食オタ|食の資格者コミュニティ

ネギは加熱すると甘くなるって、ホント?

少し肌寒い日が多くなってきましたね。
急にお鍋料理、食べたくなりませんか?

「お鍋」といえば「ネギ」

▲写真は左から 九条ネギ・長ネギ・万能ネギ


薬味や香りづけ、焼き物、鍋もの…
これからの季節は毎日登場する野菜ですね!

こども料理教室で使うと、「生は食べられないけどお鍋に入れるのは好き!」と言われます。

ネギって、
加熱するとほんとに甘くなりますよね♪

甘くなる…

あっ!
久しく使っていない『あれ』
使ってみたくなりました!!

ジャーン!!

ヤサオタ名物?糖度計!!

ということで、今回の食オタnoteは

ネギは加熱すると甘くなるって、ホント?/

を実証実験します!

実験1:【糖度比較】生vs加熱ネギ


では早速、実験してみましょう!

生のネギと加熱したネギ、どちらが甘いのか?!

糖度は固体では計れないので…

生ネギは、切って、少量の水を入れてミキサーで撹拌。

加熱ネギは、焼き目を付けてから煮込みました。

もちろん生と同じネギ、同じ場所を使いましたよ。

さあ!どのくらいの差が出るのでしょうか?

生ネギの糖度

2.9 でした。

 

■加熱したネギの糖度

5.9!!

やはりしっかり数字に表れましたね!
加熱した方が甘い!!

食べてみると…
生はたしかに辛い!!
加熱したネギはトロっとして甘い!!

この味の違いが数字にも表れて、ほっとしました。

でもよ~く見ると

中心の緑の部分と外側の白い部分では
触った感じも、食感も違う。
味もちょっと違う気がします…。

ふむふむ。
もうすこし調べたくなりました(笑)

実験2一番甘い場所はどこ?

<部位別>どこが甘い?

ネギの場所によって、甘さは変わるのでしょうか?

まずは、長ネギを分解!

長ネギの部位4分割
①上(葉の方)
②青いところとの分岐
③真ん中
④下(根の方)

今まで食べてきた経験から、青いところより白いところのほうが甘いはず!
下と真ん中は、さほど差は出ないと思うのですが…。

さあどうでしょうか?

まずそれぞれを細かくカット。

切り口がすこしずつ違う模様♪

青い部分をさらに細かくしていたらハートがいっぱい♪

断面フェチにはたまりません!
キュン♡

あっ、ついつい、作業の手が止まってしまいます(笑)
実験にもどりますね。

部位別に生と加熱を用意。

さあ計ってみましょう!

結果は…

生ネギ<部位別>糖度

上(葉)2.5
分岐2.4
真ん中2.9
下(根の方)3.9

★根に近い下の方が一番甘い!

お~!やはり白い部分は甘いですね!!
下と真ん中は意外と差が出ました。

では加熱したものはどうでしょうか?

 

加熱ネギ<部位別>糖度

上(葉)6.0
分岐6.6
真ん中5.3
下(根の方)12.0

★下が葉の倍!なんと糖度12!

下の12.0にはビックリ!
フルーツ並みですね!!

【結果】
部位別の甘さは、「根っこに近い下の部分が、生でも加熱しても1番甘い!」という結果でした。

<場所別>どこが甘い?

実験1で疑問に感じた、中心・内側・外側では糖度は変わるのでしょうか?

今回は「加熱ネギ」のみ、一番甘かった「下の部分」で実験してみました。

長ネギの部分 糖度比較①
①外側
②内側
③中心

見た目では「中心」が甘いのかな?と思いましたが、実験1で食べたとき、独特な辛さを感じたのが「中心の緑の部分」でした。

う~ん、そう考えると…
1番甘い部分は内側かな?

さあ!測ってみましょう!

<部分別>ネギ糖度

外側6.7
内側8.4
中心6.4

★内側が1番甘い!

予想が当たるとなんだか嬉しい♪

【結果】
部分別では「内側が1番甘い!」

でも、もしかして火の通り方でも変わるのかも…?

こうなると止まらないのが、野菜オタク(笑)

<実験3>最も甘くなる調理法は?

切り方や加熱時間、品種によっても、ネギの甘さは変わりそうですよね!

ジャーン!

どうするのが一番甘いのか?
比較実験してみます!

<切り方別>どれが甘い?

<切り方別糖度①>
●斜め切りはアクが出にくいと聞いたことがあります。
→糖度が高いのでは?
●小口切りは辛みが残る中心部分の割合が多い
→糖度が低いのでは?
●1本そのまま焼きネギにすると甘くておいしいですよね!
→1番糖度が出る切り方じゃない?

まずはこの3つの切り方で、
糖度実験してみます!

・斜め切り
・一本切込み入り
・小口切り

部位は「下」で揃え、
同時に焼きました。

斜め切り11.4
一本切込み入り9.9
小口切り7.3

結果】
斜めに切ると甘くなる!
一本切り込みがのび悩みましたが、時間をもっとかけてあげれば甘くなっていたかもしれません。

<切り方別糖度②>
●引いて切ると繊維がつぶれない
→甘みが増す
●押して切ると繊維をつぶす
→薬味によい

という話をきいたことあります。

今度は「押し切り」と「引き切り」で糖度が変化するか調査!!

押し切り

■引き切り

それぞれ糖度をはかってみると…

押し切り4.7
引き切り7.1

やはり引き切りのほうが甘い!

引き切りはすぅ~と切る感じ。
押し切りはしっかり切る感じ。

繊維の崩れ方でも味が変わります!

結果
引いて切ると甘くなる!

<加熱時間別>甘さ比較
切り方比較の実験で、「一本切り込み入り」は中まで火が通るまで時間がかかるので、同じ時間で比較したのは公平ではなかったかもしれませんね。

加熱時間でネギの甘さは変わるか?
実験したいと思います!

焼き目をつけて水を入れ、
沸騰してから5分・15分・30分
と時間別にはかってみましょう♪

糖度は…

5分8.3
15分8.0
30分22.5

なんと5分・15分はほぼ変わらず30分煮込むと急に糖度アップ!!

22度越え!!!

たしかに見た目もクタっとして
しっかり中まで火が通った感じがします。
食べてみるとあま~い♪

結果30分煮込むと急激に糖度UP!

<品種別>どれが甘い?

●薬味に使われるネギ・万能ねぎ
→長ネギよりは糖度は出ない?

やってみました!

加熱した万能ネギ

なんと、14.2!
長ネギ部位別でナンバーワンだった
「下」の12.0より高い!

万能ネギも加熱すると甘くなるんですね!

では九条ネギはどうでしょうか?

加熱した九条ネギ

5.7!

意外と低かったですね。
※個体差がありますのであくまでも今回の結果です。

加熱すると甘いと言われる、
「赤ネギ」や「下仁田ねぎ」も
いつか糖度はかってみたいですね!

ねぎって畑でどう育つの?


関東のスーパーに並ぶのは、「根深ネギ」と呼ばれる白い部分が多い長ネギが多いですよね。
成長過程で白い部分がたくさん育つように、こまめに「土寄せ」をしています。

こんな風に↓

ちょうど土の上が、青い部分と白い部分の分岐ですね。

日光に当たっているところは青い!

1本抜いてみましょう!

お~!
土の中にあった部分は真っ白ですね!

立派な根っこ!!
この根っこが、土の中でメリメリっとはがれる瞬間が快感です(笑)


今年、畑のオーナーは「リーキ」を作っていました。
※リーキ…ヨーロッパでよく食べられている煮込み用のネギ

葉っぱがニンニクに似ています。

時期は早いけど収穫してみることに。

うっ!なかなか抜けない~!

結構根強いです!!

長ネギとリーキを並べてみました。

リーキのほうが短くて太めです。
煮こむと甘くておいしいですよね♪

甘い…

ん?
これは糖度計の出番?!

はい!計ってみました~!

加熱したリーキ

6.8


実験1で、加熱した長ネギは5.9だったので、やはり長ネギよりリーキの方が少し甘みが強いですね!

リーキは煮込むとさらにうま味が出ます。
スープにするとおいしいですよ♪

「リーキスープ」作り方
1)リーキは繊維に沿って細切りにする。
2)鍋に水を適量入れる。
3)1を入れ、コンソメ小さじ2も加える。
4)コトコトとリーキがやわらかくなるまで煮込む。
5)塩コショウで味を整えてできあがり!

まとめ

生vs加熱ネギネギは加熱すると甘くなる!

部位別
「根に近い下の部分」が甘い
(生・加熱共通)

場所別
「内側」が甘い!

切り方別
「引き切り」で「斜め」に切ると甘い!

時間別
15分では差が出ないが、30分加熱すると急に糖度が高くなる!

品種別
万能ネギが1番でした。(参考程度に)

ネギを甘く!究極の方法

長ネギの甘みを引き出すベストな条件それは、これを揃えること!!

一、根に近い下の部分を使用
二、引き切りで斜め薄切り
三、30分以上加熱する!

是非参考にしてみてください!

そして、究極の条件を意識して作りました。

ネギたっぷり鍋!!

30分くらい煮込んだらクッタクタ~♪
あま~い!

味つけなしネギだけでパクパク食べられます!


みなさんも今年の冬は
ネギの甘さを引き出して、
たっぷりおいしく食べてくださいね♪

次回の食オタノートもお楽しみに!