!
こちらも同様に蒸して、塩分濃度を計ってみます。
塩分濃度(塩抜き1時間)
エキス 1.2% | 身 0.1% |
エキスはやっぱり塩水の味!
身を食べてみると、ほのかな塩味。
塩抜きしなかったものに比べれば、塩分は少ない印象です。
が、大きく変わることはないかな?
C 2時間
塩抜きして2時間経過。
塩抜き後は、塩水が出ていました。
1時間と見た目は変化ないですね。
5分蒸して取り出すと…
エキスがほんのり黄色い!
塩分濃度に変化はあるかな??
塩分濃度(塩抜き2時間)
エキス 1.2% | 身 0.2% |
あれ?
塩分濃度の変化は見られませんね。
食べて確認してみましょう!
んん!!!
違う!
あきらかに味が違います!!
エキスは、まろやかな塩味。角が取れた感じ♪
身は、甘みを感じます!
貝ってこんなに甘いんだ〜!
D 3時間
これは期待値が上がりますね!
3時間ゆっくり塩抜きしたもの。
はきだしている海水の量はさほど変わらないな~。
こちらも5分蒸すと、エキスが黄金色に♪
塩分濃度は変化あるかな〜?
塩分濃度(塩抜き3時間)
エキス 1.4% | 身 0.2% |
やっぱりそんなに変わりはないな~。
食べてみよう!
ん!美味しい~♪
エキスは角がとれて旨味を感じます
そして身も甘い!!
貝ってこんなに甘いのね。新しい発見〜!
塩抜き時間は2時間と3時間で大きな変化はあまりないかな。
◆塩抜き実験まとめ
塩抜き時間ごとの変化【エキス】
塩抜き時間ごとの変化【身】
塩分濃度は、
変化があまりありません…。
ですが!!!
食べた時の「味」が違う!
塩抜き1時間では、そんなに効果がなさそうです。
が…!!
「2時間」経つと、塩味の角が取れ甘く感じました
結論
「塩抜き」は2時間すべし!
2時間と3時間ではそんなに変わらないかも。
※注意※ 常温で置きすぎると腐敗も心配されますので、ご自身の責任の下、十分ご注意ください。
塩分濃度では計れない「旨さ」が感じられるようになるのかな?!
こんなに貝が甘くて美味しくなるなら、これからは「塩抜き」しよう!!
ホンビノス貝とハマグリ比較調査
活貝コーナー、ハマグリの隣に見慣れない貝がありました。
「ホンビノス貝??」
と、貝コーナーのお兄さん。
値段もハマグリの半値くらい!
ということで買ってみました。こちらがホンビノス貝!!
見た目、ハマグリと似てますよねー!
どこがどう違うのか??
比較してみたいと思います!!
◆見た目比較
持った感じ、ホンビノスの方がずっしり重さを感じます。
ホンビノスは貝殻がザラザラ。
年輪のような模様がありますね~!
一方、ハマグリはつるつる〜!
左右対称に近いハマグリに対して、
ホンビノスは、左右非対称。
次は立ててみます!
ホンビノスは、貝自体に厚みが。
貝殻自体は、ハマグリの方がぽってり厚いですね。
2種を並べてみると、意外と見た目は違うんですね~!
味比較
問題は、味!!
ホンビノス、どんな味なんだろう~!?
試してみる調理法
① 蒸し
② 焼き
蒸しと焼きの2つの調理法で味を確かめてみたいと思います!
① 蒸し
一緒に、蒸し器で蒸します。
5分後。
ふたをとってみると…
あ。ホンビノスが開いてない。
ハマグリは貝が開いているんですが…。
1分ずつ追加して加熱を続けます。
んー…
なかなか開かないなぁ~。
遅れること5分。
やっとホンビノスも開いた!
ハマグリの倍くらい、蒸し時間かかりました!!
ホンビノスの身は、黄色というかオレンジがかってます。
いざ、ホンビノス実食!
味はハマグリと比べると歯ごたえがある!
結構、独特の風味があるなぁ。
そして、しょっぱい〜!
塩味が強いです。
個人的には、何か香草を足した酒蒸しが好みかな〜。
② 焼き
トースターで焼いてみましょう!
今度は取り出しに失敗しないようホイルで貝の土台を作っています♪
5分後。
ハマグリは開きました!
ハマグリは取り出して加熱を続けます。
遅れること4分。
ホンビノス開きました!
貝殻から外すとこんな感じ。
ホンビノスを食べてみました。
蒸し同様すごい歯ごたえです。
そして、やっぱり塩味が強い!!
塩抜きもしてみたのですが効果は感じられず…。
ホンビノスは、チーズと合わせてグラタンとかが合いそうかな。
◆ホンビノスってしょっぱい?
ホンビノスの塩気の強さ…。
気になったので、直売しているお店に聞いてみました。
「ホンビノスは、採れる場所や時期によって、かなり塩気は変わってきます。気になるようなら、茹で汁に貝をひたしてみるよ良いですよ!」
とのアドバイス。
今後やってみよう!
◆ホンビノスってどんな貝?
ホンビノス貝って、どんな貝なの?
少し調べてみました。
日本では1998年に東京湾で発見されたのが最初らしい。
海外船からのバラスト水や船にくっついてやってきたそう。
(※諸説あります)
ホンビノス貝
二枚貝綱 マルスダレ貝 メルケナリア属 ホンビノス
和名:本美之主貝
原産:北アメリカの大西洋岸
ホンビノス、「本美之主」って書くんだー!!
出世魚ならぬ出世貝?!
海外では成長した大きさにより名前が変化する出世貝とな!
上から小さな順で…
・Count neck(約2.54cm以下)
・Littele neck (約2.55~5.08cm)
・Top neck(約5.09~7.62cm)
・Cherry stones (約7.63~10.16cm)
・Qua hog 、Chowder Clam(10.17cm 以上)
と変化するそう。
※大きさは販売箇所によって前後している場合があります
今回購入した貝は約6cm。
海外では「Top neck」として売られているのかな〜。
大きさによって食べ方も変わるみたい!
クラムチャウダーに使われる貝はこのホンビノス貝なんだって!!
確かに本場のものは、黄色っぽいむき身が入ってますよね!
流通はまだ限られているようですが年中楽しめる貝のようです♪
まとめ
今回は、ハマグリに注目!
いろいろと調べてみました。
◆身が上にいかない焼き方
焼くと身が上に行っちゃって身と汁を一緒に口に運べない。
どうやったら身が下で焼けるのかやってみました!
ということで、この2つの方法がオススメ!
●トースターで焼く
●ホイルに包んで網焼き
「上から熱が当たると、身が下に行く」と判明。
焼く時は、熱の方向が大切です!!
◆「塩抜き」で美味しくなるのは本当?
「塩抜き」とは?貝の体内に残った「塩水」を出すこと。
※砂を出す「砂抜き」とは違います
▼時間ごとの変化【エキス】
▼時間ごとの変化【エキス】
塩分濃度の数値はたいして変わらなかったのですが…
味に変化が!!!
2時間を超えると、甘みを感じるようになります!
2時間の「塩抜き」でエキスや身の味に変化あり!
時間に余裕があるときには是非、砂抜きの後に「塩抜き」も!
◆ホンビノスと比較してみた
こちらがホンビノス貝↓
【ホンビノスについて分かったこと】
・ハマグリと似ているが、見た目・味ともに異なる
・貝が開く時間は長め
・かなり歯ごたえのある貝
・独特の風味あり
・塩味が強め
「本場のクラムチャウダーは、
ホンビノス貝が使われている」
ということなので!
またクラムチャウダー作りました!
今回はトマトベースの、
マンハッタンクラムチャウダー!
前回はボストンクラムチャウダーで、
ミルクベースのスープでした。
ホンビノス貝を使うと、
食感が楽しめるスープになります♪
ハマグリは古くから日本の
食卓を支えてきた貝。
縄文時代の貝塚からも
貝殻が出てきているそうですよ。
かたやホンビノス貝は
約20年前に日本にやってきた貝。
新江戸前と言われることもあるみたい。
意外と下処理や調理方法に
悩んでしまう貝。
少しでもモヤモヤが解決できて、
貝を楽しいでもらえたら嬉しいです♪
では次回の食オタノートもお楽しみに♪