食オタ|食の資格者コミュニティ

野菜のDNAを取り出してみよう!

自由研究といえば…、理科の実験!!

家庭でも簡単にできて、材料が準備しやすいのが理想的!

そこで今回は、身近な野菜からDNA(細胞)を取り出す実験♪

そもそもDNAや細胞なんてそんな簡単に抽出できるのか?!

まさしく科学者や実験室で行う話だと思いますよね??

しかし!これが、簡単!!
一日あればできちゃうのです!!

さぁ、レッツトライ!

実験をはじめる前に

DNAってなに?

そもそもDNAってなんぞや…?

簡単に説明すると、
その生態を作っている設計図のようなもの。

もちろん、私たち人間にも
DNAがあります!

そこで。
身近にある植物や野菜にも、
本当にDNAが存在しているのか??

自分の目で確かめるため、
実験してみましょう!!


今回は、5種類の野菜を使用して比較してみることに!

抽出液や無水エタノールを使って
こんな風にDNAを取り出します!!

実験方法

① DNAを取り出しやすくするために野菜を細かくすり潰し
そこに抽出液(取り出すための液)を加える

② 野菜のDNAを浮かび上がらせるため、無水エタノールを加える

③ 浮かび上がったDNAを観察・比較する

文字だけだと難しく見えますが実験自体はあっという間!

さっそく、実験の道具をそろえていきましょう。

用意するもの

用意するのは家庭にあるものばかり。

キッチンにあるものでまかなえます!
なければ100均で揃うものばかり。

透明カップ・スポイト・無水エタノール
この3つを購入するだけで済みました!

DNA実験してみよう!

今回、DNAを取り出してみるのは
この5つ!!

実験する野菜・果物

● ブロッコリー
● 玉ねぎ
● トマト
● キュウリ
● バナナ

お好みの身近にある食材で揃えてみてください!

それでは実験してみます!!!

①DNA抽出液を作る

まずは「抽出液」作り!!

野菜のDNAを抽出するには、「抽出液」が必須アイテム。

抽出液は、3つの材料を混ぜるだけ。
簡単にできちゃいますっ!

抽出液の材料〉 
●台所用合成洗剤…小さじ1
●食塩…小さじ1(5g)
●水…100ml

3つをカップに入れて
よく混ぜます!

塩が残らないように
まぜまぜ~まぜまぜ~♪

※注意
洗剤が入ってるので、小さいお子さんが飲んだりしないように気を付けてくださいね!!

②野菜をすりつぶす

それぞれの野菜を約20gほど用意しすりつぶします!

◆ブロッコリー

DNAは花芽にたくさん!
花芽部分を使います!

包丁で細かく刻んで~
トントントントン…♪

フードプロセッサーでも大丈夫です!!

すり鉢ですりつぶします~。

なかなか根気がいる~~~!

◆玉ねぎ

おろし金でおろすのが簡単にできてベスト!!

◆トマト

皮は除き、細かく刻んでからすり鉢ですりました!

◆キュウリ

おろし金でおろします。
粒が残っていたらすり鉢ですりつぶしてくださいね~!

◆バナナ

ビニール袋に入れてから手でつぶします!
これまでの野菜に比べてバナナは手でつぶすだけ!
モミモミ~♪

あっという間に完成!
とっても簡単です♪

③DNAを取り出す(抽出する)

抽出液を入れる

②で作ったすり潰した野菜に①の抽出液大さじ2杯(30㏄)を静かに注ぎ入れます~!!

DNAを壊さないように…
そーっとね。

攪拌(1度だけ混ぜる)

一度だけ割りばしで攪拌します。

グルグルしたい気持ちをグッとこらえて…!
ここで何度もかき混ぜ厳禁!!

   

静かに放置

10分~15分ほど放置。

   

濾過(ろか)の準備

放置時間、退屈してる暇はありません!

濾過の準備をします。

お茶パックを透明カップにセロハンテープで貼り付けて…

今回用意したカップが大きかったので
(通常サイズの飲料カップ)
無理やりお茶パックを切っちゃった。

小さめカップの方が実験には便利ということが判明。

でも、濾過には問題ありませんよ!!

   

濾過カップに注ぎ入れる

そんなこんなで、10分後!

時間を置いた抽出液を、やさしく~
用意した濾過カップに注ぎ入れます。

ここでも優しく、そーっとね。



ポトポトポト…。

野菜色の抽出液ができましたー!!

④DNAを沈殿させる

無水エタノールを準備します!

※冷えてるエタノールの方が実験が成功しますよー!

このスポイトは小さく使いづらかった!
30cc入る大きめのスポイトや、
注射器のようなものがおススメです↓

さきほど濾過した野菜の抽出液に
無水エタノール大さじ2杯(30cc)を加えます。

無水エタノール量はだいたい抽出液の2倍量が目安。

注ぐ際は、カップのフチに伝わらせてスポイトで静かに入れること!

スポイトがない場合は、
箸やスプーンでフチに添わせるように
やさしく注いでくださいね!

ここでもかき混ぜたり
乱暴にエタノールを入れるのは厳禁!!

DNAはとってももろい!

切れて壊れてしまったら
実験が失敗に…。

もし実験結果がうまくいかなかった時は
下記を見直してみてくださいね!

●どこかで撹拌しすぎていない??
●乱暴に扱っていなかった??

DNAを取り出して観察しよう!

それぞれの野菜のDNA実験を
見ていきましょうー!!

◆ブロッコリー

エタノールを入れた数秒後から白い泡が出てきました!

1分も経過すると…
上の層と下の層が違うのがわかります!

白いモヤモヤキターー!
これがDNAですー!

実験結果 ○ 白いモヤモヤしたした気泡がたくさん出てきた。うっすらと糸状のDNAが浮いてきた。

玉ねぎ

玉ねぎは抽出液自体が透明なのでわかりづらいですが…。

上層がうっすら白っぽくなり始めた!

数分経過…。

上から見ると、泡の塊のような感じで
DNAが出現!!

実験結果 △ 気泡が浮いてきて、糸状ではなくもやもやした白いものが浮いてきた

トマト

フツフツと下層から泡が出始めました!!

上から見ると、こんな感じ↓

気泡の塊状のものはたくさん出てきましたが糸状のDNAは見られません!

実験結果 △ 気泡が出てきたが、糸状のDNAは見られなかった

◆キュウリ

エタノールを入れたものの変化もなし。

上から見ても、
やはり何の反応もありません。

実験結果 × 気泡さえも浮いてこなかった。澄んだ液体のままだった

バナナ

エタノールを加えて30秒~数分待つと…

すぐに、プツプツした気泡が!

下の層から、ムクムク…!

出てきましたー!!!

透明なエタノールに、下から
白っぽい物質が浮き上がってきます!

この白いモヤモヤした糸状のものが
DNAです!

長ーく繋がっていますね!

実験結果 ◎ 糸状のDNAが浮かび上がってきた。中に気泡があるのも確認できた。

DNAを浮き上がらせることに成功!
これだけでも充分ですが…

次のステップ!

せっかくなのでDNAをこの手で触ってみたいっ!

箸で巻きつけたらDNAを取り出せるかな?



ホントに取れるのか?!
よし、やってみよう!

切れないように
そーっとそーっと…

引き出しに成功!!


虫眼鏡でも観察。

フムフム。
細かい気泡がたくさんあるのが分かります!

顕微鏡の世界では本来はらせん構造のDNA。

DNAは本当に長細かった!!

たくさん触ると、もろいため
すぐに切れてしまいます(>_<)

手に取ってみると…

フワフワしていて泡のようですが
ドロっと粘度もありました!

上手い表現が見当たりませんが
綿菓子の粘度のあるバージョンみたいな。

新触感です!

DNAを
手に乗せることができるなんて
スゴイ!!

実験結果まとめ

野菜果物には、
本当にDNAが含まれていることが、
実験により判りました!

ただし野菜や果物の種類によって、
DNAが良くとれるもの、
取りにくいものがあることも判明!

DNA実験結果

他の野菜や果物の
同じように実験した結果がコチラ↓

DNAが取り出しやすかったランキング

1位:バナナ
2位:ブロッコリー
3位:トマト・玉ねぎ
4位:きゅうり

DNA抽出は、ブロッコリーで実験する人が多いみたいですが、
バナナも良いー!!

潰す作業も簡単で、実験もあっという間!!

ブロッコリーよりもDNAが取り出しやすいです!

実験をもっと詳しく知りたい人・大人向けの解説

「抽出液」って何?

■塩と洗剤の役割

DNAはそのままでは取り出すことができません。

そこで 抽出液 を作る必要があります。
DNA取り出すための液体です!

DNAを取り出すためには細胞の膜を壊す必要があります。

【洗剤】
染色体を分離してくれ、核の膜を壊してくれます。

【食塩】
DNAを集まりやすくする働きがあります。

洗剤と食塩の作用によって
細胞膜の構造を破壊させて集める。

そうしてはじめてDNAを外に出すことができるのです。

※食塩は、塩化ナトリウム以外の成分がないものがおススメです。

※洗剤は、DNA構造を壊さないようにするため、たくさんの物質が添加されていない、自然の食器用洗剤がオススメです。

エタノールが必要な理由とは?

なぜ無水エタノールを加えるの?

DNAは水に溶ける性質を持っています。

エタノールはアルコールのため
溶けにくいという性質を持っています。

エタノールをそっと注ぐと抽出液と2層になります。

抽出液に溶けていたDNAは、エタノールに触れると溶けることができず、また比重が軽いために上層に浮き出てくるのです。


DNAはすべての生物に入っている
遺伝子の記録情報。

その生態をカタチ創る設計図です。

人間だけでなく、身近な野菜や果物にも
それぞれにDNAが本当に入っている
ということががよくわかりました!

普段、肉眼では見えない細胞を
こうして簡単な実験で取り出せたのは
驚きと感動!!



是非みさなさんも
好きな植物や身近にある食材で
実験を楽しんで観察してくださいね!

次回の食オタノートもお楽しみにー!!