少し肌寒い日が多くなってきましたね。
急にお鍋料理、食べたくなりませんか?
「お鍋」といえば「ネギ」!
薬味や香りづけ、焼き物、鍋もの…
これからの季節は毎日登場する野菜ですね!
こども料理教室で使うと、「生は食べられないけどお鍋に入れるのは好き!」と言われます。
ネギって、
加熱するとほんとに甘くなりますよね♪
甘くなる…
あっ!
久しく使っていない『あれ』を
使ってみたくなりました!!
ジャーン!!
ヤサオタ名物?糖度計!!
ということで、今回の食オタnoteは
\ネギは加熱すると甘くなるって、ホント?/
を実証実験します!
実験1:【糖度比較】生vs加熱ネギ
では早速、実験してみましょう!
生のネギと加熱したネギ、どちらが甘いのか?!
糖度は固体では計れないので…
生ネギは、切って、少量の水を入れてミキサーで撹拌。
加熱ネギは、焼き目を付けてから煮込みました。
もちろん生と同じネギ、同じ場所を使いましたよ。
さあ!どのくらいの差が出るのでしょうか?
■生ネギの糖度
2.9 でした。
■加熱したネギの糖度
5.9!!
やはりしっかり数字に表れましたね!
加熱した方が甘い!!
食べてみると…
生はたしかに辛い!!
加熱したネギはトロっとして甘い!!
この味の違いが数字にも表れて、ほっとしました。
でもよ~く見ると
中心の緑の部分と外側の白い部分では
触った感じも、食感も違う。
味もちょっと違う気がします…。
ふむふむ。
もうすこし調べたくなりました(笑)
実験2一番甘い場所はどこ?
<部位別>どこが甘い?
ネギの場所によって、甘さは変わるのでしょうか?
まずは、長ネギを分解!
長ネギの部位4分割
①上(葉の方)
②青いところとの分岐
③真ん中
④下(根の方)
今まで食べてきた経験から、青いところより白いところのほうが甘いはず!
下と真ん中は、さほど差は出ないと思うのですが…。
さあどうでしょうか?
まずそれぞれを細かくカット。
切り口がすこしずつ違う模様♪
青い部分をさらに細かくしていたらハートがいっぱい♪
断面フェチにはたまりません!
キュン♡
あっ、ついつい、作業の手が止まってしまいます(笑)
実験にもどりますね。
部位別に生と加熱を用意。
さあ計ってみましょう!
結果は…
■生ネギ<部位別>糖度
上(葉) | 2.5 |
分岐 | 2.4 |
真ん中 | 2.9 |
下(根の方) | 3.9 |
★根に近い下の方が一番甘い!
お~!やはり白い部分は甘いですね!!
下と真ん中は意外と差が出ました。
では加熱したものはどうでしょうか?
■加熱ネギ<部位別>糖度
上(葉) | 6.0 |
分岐 | 6.6 |
真ん中 | 5.3 |
下(根の方) | 12.0 |
★下が葉の倍!なんと糖度12!
下の12.0にはビックリ!
フルーツ並みですね!!
【結果】
部位別の甘さは、「根っこに近い下の部分が、生でも加熱しても1番甘い!」という結果でした。
<場所別>どこが甘い?
実験1で疑問に感じた、中心・内側・外側では糖度は変わるのでしょうか?
今回は「加熱ネギ」のみ、一番甘かった「下の部分」で実験してみました。
長ネギの部分 糖度比較①
①外側
②内側
③中心
見た目では「中心」が甘いのかな?と思いましたが、実験1で食べたとき、独特な辛さを感じたのが「中心の緑の部分」でした。
う~ん、そう考えると…
1番甘い部分は内側かな?
さあ!測ってみましょう!
<部分別>ネギ糖度
外側 | 6.7 |
内側 | 8.4 |
中心 | 6.4 |
★内側が1番甘い!
予想が当たるとなんだか嬉しい♪
【結果】
部分別では「内側が1番甘い!」
でも、もしかして火の通り方でも変わるのかも…?
こうなると止まらないのが、野菜オタク(笑)
<実験3>最も甘くなる調理法は?
切り方や加熱時間、品種によっても、ネギの甘さは変わりそうですよね!
ジャーン!
どうするのが一番甘いのか?
比較実験してみます!
<切り方別>どれが甘い?
<切り方別糖度①>
●斜め切りはアクが出にくいと聞いたことがあります。
→糖度が高いのでは?
●小口切りは辛みが残る中心部分の割合が多い
→糖度が低いのでは?
●1本そのまま焼きネギにすると甘くておいしいですよね!
→1番糖度が出る切り方じゃない?
まずはこの3つの切り方で、
糖度実験してみます!
・斜め切り
・一本切込み入り
・小口切り
部位は「下」で揃え、
同時に焼きました。
斜め切り | 11.4 |
---|---|
一本切込み入り | 9.9 |
小口切り | 7.3 |
【結果】
斜めに切ると甘くなる!
一本切り込みがのび悩みましたが、時間をもっとかけてあげれば甘くなっていたかもしれません。
<切り方別糖度②>
●引いて切ると繊維がつぶれない
→甘みが増す
●押して切ると繊維をつぶす
→薬味によい
という話をきいたことあります。
今度は「押し切り」と「引き切り」で糖度が変化するか調査!!
■押し切り
■引き切り
それぞれ糖度をはかってみると…
押し切り | 4.7 |
---|---|
引き切り | 7.1 |
やはり引き切りのほうが甘い!
引き切りはすぅ~と切る感じ。
押し切りはしっかり切る感じ。
繊維の崩れ方でも味が変わります!
結果
引いて切ると甘くなる!
<加熱時間別>甘さ比較
切り方比較の実験で、「一本切り込み入り」は中まで火が通るまで時間がかかるので、同じ時間で比較したのは公平ではなかったかもしれませんね。
加熱時間でネギの甘さは変わるか?
実験したいと思います!
焼き目をつけて水を入れ、
沸騰してから5分・15分・30分
と時間別にはかってみましょう♪
糖度は…
5分 | 8.3 |
---|---|
15分 | 8.0 |
30分 | 22.5 |
なんと5分・15分はほぼ変わらず30分煮込むと急に糖度アップ!!
22度越え!!!
たしかに見た目もクタっとして
しっかり中まで火が通った感じがします。
食べてみるとあま~い♪
結果:30分煮込むと急激に糖度UP!
<品種別>どれが甘い?
●薬味に使われるネギ・万能ねぎ
→長ネギよりは糖度は出ない?
やってみました!
加熱した万能ネギ
なんと、14.2!
長ネギ部位別でナンバーワンだった
「下」の12.0より高い!
万能ネギも加熱すると甘くなるんですね!
では九条ネギはどうでしょうか?
加熱した九条ネギ
5.7!
意外と低かったですね。
※個体差がありますのであくまでも今回の結果です。
加熱すると甘いと言われる、
「赤ネギ」や「下仁田ねぎ」も
いつか糖度はかってみたいですね!
ねぎって畑でどう育つの?
関東のスーパーに並ぶのは、「根深ネギ」と呼ばれる白い部分が多い長ネギが多いですよね。
成長過程で白い部分がたくさん育つように、こまめに「土寄せ」をしています。
こんな風に↓
ちょうど土の上が、青い部分と白い部分の分岐ですね。
日光に当たっているところは青い!
1本抜いてみましょう!
お~!
土の中にあった部分は真っ白ですね!
立派な根っこ!!
この根っこが、土の中でメリメリっとはがれる瞬間が快感です(笑)
今年、畑のオーナーは「リーキ」を作っていました。
※リーキ…ヨーロッパでよく食べられている煮込み用のネギ
葉っぱがニンニクに似ています。
時期は早いけど収穫してみることに。
うっ!なかなか抜けない~!
結構根強いです!!
長ネギとリーキを並べてみました。
リーキのほうが短くて太めです。
煮こむと甘くておいしいですよね♪
甘い…
ん?
これは糖度計の出番?!
はい!計ってみました~!
■加熱したリーキ
6.8
実験1で、加熱した長ネギは5.9だったので、やはり長ネギよりリーキの方が少し甘みが強いですね!
リーキは煮込むとさらにうま味が出ます。
スープにするとおいしいですよ♪
「リーキスープ」作り方
1)リーキは繊維に沿って細切りにする。
2)鍋に水を適量入れる。
3)1を入れ、コンソメ小さじ2も加える。
4)コトコトとリーキがやわらかくなるまで煮込む。
5)塩コショウで味を整えてできあがり!
まとめ
生vs加熱ネギ…ネギは加熱すると甘くなる!
部位別
「根に近い下の部分」が甘い
(生・加熱共通)
場所別
「内側」が甘い!
切り方別
「引き切り」で「斜め」に切ると甘い!
時間別
15分では差が出ないが、30分加熱すると急に糖度が高くなる!
品種別
万能ネギが1番でした。(参考程度に)
ネギを甘く!究極の方法
長ネギの甘みを引き出すベストな条件それは、これを揃えること!!
一、根に近い下の部分を使用
二、引き切りで斜め薄切り
三、30分以上加熱する!
是非参考にしてみてください!
そして、究極の条件を意識して作りました。
ネギたっぷり鍋!!
30分くらい煮込んだらクッタクタ~♪
あま~い!
味つけなしネギだけでパクパク食べられます!
みなさんも今年の冬は
ネギの甘さを引き出して、
たっぷりおいしく食べてくださいね♪
次回の食オタノートもお楽しみに!