旬のサトイモをおいしく料理しよう
里芋の皮を包丁で剥くと、ぬるぬるして落としそうになったという経験はないでしょうか。
こちらの記事では、里芋のぬめりやネバネバの正体について解説しています。
おすすめの保存方法や豆知識、効率良く栄養を摂取するための調理のコツについてもご紹介します。
里芋と山芋の違い
同じイモ類である山芋との違いをご存知でしょうか。この2種は簡単に分類すると「山で自生していた芋」と「里で食べるために栽培している芋」です。近年では山芋も販売するために栽培されているため、あまり明確な違いにはなっていませんが、かつてはこのような分類をされていました。
どちらも品種が豊富で、代表的な自然薯の他、丸い大薯(だいじょ)や長芋も山芋の一種です。里芋にも細長いたけのこ芋やエビイモが存在しており、素人が見た目で分類するのは難しいでしょう。
また、ネバネバの度合いも品種ごとにことなります。山芋でも粘りが少ない長芋のようなものもあれば、自然薯のように弾力を感じるほどの粘りを持つ品種があるように、里芋もそれぞれ異なります。お好み焼きなど料理にすり下ろして加える場合も、粘りの程度によってお好みで選んでみてください。
里芋の保存方法とおすすめレシピ
■保存が難しい里芋を長くもたせる保存方法とは
油断するとすぐに傷んでしまう里芋ですが、保存方法に気を付ければある程度長持ちさせることは可能です。
里芋の保存の基本は、乾燥させないことです。
ジャガイモの保存方法を知っている人からすれば、同じ芋なのに乾燥させなくて良いのか、と驚くかもしれません。実際は同じ「芋」の字がついていても、これらは全く違う植物です。ジャガイモは地下茎が肥大したものですが、里芋は根と葉の境の部分が肥大したものなので、食べる箇所が異なります。同じ芋類だからと同じような保存の仕方をしていた人は、かえってそれが里芋を傷める理由になっていたかもしれません。
里芋を保存するには、泥付きのまま洗わないことも重要です。そのままの状態で新聞紙にくるみ、冷暗所で保存しましょう。新聞紙がない時は、キッチンペーパーで代用できます。乾燥は大敵ですが、湿気の多いところではなく風通しの良い場所で保存するようにします。
また、暑さはもちろん、あまりに寒すぎるところも要注意です。冬は10度〜25度の間の環境で直射日光が当たらないように保存しましょう。
里芋はデリケートな食べ物なので、少しでも温度が低すぎたり高すぎたりするとたちまち傷んでしまいます。傷がある場合はそこから傷みが進行するため、傷のあるものは早めに食べるようにしてください。
最適な保存方法を実践すれば、泥付きの里芋は1か月前後保存可能です。もし泥を洗い流してしまった場合は、新聞紙につつんで冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。その際の賞味期限はおよそ1週間です。
中には皮を剥いてから冷凍保存する人もいますが、その場合は保存袋に空気が入らないよう里芋を入れ、1か月以内に使い切るようにしてください。ちなみに、皮を剥く前に茹でたり蒸したりしておくと皮も剥きやすく、調理の際も簡単に使えます。冷凍庫から出した里芋は解凍せず、そのままの状態で調理に使っても問題ありません。
■里芋はとろろで食べるのが最適?栄養を効率良く食べるコツ
里芋の調理方法はさまざまですが、ほとんど人が口にしたことがあるのは、煮物や汁物、とろろ芋にした状態ではないでしょうか。里芋の栄養を効率良く摂取するには、どのような調理方法で食べると良いかというと、摂取したい栄養素で考えると良いかもしれません。
里芋にはカリウムが豊富に含まれています。カリウムは体が余分にとってしまった塩分などを輩出する助けをしたり、心臓機能や筋肉機能の調整を行ったりしてくれる成分です。欠乏すると筋力低下や腸の機能低下などの可能性があります。
このカリウムを里芋から摂取するには、カリウムが水溶性の性質を持っていることを考慮しなければなりません。水に浸すような調理法ではなく、皮ごと蒸せばカリウムを効率的に摂取できます。
皮ごと蒸すと皮むきも簡単になりますし、蒸した芋をとろろ状にしても美味しくなります。生の状態で食べる人もいますが、シュウ酸カルシウムによる刺激で口内がチクチクする可能性があります。粘膜 が弱い人、喉に炎症がある人などは、必ず加熱して食べるようにしましょう。
里芋のとろろは自然薯など山芋と呼ばれる部類のイモ類に比べ、あっさりしたとろろに仕上がります。山芋の弾力があるとろろが苦手な人は、里芋のとろろにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
ネバネバ成分が特徴的な里芋は、体の粘膜を保護するのに役立つ食材のひとつです。
保存が難しくて避けている人は、こちらの記事でご紹介した保存方法を試してみてください。
里芋の保存のコツは、乾燥させず、ひとつひとつ新聞紙でくるんで冷暗所で保存することです。それほど手間もかかりません。上手に保存して1か月もたせることができれば、大量買いも怖くなくなります。山芋で作ったとろろと里芋で作ったとろろの違いを楽しむなど、ぜひ積極的に里芋料理にチャレンジしてみてください。
ネバネバ野菜を食べよう!
里芋のほかにもネバネバ野菜はたくさんありますね。
山芋、オクラ、つるむらさき…
あなたのお好きなネバネバ野菜は何ですか?