こんにちは!魚オタの糸井です。
みなさんは「潮干狩り」行きますか~?
食オタノートの編集会議でも
アサリについて、意見が。
「失敗しない砂抜き方法って知りたいよね」
うん、確かに!
これは魚オタの出番ですね~!
というわけで!
アサリの砂抜きはどうするのがいい?
を徹底調査してみましたー!
アサリの砂抜き方法[基本]
なぜ砂が入っているの?
そもそもアサリの中にはなぜ砂が入っているんでしょう?
その理由は、アサリの生態にあります!
◆あさり(浅利)とは?
浅瀬の砂の上で生息している貝です。
何を食べているかというと、海の中のプランクトン。「水管」と呼ばれる器官を外に出して、海水と一緒に砂なども吸い込んで食べています。
「水管」には吐き出す機能もあり、吸い込んだ海水や砂を出しますが、砂の一部は中に残ったままに…。
というわけなんですね!
だから、砂が残っているんだ!!
ちなみに、「水管」はこれ。↓
ひえーー!
ちょっとコワい…!
市販のアサリで「砂抜き済」となっていても、砂は残っています。
だから、砂抜きは必ずしましょう~。
◆基本の砂抜き方法
まずは、基本のアサリの砂抜き方法
よく言われているのはこんな感じ。↓
■3パーセントの塩水に浸ける
■冷暗所に5~6時間おく
「3%」は、海水の塩分濃度ですね。
海と似た環境を作ってアサリに砂を吐かせるってわけです!
大さじ1の塩は約5g。
これを知っておくと3パーセント塩水も作りやすい!
ポイントは、アサリを浸ける前に
塩はしっかり混ぜて溶かすこと。
水の量は、こんな感じ↓
アサリが少し顔を出すくらい。
これで冷暗所で5~6時間おけば、ほぼ砂は抜けます。
でも…
わざわざ暗くしないとダメ?
低温にしないとダメ?
めんどくさいわ~。
うんうん、わかる!!
暗い方が本当にいいのか?
温度が低い方が本当にいいのか??
実験行ってみましょう~!!
【比較実験】ベストな砂抜き方法は?
どうやったらよく砂を吐いてくれるか、
条件を変えて実験してみます!
実験1:環境(明るさ・温度)比較実験
まずは、アサリの砂抜きに適した「環境」を比較してみます!
●本当に暗い方が良いのか?
●温度が低い方が良いのか?
「明るさ」と「温度」を検証。
比較する環境のはこの4つ。
A 常温・明るい
B 常温・暗い
C 冷蔵庫・明るい
D 冷蔵庫・暗い
◆準備
バットに同量のアサリを準備します。
全て、3パーセントの塩水を使用。
BとDはアルミホイルをかぶせて、
暗い状態を作りました。
AとCはラップをして明るい状態で実験。
常温のものは、キッチンに。
温度は21.1度。
冷蔵庫は4.1度。
これで6時間置いておきます!
さてどんな結果になるでしょうか!?
◆途中経過
キッチンに置いておいたアサリ、
周りが水浸しに!!
観察中もアサリは勢いよく水を吐き出してました!
◆砂抜き完了
さて、6時間後。砂抜き完了。
なんだかいろいろ水に浮かんでる…?
砂もちゃんと吐き出してくれたかな!?
このままだと比較しにくいので、
コップに出してみました。
こうして見ると、だいぶ水が汚れているな~。
ただ、水を比較しても砂抜きできたかどうかがわからない…。
実食して比較することにします!
◆実食して比較
食べてみて、砂が残っていた個数を調査してみます!
アサリと言えば酒蒸し♪
お酒をふって、せいろに投入~!
待つこと5分。
蓋を開けると、あぁ~磯のいい香り!
おっと!
香りに浸っている場合じゃありません!
砂が残ってないか、食べて調査!!!
結果は…
◆実食調査結果
A 常温・明 | 12個中2個に砂あり |
B 常温・暗 | 12個中に2個砂あり |
C 冷蔵庫・明 | 12個中に1個砂あり |
D 冷蔵庫・暗 | 砂なし |
なんと!
「D冷蔵庫・暗」はパーフェクトに砂抜き出来ていました!!
他はわずかに砂が残っているものが…。
砂抜きをするには、
●暗くすること
●冷蔵庫に入れておくこと
が大事なんですね!
実験2:塩の種類で比較実験
ところで、使う塩って影響あるのかな?
ふっと沸いたこの疑問。
疑問に感じたら、調べるのが食オタ!
今度は、アサリの砂抜きに適した
「塩の種類」を比較!
●塩はどんな種類でもいいの?
●そもそも塩はいるの?
を調べてみます!
比較するのはこの4つ。
A 海塩
B 岩塩
C 精製塩
D 真水(塩なし)
◆準備
さきほどの実験1で使ったのはこちらの国内製造の海塩。
今回の実験2では海外の海塩をチョイス。
向かって左から↓
A海塩(海外)、B岩塩、C精製塩
環境は実験1で最も良い結果だった
「冷蔵庫」「暗い」に揃えて調べます!
塩分濃度はいずれも3パーセントを用意。
真水も用意して4つのバットをセット。
ここにアサリ投入!
アルミホイルをかぶせて…
冷蔵庫へ!
これで6時間置きます。
差が出てくれるといいんだけどな。
(ドキドキ)
◆砂抜き完了
冷蔵庫から取り出して
アルミホイルをオープン!
おや?!
明らかに真水だけ様子が違う!
水管が出ている貝が全然ない~!!
(真水のアサリ=写真左下)
死んじゃったかな…(不安)
水をコップに取り出してみました。
うーん、やっぱり真水だけ吐き出されたものが少ない。
じゃあ、実際はどうなのか、
食べて比較します。
◆実食して比較
今回も、せいろ蒸し5分。
食べ比べてみた結果…
◆実食調査結果
A 海塩 | 砂なし |
B 岩塩 | 砂なし |
C 精製塩 | 15個中に2個砂あり |
D 真水(塩なし) | 15個中に1個砂あり |
海塩(海外)と岩塩は砂抜きパーフェクト!
心配していた真水は、意外と砂ありが少なかったです。
もっと砂が残ってるかと思ったのに。
そして、精製塩って塩だけど砂抜きにむいてない…??
言い切っていいかはわかりませんが、
今回の実験だけ見ると…
使うなら海塩・岩塩がオススメ!
砂抜きの時短方法を検証!
ところで…。
砂抜き6時間って長くない…?
もっと早く砂抜きってできないの!?
そんなせっかちさんのために、
50度(塩なし)のお湯で
砂抜きする方法もあるようです。
実験3:お湯で時短砂抜きはできるか?
●本当にお湯で砂抜き可能か
●何分待てばOKか
を調べます!
この3つの時間で比較してみます。
・ 5分
・ 10分
・ 15分
温度は「50℃」で統一します。
◆準備
まずは50度のお湯を用意。
アサリを投入。
5分、10分、15分待って…
それぞれの砂抜き具合を食べ比べてみます!
◆砂抜き完了
砂抜きに使ったお湯を取り出して比較。
あんまり汚れてない…。
うーん、大丈夫か!?
◆実食して比較
おいしいとはいえ、酒蒸しにちょっと飽きてきた私。
そこで、今回は春キャベツと一緒に蒸し焼きに♪
ニンニクも使って香り良く!
さて結果は…!?
◆実食調査結果
5分 | 12個中に2個砂あり |
10分 | 12個中に2個砂あり |
15分 | 砂なし |
※すべて50℃のお湯で途中お湯の入れ替えは無し
※塩は不使用
15分はパーフェクトに砂抜きできた!
そうか、お湯なら
15分で砂抜きできるのか!!!
急いでアサリの砂抜きをしたいときは
●50度のお湯に15分浸ける
方法が使えますね!
でも、これは私の主観ですが、
お湯で砂抜きしたものは、
うまみも抜けてしまったような…。
あくまで主観ですが。
まとめ
今回の3つの実験結果は以下の通り。
これらの結果を踏まえると、
一番いい砂抜きの方法は…
●冷蔵庫に入れる
●暗くする
●使う塩は海塩 or 岩塩
●6時間ほどおく
となりました!
そして、どうしても時間がない時は、
●50度のお湯を用意
●15分おく
でもOK!
これからのアサリの季節。
ぜひ参考にしてみて下さい♪
今回たくさんアサリを食べましたが、
改めてアサリって美味しい!と実感。
でも最近は、潮干狩りに行っても
昔に比べてあまり獲れなかったり…。
乱獲やら埋め立てやら温暖化やらで、
近年、アサリの生息できる砂浜も
どんどん減っているようです。
こんな美味しいアサリが食べれなくなったら嫌だな~。
アサリは、春がおいしい季節。
失敗しない砂抜き方法で、旬の味を楽しんでくださいね♪
それでは次回の食オタノートも
お楽しみに!!