食オタ|食の資格者コミュニティ

食べられる宝石!キラキラ和菓子「琥珀糖こはくとう」を作ってみた

「琥珀糖(こはくとう)」って知っていますか?

これが琥珀糖! ↓↓


とってもキレイ!!

琥珀糖は、和菓子の一種で「食べられる宝石」と呼ばれます。

できたてはプルプル食感♪
乾燥させると外がシャリシャリ♪

無着色で透明なままも美しい!
でも色付けをすると、もっとバリエーションが広がります!

色付けというと、人工の着色料が頭に浮かびますが…。
天然の野菜色素で着色できないかな?

自由研究にもなるお菓子作りさぁレッツトライ!!

琥珀糖の作り方

■琥珀糖とは?

琥珀糖は、日本の伝統的和菓子。

見た目がキラキラで涼しげな半生菓子です。

なので、夏の茶懐石などでいただくことも多いんですねー。

こっているように見えるので自分で作れると思えませんが…。

でも!
作り方はとっても簡単なんですよね!
材料は、寒天とお砂糖だけ!

まずは、基本の琥珀糖を作ってみましょう♪

琥珀糖の材料 (参考:25㎝×15㎝のバット1つ分)
・粉寒天 5g
・グラニュー糖 350g
・水 200ml 
※寒天には糸・棒・粉の3種類があります。糸寒天は透明度が高いですが今回は取り扱が簡単な粉寒天を使用します。

基本の琥珀糖づくり

ざっくり解説すると…

(1)寒天を溶かす
(2)砂糖を入れる
(3)固める
(4)乾燥

という簡単ステップ!!

かなり大雑把すぎ?な説明ですがお子様でも楽しくできちゃいますよ!

作り方まとめておきます!

■琥珀糖の作り方手順

step1
鍋に水を入れ、粉寒天を加える。中火にかけダマにならないように泡だて器でしっかりと混ぜ、完全に煮溶かす。


step2
寒天が完全に溶けたら砂糖を入れよく混ぜる。白い砂糖が見えなくなり、糸が引き粘りが出てくるまで。

step3
バットにクッキングシートを敷き、②を流し入れる。

step4
好みの色素を③に入れ少しかき混ぜる。爪楊枝や竹串などで曲線を書くとマーブル模様になる。
step5
⑤冷蔵庫で冷やし固める。固まったら容器から取り出し、手でちぎったり、包丁で切るなど好きな形にし、乾燥させる。


野菜色素で琥珀糖を作ろう!

今回の課題は…

「天然のもので琥珀糖に色付けできるのか?!」


そもそも「天然着色料」って何を使えばいいんだろう??

その昔、琥珀糖はクチナシで色付けしていたそうな。

そういえば!
以前、食オタ仲間の根本さんが野菜で絵の具を作っていましたね!

ふむふむ。
コチラを参考にさせていただきます!

■「生野菜」で着色

まずは、野菜を中心に
琥珀糖に色付けしてみましょー!

【準備した野菜】
・赤パプリカ
・黄色パプリカ
・オレンジパプリカ
・紫キャベツ
・ホウレンソウ

こちらの5種類を用意!!

発色がよさそうなパプリカを多めにラインナップしてみました。

■色素を抽出

生の野菜をフードプロセッサーで攪拌。
色素だけを絞り出します!

私はここでズボラな失態をおかしました…!

「手軽に絞り出せないかなー?」

と、キッチンペーパーで絞ってみると…
ビリッと敗れてしまいました(泣)


水分が多すぎるため、ペーパーでは太刀打ちできず…。

おかげで絞り出せた量が少なくなってしまいました!

皆さんは清潔なガーゼや薄手の布巾を使用してくださいね!!

そして絞り出して取り出せた色はコチラ!!!

野菜の色って、とってもキレイー!!
絵の具を混ぜたような鮮やかさ♪

野菜の色素って、加熱や酸化によって化学変化が起こることがありますよね。

色が変わったりしないかな…。

寒天にどう反応するかドキドキ!!

 

■生野菜抽出液で着色

バットに流した透明な琥珀糖を準備。

絞った生野菜の抽出液を少しづつ流しいれます。

ジャーン!!!

こんな感じにー!!! ↓↓

キラキラきれい~♪
紫キャベツの紫色はかなり濃く出ていますね!

パプリカの赤色とオレンジ色の違いはあまり変化が見られませんでした。

ホウレンソウは薄めの黄緑に近い感じ!

色がわかるように、色見本も作成してみました!

並べると透明感があってとってもキレイ♪♪

色の濃度は抽出液を入れる量によって調節できます!

でも、水分が多くなると固まる際に時間がかかったり寒天生地がゆるくなるので注意。

上の写真はすべて抽出液を小さじ1~2杯にしています!

どの野菜も絞り汁は濃い色ですが、寒天に流すとキレイな透明感が出ます!

入れられる野菜の抽出液は少量なので色濃度は薄くなります。

でもどの色もうっすら透き通るようで美しく発色してくれましたー!!

このまま冷蔵庫で固めます!
(※室内に放置してもすぐに固まり始めます)

固まった寒天を手でちぎります。


ちぎる作業は、かなりべた付くのでエンボス手袋が必須アイテムですよ!

生野菜の色素で作った琥珀糖の完成はコチラ!

紫キャベツは発色が濃いですね!
抽出液量でもっと薄い色にも調節できそうですねー。

パプリカはいい感じの透明度♪

 

ほかの天然色素に挑戦!



野菜から色素を取り出すのは5色作ったせいか
思っていたよりも大変だった…(汗)

もっと簡単に、天然色素で色付けできないかな??

ふとジュースを飲みながら思いついた!
「飲み物で色付けできるかも?!」

飲み物なら、手軽で簡単♪♪
しかも残っても無駄にもならない!

 

■「ハーブティー(飲料)」で着色

色のつく飲み物を集めてみましたよ!

準備した飲み物】
・マロウブルーティー(ハーブティー)
・ハイビスカスティー(ハーブティー)
・ぶどうジュース

それぞれ色が異なる3種類


あまり知られていない?!

ハーブティーのマロウブルーって飲んだことありますか?

お湯を注ぎたての色は青。
レモンや酸性を加えるとピンク。
時間がたつとだんだん紫に変化します。

1つで3色に変化する不思議で美しいハーブティーです!

「マロウブルー」とは?
日本では「うすべにあおい」と呼ばれており、アオイ科ゼニアオイ属の多年草です。
初夏から夏にかけて赤紫色の花を咲かせます。
乾燥させたものを古代より民間薬やハーブティーとして利用されていました。


さっそく3種類を抽出して
寒天に流し込んだ結果はコチラ↓

ハイビスカスは発色してますね!

マロウブルーは残念ながら
ほとんど色変化がみられません。

実物は本当にうっすら水色のようになりましたが、ほぼわからない程度でした…。

ぶどうジュースはもともと濃色。
寒天に流すと薄まり赤紫色の
きれいなぶどう色になりました。

バットに流し込んだものはコチラ↓


マロウブルーの青みが出なかった…
ほぼ赤~赤紫?!


ぶどうジュースの色は若干濃く紫がかり
ハイビスカスの方がより赤い感じ。

これはこれで単色のグラデーション!
美しい色合いですね!!

固めた後の出来上がりはコチラ!!

うっすら透き通っている感じ!!

ぶどうジュースは色づきましたが
べたつき感が他の色素よりすごい。
糖分が多いせいでしょうね…。

 

「野菜パウダー」で着色

飲料の色付けは簡単でしたがもっとカラフルな色も欲しい!

よく出回っている天然着色料のウコンやサフラン、クチナシ。
これは間違いなく着色できるだろうけど…

次に考えたのは「野菜パウダー」!!

※食品の色付けのために使われる食紅や合成着色料も一般的に粉のものが多く、それを水分で調節して色付けを行います。

今回は野菜パウダーで実験です!!

用意したのはこの5色!

■準備した野菜パウダー
・ニンジンパウダー
・かぼちゃパウダー
・ホウレンソウパウダー
・フランボワーズ
・バタフライピーパウダー

※フランボワーズはパウダーが手に入らず、ドライのフランボワーズをパウダー状にして使用します。


フランボワーズとバタフライピーは野菜ではない…。

植物性ということでお許しを!!

バタフライピーとは何ぞや??
とお思いの方に少しだけ解説。

 

■バタフライピーとは?

赤道付近で生息するマメ科の植物で、花びらは青く見た目が蝶々のような形状なため「バラフライピー」と名前が付いたと言われています。

タイでは美肌を作ると言われており、多くの女性がハーブティーとして飲んでいるそうです!

では、着色実験へ!

それぞれのパウダーを少量の水で溶かします。
(下写真はバタフライピーパウダー)

寒天に流し込んでみました!


ジャーン!!
仕上がりはこんな感じに!
発色が今まで一番スゴイですね♪


どの色も、そのまま反映されています。

大きな寒天に流し込んだもの↓


絵の具を流し込んだように鮮やかな色合いです!


固めて手でちぎって…

完成形はコチラ↓

粉を少量の水で溶いて使いましたが
濃度の具合がよくわからず。

水分量が少ないと粉っぽさが残りやすい…。

そして琥珀糖の良さである透明感やキラキラ感が失われてしまう…。

もっと薄めて水溶液を作り使用する方が良いと感じました!

 

レインボー琥珀糖はできるのか?!

こんなに発色するならば…

レインボーの琥珀糖が作りたい!!

オタク魂で作っちゃいました!
キラキラレインボーの琥珀糖!!

ジャーン↓↓

ちゃんとレインボーになりました♪

左から
・紫→紫キャベツ
・青→バタフライピー
・緑→ホウレンソウパウダー
・オレンジ→オレンジパプリカ
・黄色→黄色パプリカ
・ピンク→ハイビスカスハーブティー
・赤→フランボワーズパウダー

着色は、生野菜&野菜パウダー!!

野菜パウダーはさっきの実験よりも
薄めて使用しましたよ~。

こんなにキレイに仕上がりました!

見ているだけでウットリの美しさ!!
食べるのがもったいないですね。

型抜きをしたりキレイに包丁でカットするとまた違った琥珀糖を楽しめます!

まとめ


琥珀糖の着色を野菜やハーブティーなどで色付けすることに成功!

自然の色でレインボーも作れる!!

実験してみた色のオススメ材料とメリット・デメリット比較してみます!

各色のオススメ材料

食材(材料)
紫系紫キャベツ、紫玉ねぎ、紫にんじん
青系マロウブルー、バタフライピー
緑系ほうれん草、小松菜、ピーマン
黄系黄色パプリカ、オレンジパプリカ、にんじん、かぼちゃ、
赤系フランボワーズ、赤パプリカ

■素材のメリット・デメリット

●生野菜

メリット・野菜の味がダイレクト
・そのまま発色する
デメリット・抽出するまでに時間と手間がかかる

●ハーブティー(飲料)

メリット・手軽にできる
・味が寒天となじみやすい
デメリット・マロウブルーは発色しなかった
・出せる色が限られる

●野菜パウダー

メリット・粉を水で溶くだけなので手軽にできる
・色の濃度の表現も自由
デメリット・食品専門店やインターネット等で入手する必要がある
・パウダーによっては粉っぽさが残るものもある

【手軽に作りたい人にオススメ】

手軽にできるという点ではハーブティーやジュースが一番!

飲料そのものの色味か、それよりも薄くなるため出せる色に限りがあります。

たくさんの色が必要ない場合はジュースなどでも十分でしょう!

味は寒天となじみやすいので抵抗なく誰でも受け入れられる味です。

【着色重視の人にオススメ】

着色重視の方や、色々な色を試したい場合は
生野菜か野菜パウダー!

手間をかけても問題ない場合は生野菜からの抽出。


それはちょっと面倒だわ、という時は
野菜パウダーの使用をオススメします!

どの天然着色料にもメリット・デメリットがあるので自分の好みを見つけてください!


SNS映えするとってもきれいな琥珀糖♪

お子さんの自由研究や手作りお菓子としても
子どもから大人まで楽しめます。

ぜひ挑戦してみてくださいね!

次回の食オタノートもお楽しみにー!!