食オタ|食の資格者コミュニティ

塩麹を仕込むときの塩は何がいい?使う塩の種類で味が変わるか実験

みなさんは普段、
どんな塩を使っていますか?

私は「発酵」オタクでもありますが、
我が家は、塩フリーク!!!

ゴソゴソと探してみただけで、
こんな感じ。

今回はそんな「塩」
塩は切っても切り離せない「塩麹」
スポットを当ててみます!

塩について調査!

まずは「塩」について。

塩ってどんな種類があるのかな?

近くのスーパーで見てみると棚には約10種類ほどが並んでいました。

塩の分類

原材料や工程など分類の方法がいろいろあるようですね~。

粒の大きさも様々!


わかりやすく、塩の「原材料」で分けてみましょう

大きく分けて、この3分類。

原材料による塩の3大分類
(1)海水塩
(2)岩塩
(3)湖塩

少数ですが、原材料が温泉水という塩も存在します。

それぞれ詳しく調べてみましょう!

(1)海水塩

「海水塩」とは、文字通り!

海の水から作られる塩のこと。

海水塩の作り方の工程は
いろいろあります。


う~ん、複雑…。

約3%の海水をどのぐらい濃縮するかで
味も成分も変わるんですね。

同じ海の水なのに…。

海水塩は、
ミネラルが豊富なものが多い!

このミネラルが、味を決めている
と言っても過言ではないんですよね♪

一度製造の現場を見てみたいものです!

(2)岩塩

わりと有名?なのが「ヒマラヤ岩塩」でしょうか。

岩塩って、海水が海底に閉じ込められて
それが隆起して作られるんですって!

海水が蒸発、結晶化したもの。

つまり、もともと海だった土地から採れる♪

ヒマラヤが海??何だか不思議~!

これ全部、岩塩です!

産地によって成分が異なり、
色や味も様々。

我が家にあるのはピンクと黒の岩塩。

黒は、硫黄の香りが強いのですが、
ステーキなどにはぴったり!

その場でガリガリとすりおろします♪

足湯にはこんなのものも使っています。
ド~ン!!

なんだかありがたい感じがします!笑

(3)湖塩[こえん]

あまり聞いたことがない?!

でも、中東にある体が浮くという
「死海」は知っていますか?

死海に代表される塩水湖(塩湖)は、
南米など世界にはいろいろあるそう。

こちらももともと海だったところが
陸に取り残され湖に…。
そこが蒸発し結晶化したものだそうです。

岩塩になる前の段階なので、
成分的にも海水塩と岩塩の中間ぐらい?

見つけたら味わってみてください。

使っている塩をチェックしてみよう

ご自宅で使っている塩はどんな塩??

塩の表示を見てみましょう。

ラベルに必ず記載されていることが
2つあるんです。

それはこの2つ!

塩の記載
●原材料名
●製造工程

こんな感じです。

大多数のお宅にあるのは海水塩なのでは?

世界に目を向けると、
海水から作られる塩は約1/4。

ほとんどが岩塩や湖塩など
海水塩以外の塩なんですね~。

意外~!

貴重な温泉水を入手

以前、美味しい塩があると聞き
長野の山奥まで行ってきたんですよ!

珍しい温泉水から作られています。

ここは通販などはやっておらず、
現地に行って手に入れるしかありません。

しかも手作業のため生産量が少なく、
1人1袋しか購入できません。

海水が長い時を経て、
地中のミネラルを含み
この地で湧き出ているとのこと。

なんかロマンを感じる~~~!

大事に使っています!!笑

さまざまな「塩」で塩麹づくり

それぞれの塩の使い方には、
向き・不向きがあるようです。

そうそう。私と言えば「発酵」!

ワークショップを開催すると、
よく出る質問が、使う塩のこと。

実際のところ、どうなんだろう???

塩によって味に差が出るのかな?!

今まで作ってきた感覚で、
使う塩の差が出やすそうなのは…

「塩麹」!!!

塩麹をいろいろな塩で作ってみて、
比較してみたいと思います!

塩麹実験①:6種の海水塩で比較

塩麹を作る際に使われるのは、
一般的に「海水塩」ですね~。

そして、塩の味わいを決めるのは
4つのミネラル!

【塩の味わいを決める4つのミネラル】 ● 塩味 → ナトリウム ● 甘味 → カルシウム ● 苦味 → マグネシウム ● 酸味 → カリウム

そのバランスを考えて、
この6種類をセレクトしました!!

比較する「塩(海水塩)」
食卓塩
伯方の塩
浜菱
わじまの海塩
粟國の塩
ぬちまーす

塩の粒はこんな感じ。

(※ゲランドの塩は参考に)

▼それぞれの塩のミネラル量


※それぞれ製品100g当たりの数字
※浜菱だけは詳細がわかりませんでした

~参考:食塩相当量~
食卓塩/98.45g 伯方の塩/95.25g 
浜菱/94.5g わじまの海塩/88.9g
粟國の塩/73.4g ぬちまーす/73.97g

こんなに値が違うんですね~!

ミネラルの量の違いで
出来上がりの味は変わるのでしょうか?

何だかワクワク♪

それでは、
塩麹づくりスタート~!!!

まずは準備に取り掛かります!


※上記の分量では多すぎるので、今回は半量ずつで実験します

塩麹の保存瓶は、熱湯消毒します!

ここ大事!!

瓶の消毒は、水のうちに鍋に入れて
10分ほど煮るのです。

蓋も忘れずに~!

塩麹の作り方
①麹と塩をよく混ぜる
②そこに40℃のお湯をひたひたに入れて混ぜる(翌日乾いていたら1度だけお湯を足す)
③常温に置き、1週間毎日混ぜる

まずは、麹をほぐして塩と混ぜます!

食卓塩、伯方の塩、浜菱、
わじまの海塩、粟國の塩、ぬちまーす
それぞれの塩で作ります~♪

▲各、米麹50g・塩15g

よ~くもみこむように、
麹と塩を混ぜますよ!

それを、消毒しておいた瓶に入れます。

容器についた塩も残さないように…。

そこに、お湯を入れまーす!
 

お湯は熱すぎはNG!
麹菌は熱に弱いですからね~!!

40℃くらいのお湯にしてくださいね。

お湯の量は「ひたひた」が目安です。

それを、よく混ぜます!

グルグル、まぜまぜ…。

次の日!

状態を見て、乾いていたら1回だけお湯を足します。

ひたひたが目安ですよ~!
少なすぎても多すぎてもよくないのね!

こんな感じに6種類仕込みが完了しました♪

あとは「常温」に置くだけ。

1週間、毎日混ぜる。
忘れないようにしなくちゃ!

< 塩麹の保存 > 塩のカドが取れて、旨味や甘味が出ていたらOK
その後は冷蔵庫で保存

3日後・1週間後・2週間後に
味見をしてみようと思います!

3日後/食べた感想
食卓塩
→ しょっぱい
伯方の塩
→ 甘みあり
浜菱
→ 塩味が強い
わじまの海塩
→ 甘みあり
粟國の塩
→ 甘みあり、少し苦味も
ぬちまーす
→ えぐみが残る

塩によって麹の砕け具合が違いますね!

1週間後/食べた感想
食卓塩
→ 少し味が柔らかに
伯方の塩
→ 麹がふっくら、味も安定
浜菱
→ まだ塩味が強い
わじまの海塩
→ 麹が柔らか、旨味もあり
粟國の塩
→ 甘味と旨味あり
ぬちまーす
→ 麹が硬く、苦味あり

2週間後/食べた感想
食卓塩
→ 旨味をあまり感じない
伯方の塩
→ 旨味が出て美味しい
浜菱
→ 時間を置くと美味しくなりそう
わじまの海塩
→ 旨味を感じる
粟國の塩
→ 甘みが強い
ぬちまーす
→ 甘味はあるが苦みもあり

6種の塩で作った塩麹を、
家族で食べ比べしてみました!

我が家の1番人気はわじまの海塩!

そして2番人気は…
慣れ親しんだ伯方の塩
ミネラル豊富な粟國の塩

6種の海水塩で作った塩麹/総合感想

食卓塩 / 平坦な味で深みがない

伯方の塩 / 旨みが出てバランスがいい

浜菱 / 角は取れたが塩味が強い

わじまの海塩 / 甘味も旨味もありバランスがいい

粟國の塩 / 甘味が強い、バランスもいい

ぬちまーす / 口の中にえぐみが残り、私は苦手

麹の砕け具合はこんな感じ。

麹が砕けているものの方が
味がいいように感じます。

でもコスト的なことを考えると
今後も伯方の塩になりそう~笑

塩の違いで、塩麹の味がこんなに違うなんて!!

やっぱり塩って
できあがる塩麹の味に大きく影響します!

じっくり選んで、
自分好みの塩麹を見つけてみて下さい♪

塩麹の材料を比較実験

塩麹実験②:海水塩以外で塩麹は作れるか?

岩塩、湖塩・山塩は、
塩麹づくりには不向きと言われます。

海水塩以外で、
塩麹は作れるんでしょうか?

やってみましょうー!

試してみるのはこの4つ。

塩麹づくりに挑戦してみる塩
湖塩
山塩
ピンク岩塩(粉)
ピンク岩塩(粒)

岩塩は塩麹に向かないと聞いていたので少なめの1/3の量で仕込むことに…。
(米麹33.3g・塩10g)



さきほどの実験と同様に3日後・1週間後・2週間後に味見を。

予想と反して「ピンク岩塩」もそれなりに美味しくできました!!

ピンク岩塩なら、粉状のものより粒状の方が味が良い♪

そして、今までやったことのない
「湖塩」が大健闘!

深みもあっておいしい~♪

麹の砕け具合はこんな感じ。

やはり湖塩と山塩の方が
麹が砕けてる~!

でもこの4種はどれも好きかも?

たまには作ってみるのもいいかな?

塩麹実験③:仕込む水で比較

日本の水は「軟水」ですよね!

さて。
「硬水」でも塩麹はできるのか?

軟水はミネラルが少ないんです。
一方、硬水にはミネラルが豊富。

じゃあ、美味しくできるんじゃない?!

塩麹づくり水比較
軟水(日本の水)
硬水(フランスの水)

今回使うのは、
フランスの海水塩「ゲランドの塩」。

同じフランスの水(硬水)、
エビアンでやってみた♪

こちらも1/3の量で。

結果…。

硬水では麹の粒がなかなか
柔らかくなりませんでした!!

味も軟水の方が美味しい!

塩と水の相性だけではなく
麹との相性もあるのかな?

醤油も、日本の塩と水で作った方が
美味しかった記憶が…。

やはり日本の麹には日本の塩と水が合う!ってことかな!?

まとめ

毎日12種類の塩麹たちと向き合うこと2週間!

どの子も可愛い~♪


我が家だけの評価ではなく、
他の人の意見も聞きたいな~♪

ということで、自宅で麹も仕込む
友人親子にも協力を要請!

どの塩麹かわからないようにして、
先入観なしで味をみてもらいました。

公平にね!

「どれもちゃんと塩麹なってる~!」

お豆腐も手作りしている人なので
ぬちまーすの苦味も平気とのこと。

なんかにがりのような味なんですよね!

それもそのはず、ぬちまーすは
マグネシウムの含有量が多い!

人の味覚って面白いですね~!

具体的に合いそうなお料理を
提案してくれました。

・塩味が強いものはお肉に合いそう!
・甘味が出ているものはドレッシングに使えそう
・岩塩の塩麹は温野菜や漬物に合う
・山塩で作ったものは魚に合うかも?

大変勉強になりました~!!

私個人のお気に入りは、
わじまの海塩や粟國の塩で作った塩麹。

自分の好みの塩に出会えるといいですね。

そしてたまには塩麹も、
違う塩で作ってみてください。

何か新発見があるかもしれません!



塩は人間が生きていく上でとても大切なもの。

だからこそ、こだわってみると楽しいですよ♪

他にもいろいろな塩があります。

スパイスやハーブなどと合わせると
相乗効果で美味しくなるんですね。

面白い塩を見つけたら
教えてください!

では!!
次回の食オタノートもお楽しみに~♪