突然ですが、クイズです!
日本でいちばん売られている果物って?
答えは…
「みかん」です!
ちなみに2位はりんごだそうですよ。
(農水省HPより)
小さい頃から大好きだったミカン♪
たくさん食べるから
皮もたくさん出ちゃいます。
今回は皮の活用法も含めてミカンについてたっぷり迫ります!
みかん大解剖
一般的にミカンと呼ばれているのは、「温州みかん」のこと。
■温州(うんしゅう)みかん
柑橘研究者の田中長三郎さんの研究から、鹿児島県で偶発実生(※)したと言われている。
※偶発実生とは…
自然の中で元の品種がわからず偶然生まれる木のこと。
温州みかんと呼ばれるようになったのは、江戸時代。中国のミカンの産地「温州」(うんしゅう)の地名が由来。
みかんって手で簡単に剥けちゃうしついつい手が伸びてしまいますよね。
■みかんの部位
あまりの手軽さにすぐに口に持っていってしまうミカン。
じっくり観察したことなかったかも?
ちょっと解体してみましょう!
調べてみるとひとつひとつに名前がついていました。
■部位の名称
①外果皮「フラベド」
②油胞
③中果皮「アルベド」
④維管束(アルベドの白い筋)
②の油胞、皮にあるデコボコには、リモネンという成分が入っています!
中の房の部分は…
薄皮=じょうのう
つぶつぶ=砂じょう
さらに砂じょうを分解~!
オタクですから(笑)
ピンセットでひと粒づつ…
並べてみましたよ~!!!!
約170粒~~~!!
一粒一粒に果汁が詰まっています!!
これをまとめて食べると、
口の中でじゅわ~っと弾けて
おいしいんですね~♪
■さまざまなミカン
みかんといっても
いろいろな品種がありますよね。
愛媛・和歌山・長崎・佐賀・静岡…
と、産地もさまざま。
皮の色が濃いものから、
サイズもいろいろ。
フラベド(外の皮のこと)を剥くと…
中身も個性的~
皮がお花みたい♪
■大小どっちのミカンを選ぶ?
ところでみなさんは、
大きいみかんと小さいみかん
どちらがお好みですか?
■サイズでどんな違いがあるのか?
全く同じ品種で、
サイズの違いを比較してみます~!!
■外果皮
まずは外側の皮、外果皮(フラベド)の
厚みの違いを見てみます。
半分に切って比べてみました。
2Lサイズのほうが若干厚いかな?
■砂じょう
砂じょう(つぶつぶ)の密度を
比較してみると…
おっ!感じがちがいますね!!
小さい2Sミカンの砂じょうは
粒の境がわからないくらい密集~!
またまた分解してみましょう!
2Lはほぼ1粒づつ分けられたけど
2Sはくっついていて、
ピンセットでは分解出来ませんでした!
小さい2Sミカンは
濃厚な果汁がいっぱい詰まっている感じ。
食べてみると…
うん!濃厚~♪
■大 vs 小みかん 比較結果
2Lサイズ(大) | 一房口に入れた瞬間の果汁の広がりがスゴイ! 喉の渇きを潤おしたいときにオススメ! |
2Sサイズ(小) | 果汁の味が濃厚! みかんの味を堪能したいときにオススメ! |
大きなみかんを選ぶか、
小ぶりのみかんを選ぶか…。
参考にしてみて下さい。
みかんの皮の活用法
みかんは大好きなので
一度に何個も食べてしまうわたし。
皮がたくさん出ます。
捨てるのもったいないなぁ~と
いつも思います。
でも、みかんの皮って
お茶にしたりお風呂にいれたり…
昔から重宝されているようです。
みかんの皮を乾燥したものは、
「陳皮(ちんぴ)」と言って、
漢方薬に使われていますよね。
陳皮は、薬膳の資格をもっている
食オタ仲間の加野さんの記事で!
「陳皮」詳しくはこちらの記事
↓
https://media.365market.jp/post_detail.php?post_no=18001
活用法①みかんオイル
フラベド(外側の皮)の
でこぼこに入っている成分は「リモネン」!
リモネンとは
みかんの皮に含まれる香り成分のこと。
油によくなじむ性質があります。
みかんの皮からリモネンをとりだして
「みかんオイル」が作れます!
みかんオイルは…、
油汚れを落としてくれる!
油性マジックもスルっととれちゃう!
らしい…。
ほんと?
ということで、作って
実験してみました~!!
<みかんオイルの作り方>
用意するものは、エタノール1本。
薬局で簡単に購入できます。
(エタノールとエタノールIPがあります。添加物がはいっているエタノールIPは酒税がかからないので安価です!)
それと、干したみかんの皮だけ。
リモネンは油胞の中にはいっています。
その成分が飛ばないように、アルベド側を上にして干しましょう!
乾燥している冬の晴れた日なら
2~3日でカラカラになります。
乾燥したみかんの皮をガラス瓶に入れます。
乾いて硬い皮は入れにくいので
お箸などでぐいぐい押し込みます。
※注意※ リモネンはプラスチックを溶かす性質があるので、必ずガラス瓶に入れましょう!)
そこにエタノールを注ぎます。
分量はひたひたになるくらいで大丈夫!
みかん食べすぎました(笑)
皮がいっぱいです。
エタノールが足りなかった~!
でもきっと大丈夫!
冷暗所で1週間くらい保管します。
寒い廊下に置いてみました。
1週間経ちました~!
こんな風に、
オレンジ色になっていたら出来上がり!
■みかんオイルで油性マジックは消えるか?
さあ!
早速実験してみましょう♪
「油性マジック」で書いた文字は
ほんとに消えるのでしょうか?
水性ではなく「油性」です!
わっ!!
すごい!
きれいに落ちていく~~~!!!
ガス台も拭いてみましょう!
油分が浮き上がっているのがわかりますか?
みかんオイルを含ませたふきんで拭いてみたら…
お~~~~
ピカピカ★
大成功です!!
はっさくも好き♪
皮を触るとちょっとべたつく感じ。
リモネンかな?
ということで「はっさくオイル」も作ってみましたよ。
さあ、もう一度実験!
油性マジックで文字を書きました。
どうでしょうか?
おおお~
強くこすることなく
きれいに消えました!
■みかんオイル大活躍
そして、頑固なシールも
きれいにはがれますよ~!!
エタノールだけより早く!
べたべたした感じも残りません!
みかんオイルの効果、
見事です!!
作業中は部屋中いい香り♪
お掃除が楽しくなりますね。
■みかんオイルまとめ
・みかんの皮を干して簡単に作れる!
・油性マジックをサッと消せる!
・油汚れはしっかりとれる!
・頑固なシールもきれいにはがれる!
活用法②みかんの皮染め
そういえば野菜染めの実験のとき、オレンジや伊予柑の皮で染めました。
詳しくはこちらの記事で
↓
https://media.365market.jp/post_detail.php?post_no=11581
みかんの皮でもチャレンジ♪
布は染まるか~?!
家にあったこの2つでやってみます。
・白い木綿
・シルク玉
染める材料に対して同じ分量が基本。
でも食べるとどんどん皮が出るので
多めに入れちゃいます。
布巾とシルク玉、合わせて約60g。
みかんの皮は105gで。
水をひたひたに入れます。
どんな色がでるかな~?
沸騰して5分くらいうっすらオレンジ色に!
う~ん、
経験上この色では染まらないかな…。
ちょうど食べ終わった皮があったので、
えい!
もっと入れちゃおう!
もっと濃い色になりますように。
20分くらい煮出したあと
素材を入れてみました。
うすいですが、染まっています。
さらに10分くらい煮込みます。
準備したミョウバン液に漬けて、
色を落ち着かせます。
お~~~!
きれいなオレンジ色に発色!
乾かすと…、
輪ゴムでつけた模様もうっすらですが出ていますね。
染める前の白い布と比較。
写真ではわかりにくいのですが
ほんわりやさしいオレンジ色に~♪
何度か繰り返すと
もっと発色するでしょう。
キッチンに戻ると
染めた後のみかん液が
鍋に残っていました。
この液もリモネン効果が期待できそう。
ワックス効果もあるらしい。
わが家の20年以上経ったフローリングも、輝きが戻りますように!
一生懸命拭き掃除しちゃいました。
今は乾燥させた皮を常備。
少しずつ煮出して、みかん液を作っています。
まとめて作る場合は1週間を目安に使いきりましょう。
毎日食卓を拭いていたら
(こちらも20年以上経っています)
だんだんツヤが出てきたような気がします♪
みかん皮染めまとめ
・やさしいオレンジ色に染まる!
・水で煮出したみかんの皮液はワックス効果が期待!拭き掃除に利用しよう!
ミカン品種調査!
以前の柑橘の種類
温州みかんの旬が過ぎると、いろいろな品種の柑橘が出てきますね。
でも、私が子どもの頃の柑橘は、種類ってそこまで無かったような。
(ちなみに私は昭和39年生まれ)
皮がオレンジ色の柑橘は、みかん・はっさく・伊予柑・甘夏・夏みかん…。
少し大きくなってからポンカンを食べて、
あまりのおいしさに感動した記憶が!
認識していた品種はそれくらいかな~?
いつからこんなに多品種になったのか?
ずっと不思議に思っていました。
■今の柑橘の種類
今収穫できるすべての柑橘を入れた、
スペシャルボックスが我が家に!
この時期だけでもこんなにたくさん!
愛媛県の柑橘農家の二宮果樹園さん、
ありがとうございました。
スペシャルボックスに入っていた、
みかん系の品種。
・デコポン(不知火)
・甘平
・はれひめ
・はるみ
それぞれの生い立ちを調べてみると…
なるほど~!!!
発見がありました!
デコポン | 1972年生まれ | 清見×ポンカン |
はるみ | 1999年生まれ | 清見×ポンカン |
はれひめ | 2004年生まれ | 「清見×オセオラ」×温州みかん(宮川早生) |
甘平 | 2007年生まれ | 「清見×トロピタオレンジ」=西の香×ポンカン |
※デコポンは熊本果実農業協同組合連合会が商標登録したものでしたが、現在は全国のJA出荷のものも使用可になりました。但し糖度13度以上クエン酸1%以下など条件をクリアしたもの。
そうなんです!
全て「清見」という品種から生まれているのです!
みかんとオレンジの良いところを持った品種、「清見」。
清見が誕生したことで、2000年前後から急速に、難しかったみかんの品種改良が進んだのです。
「清見」はみかん系品種のおかあさんだった!!
※『清見』ができるまではひとつの記事にできるくらいドラマがあります。今回は簡単に数行にまとめてしまいましたが、研究が始まって30年後にようやく品種登録された『清見』。ご興味がある方はぜひ関連の文献を読んでみてください!感動します!!
これから旬を迎える「清見」。
今年は今まで以上に大切に味わいます。
まとめ
みかん大解剖
【部位】
フラベド・油胞・アルベド・維管束・じょうのう・砂じょうとみかんのパーツには、それぞれ名前がある。
・白い筋の維管束には食物繊維・ビタミンPが含まれているのでカラダに良い。
■大きさ比較
・食べ応え 2L > 2S
・味の濃厚さ 2L < 2S
\みかんの皮の活用法/
活用法①みかんオイル
→「リモネン」の洗浄力を活用
・油性マジック油汚れがよく落ちる
・頑固なシールもきれいにはがれる
みかんオイルを活用してお掃除上手に♪
活用法②みかん皮染め
・やさしいオレンジ色に染まる!
・余った液はワックス効果あり!拭き掃除に活用できる!
■清見はみんなのお母さん!
「清見」が誕生したことでさまざまな品種ができるようになった。
昔からあるはっさく・伊予柑・ポンカンなどは偶発実生の枝変わり(元の品種がわからず自然の中で偶然にうまれた品種)で生まれた品種です。
たくさん食べてビタミンチャージ!
皮を活用しておうちピカピカ!
2月は、温州みかん、清見をはじめ
品種の柑橘リレーがはじまります。
いろんな柑橘の楽しみ方があります♪
ぜひみなさんも、柑橘をめいっぱい楽しんでくださいね!
次回の食オタノートもお楽しみに~。