秋は「さつまいも」の美味しい季節!
天ぷら、焼きいも、スイートポテト、
大学芋などなど…、全部大好き!
お味噌汁に入れるのも結構好きです。
どれも美味しいんですが…
発酵大好きな私としましては「ミキ」が気になります。
えっ?「ミキ」って何??
今回は謎の発酵飲料ミキに迫ります。
謎の発酵飲料「ミキ」の作り方は?
◆「ミキ」とは?
ミキは、鹿児島県の奄美大島に伝わる乳酸菌飲料のこと。
これが、ミキ!!↓
菌オタの私も、過去に一度だけ飲んだことがあります。
奄美大島は、長寿の島!
ミキは、そこに伝わる伝統の発酵飲料。
お米とサツマイモだけで乳酸菌発酵させて作るなんて…!!
興味津々です~!
神様に捧げる御神酒(オミキ)の「ミキ」なんでしょうね。
◆ミキづくりに初挑戦!
菌オタの私も、ミキづくりは今回初挑戦です!
砂糖を加えることもあるようですが、伝統にのっとり今回は砂糖無しで。
【ミキの材料】
●お米 1合
●さつまいも 30g
●水 600cc
そのほか、こんな道具を用意します。
・おろし金
・保存容器
・ブレンダー
・お鍋もしくは炊飯器
・ヘラなど
◆ミキの基本の作り方
①おかゆを炊く
②おかゆにすりおろしたサツマイモを混ぜる
③常温で置いて発酵させる
では、やってみましょう!
まずはおかゆを炊きます。
今回は炊飯器で炊いてみました。
結構ドロドロです…。
おかゆを炊いている間に、サツマイモの準備♪
ふむふむ、サツマイモの皮はむくんだ~。
そして、30分ほど水にさらしてアクを抜くのね。
おかゆが炊き上がったら、混ぜて40℃~50℃まで温度を下げます。
温度が高すぎると、うまく発酵しないのよね!
同時進行でサツマイモのすりおろし。
少量なので楽々~。
おかゆの温度が下がったら、すったサツマイモを入れま~す!
グルグル混ぜていると…
あら不思議!!
ドロドロしていたおかゆがサラッとするんです。
そうしたら消毒した容器に入れて、常温で置いておくだけ!
夏なら1日、冬なら2~3日ぐらいが目安。
そうそう、ほこりが入らないようにペーパーなどで軽く蓋をしてね。
プクプクしてきたらでき上がり!
ブレンダーで滑らかにしたら完成です♪
保存は冷蔵庫で。10日ほどで飲み切ります。
欲張ってたくさん作りすぎないようにね!
今回は室温が約25℃。
1日でこんな感じに!
プクプク分かりますか?!
びっくり!!
すごいですよね?!
でも今一つ伝わらない?!
では動画で…
菌たちの声が聞こえます♪笑
甘い香りも漂います!
飲んでみると…
ほんのり甘い!でも少し酸味も~。
今回のサツマイモの品種は紅あずま。
ん?品種で味は変わるのかな?
気になったら検証してみなくちゃ!
実験1:サツマイモ品種別!ミキの糖度比較
さつまいもを分類するとほくほく系としっとり系でしょうか。
・紅あずま
・パープルスイートロード
・金時 など
・紅はるか
・シルクスイート
・安納芋 など
ミキを作るときは、品種の違いで甘さは変わるのかな?
どれが美味しいのかな?
比較してみたいと思います!
じゃ~ん!糖度計の出番です!!
今回ミキづくりで比較するお芋たち。
<予 想> しっとり系の方が甘くなるのでは? 中でも安納芋が一番甘くなりそう! |
同じ方法・同じ分量でミキを作ります!
出来たミキはコチラ♪
左上から紅あずま、紅はるか、安納芋、
左下からシルクスイート、パープルスイートロード。
種類によって栄養成分も違うので色に違いが出ましたね♪
完成したミキの糖度をそれぞれ計ってみました。
結果は…
◆品種別ミキの糖度比較
●ホクホク系
紅あずま 15.6 |
パープルスイートロード 15.6 |
●しっとり系
紅はるか 15.6 |
シルクスイート 15.9 |
安納芋 16.9 |
◆結果
若干ですが、しっとり系の方が甘いという結果に。
そして予想通り、安納芋が一番甘い!
やっぱり安納芋か~!納得!!
普通に食べても安納芋がダントツ甘いですもんね。
でも想像よりも違いは出ませんでした。
残念…。
実験2:ミキの時間経過後の糖度変化
キムチも発酵食品のひとつですが、時間が経過すると酸っぱくなります。
時間とともに乳酸菌が糖を分解して乳酸を作り出しているからなんですよ!
じゃあ、時間をかけるとミキも味が変わるのかな?!
糖が分解されて糖度が下がり、酸味が増すのでは?
やってみましょう!!
冷蔵庫で10日ほど保存してもう一度糖度を計ってみました。
◆10日経過後のミキ糖度変化
◆ホクホク系
紅あずま 15.6→16.1 0.6UP |
パープルスイート15.6→16.6 1.0UP |
◆しっとり系
紅はるか 15.6→16.0 0.4UP |
シルクスイート 15.9→16.1 0.2UP |
安納芋 16.9→16.8 0.1DOWN |
◆結論
ミキは時間が経っても、糖度はそんなに下がらない!
冷蔵庫に入れっぱなしでちょっと意外な結果に。
分解が緩やかだったのかもしれません。
安納芋以外、糖度は少しながら上がっていました。
安納芋は糖度が高い分、少し糖が分解されたのかも?
酸味は強くなっているように感じる…。
まとめ
ミキにおすすめのサツマイモ品種
奄美大島に伝わる発酵飲料のミキ。
5種類のサツマイモで、糖度実験をしてみました!
糖度と味の感想はこんな感じ。
私的にはやはり、安納芋が一番好き!
安納芋でつくったミキは、甘味と酸味のバランスがよいです。
ミキを作るときは、安納芋をおすすめします!!
糖度計の結果とは違い、紅あずまも美味しかった~♪
◆不思議な発酵飲料ミキのすすめ
ドロドロしたおかゆが
さつまいもでサラッとしてくる不思議!
そして、1日置くだけで
プクプク発酵してくる不思議!!
ミキには不思議がいっぱい。
是非チャレンジしてみてください♪
■ミキの基本の作り方
①おかゆを炊いて、50~60℃に冷ます
②サツマイモの皮をむいて30分ほど水にさらしてからすりおろし、①のおかゆに混ぜる
③常温で置いて発酵させる(目安:冬2~3日、夏1日)
※完成したら冷蔵庫保存で10日以内で飲み切る
ミキをつくる際には、こんなことに注意!
■ミキをつくる上での注意点
★五感をフル活用!
よく見て、匂いを嗅ぎ、音を聞くこと。
★特に匂い!
少しでもおかしいと感じたら、腐敗の可能性もあるので注意!
★容器や道具類の消毒も怠らないように
ミキはそのまま飲んでも良いですが、
ラッシーのように割って飲んでも美味♪
いろいろアレンジして楽しんでください!
甘くて美味しいサツマイモ。
今回実験した他にも
たくさんの品種があります!
いろいろな料理で楽しんでくださいね。
そして、奄美の発酵飲料「ミキ」。
サツマイモと米から乳酸発酵される長寿の島の伝統食文化です。
こういった、日本の様々な発酵食品にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。
次回の食オタノートもお楽しみに~♪