はじめまして!
東京農大に通っています、飯田です。
この365マーケットの運営会社
(株)VACAVOでインターンをしてます♪
みなさんは、野菜がどんな風に
市場を通って、スーパーへ並び、
私たちの元へ届くか知っていますか??
農大生らしく!
市場レポート行ってきました!!!
ということで。
今回の主役はこちら!
トマトのリコピーナちゃん♪
リコピーナちゃんの旅を
一緒に見てみましょう!
トマト・リコピーナちゃんの旅
成長中
こちらはトマトのリコピーナ、
まだ赤ちゃんトマトの頃。
トマトは黄色い花が咲き、
その中から緑の実が出てくるんです。
緑のトマトが赤く色づいて収穫、
出荷されます。
<ある日の午前中>
収穫されたリコピーナちゃん。
(※写真/365マーケット契約農家:岩城農園)
農家さんの手によって
箱や袋に詰められます。
農家さんから個人宅へ配送する
「産地直送」も最近は多いけど…
いちばん多いのは「市場流通」!
リコピーナちゃんも
市場へ向けて出発です!
その日の夕方
リコピーナちゃん、JAにやってきました。
他の子たちと合流し、
トラックに乗り合います。
いよいよ故郷を旅立つ時です!
リコピーナちゃん市場へ
<深夜0時>
車に揺られて辿り着いたのは、
埼玉県の「浦和市場」というところ。
遠方からも仲間が集まっていました。
熊本県や青森県出身のトマトたち。
2泊3日で来た子もいるんだって!!
市場にはいろんな出身の
さまざまな友達が集まるんですね~!
(※↑写真は深夜の大田市場。トラックのまま市場内に運び込まれます。)
リコピーナちゃんは卸さんの元で、
ちょっとうとうと…
リコピーナちゃん競りへ
次の日の夜明け
活気のいい声で目覚めたのは朝6時過ぎ!
どうやらこれから「競り」にかけられるみたい!!
今日の競りの参加者は、ざっと20~30人ってところ。
誰が競り落としてくれるかなー??
はじまりました!
すごい迫力!!
リコピーナちゃんを手にしたのは…
「八百八(やおはっち)」の店主
小嶋英嗣さんです♪
小嶋さんは
リコピーナちゃんの身支度の間、
仲卸さんを回ったり事務処理をしたり。
忙しく市場の中を駆け回ります。
リコピーナちゃん八百屋さんへ
朝8時
リコピーナちゃんは
無事に小嶋さんに受け取られました。
小嶋さんは大事そうに、
お店に連れて帰ります。
「お客さんに一番いいものを届けたい!」
小嶋さんは、品質が安定しているものはあらかじめ注文しておいたり、
その日の良いものを競りで探したり、市場にある全ての野菜たちから探していました。
午前10時
リコピーナちゃん、店頭に並びます!
「八百八」は、2017年10月に、
埼玉県にオープンした八百屋さん。
地域の方々が来店して、
小嶋さんとお話ししています。
お客さんも小嶋さんも楽しそう♪
そのすきに!!!!
リコピーナちゃんは私が(笑)
買わせていただきましたーー!!!
リコピーナちゃんの食卓へ
お昼
それから2日後…
飯田家の食卓に並びました。
これにてトマトのリコピーナちゃんの旅は終了。
普段何気なく食べているトマトも他の野菜も
こんな風に届けられているんですね。
なんだ愛とおしい…♪
野菜の旅物語を知ると、もっと野菜が好きになっちゃうかもです。
浦和市場に行ってきました!
そもそも市場って何?
市場とは野菜などの農産物がたくさん集まって、
売り買いされる場所です。
日本では「卸売市場法」という法律で
規定されています。
市場は大きくわけて2種類
・中央卸売市場
・地方卸売市場
違いは運営者です。
■中央卸売市場
農林水産省の指導の下で、地方公共団体のみが開設できる。
東京都が開設の「築地市場」や「大田市場」「淀橋市場」「世田谷市場」ほか、大阪府の「大阪府中央卸売市場」など。
■地方卸売市場
各都道府県の指導の下で、民間(市区町村)や個人でも開設できる。
水戸市が行う「水戸市公設卸売市場」、千葉市が行う「千葉市地方卸売市場」など
トマトのリコピーナちゃんが行った
今回の浦和市場は??
それは、地方卸売市場です!
浦和青果市場は、正式名称浦和中央青果卸売市場株式会社として1969年に創立されました。
青果卸売市場の仕組み
こちらは、浦和中央青果卸売市場
野菜部次長の高野さんです!
今回特別にお話を伺いました。
最短で次の日、遠方からだと2泊3日で市場までやって来るんですよ。
注文されたものは、朝の3時には野菜を受け取りに来る買い出しの人もいます。
品質などのぶれがなく、いつも注文している野菜を、あらかじめ頼まれています。
現在、専門店の衰退が言われているように、
八百屋さんも自分のお店に出すだけではなく、
給食や学食などの契約中心の方も多いんですよ。
市場の朝は本当に早い!
競りに参加されるのは20~30名ほどですね。
輸送に2~3日かかるとき農家さんは緑色のまま収穫し、運んでいる間にトマトの追熟させます。
本当は、木の上で熟したトマトがもちろん一番おいしい。
市場を通すから仕方ない部分ではあるけど、仕方ないで終わらせてしまうのも、良くない。
生産者とも連携して努力したいと思っています。
野菜には規格がある!
ところで皆さんは、市場での野菜の“規格”って知っていますか?
市場で使われる規格は、流通の利便性のために用いられているもの。
2S、S、M、L、2L、3Lと
大きさで分けるもの。
また品質をA、B、C、Dに
分けたりするものがあります。
つまり市場での値段は
規格によって決定されているんだそうです!
例えばトマトの規格。
決められた箱にいくつ入っているかで
「大きさの格」を決めるそうです。
3L | 12個 |
2L | 13~16個 |
L | 18~20個 |
M | 24個 |
S | 28個 |
2S | 32~34個 |
3S | それ以下 |
「品質の格」は、JAごとに定められた
カラーチャート表を基にするそう。
JAや農家さんが決めているため、
多少のズレがあるんだとか。
そのズレは、どうするのか?
品質の割に値段が高いものは
売れないですよね…。
産地に連絡して希望価格を提示し、
買い手のニーズに合わせていくのが、
市場職員のお仕事なんですって。
また、どんなサイズが人気とか、
パッケージのデザインなどを含めて
産地と連絡を取っているそうですよ!
こんな質問もしてみました。
なのでもちろん、規格外のものも入ってきます。
そのような規格外は、競りに出されることが多く、
規格に乗っているものより安く買えることがほとんどです。
■曲がったきゅうり
ちなみに、きゅうりって本来は
曲がる野菜だって知っていますか?
(※写真/365マーケット契約農家:岩城農園)
本来の姿と違い、見慣れているのは
まっすぐなものばっかり…。
袋や箱に入れるときに便利なように、
品種改良されているんだそうです。
流通しやすい規格に合わせて
生産されているんですね!
八百八の小嶋さんは
こんなお話しをしてくださいました。
「うちのお店では、曲がったきゅうりを置いているんですよ。お客さんによって反応は様々ですが、この前アジア系外国人のお客さんが曲がったきゅうりを見て、『私の国ではきゅうりといえばこれ、日本のきゅうりはまっすぐだし、味も薄い』と言っていました。曲がっているからおいしいというわけではなく、このきゅうりは本物のきゅうりの味がするんですよね!」
そんな野菜の背景や話を聞けるのは、
昔ながらの八百屋ならでは♪
対面販売の素晴らしさですよね!!
■たくさんの人の力
野菜が私達の食卓に並ぶまで、
たくさんの人が関わっています。
美味しい野菜を作る生産者はもちろん、
卸や仲卸など市場関係者、
八百屋さんやスーパーなどの販売店…
一つの野菜が届くまで
こんな多くの人が関わっているなんて!
これからは改めて、もっと感謝して、
野菜をたくさん食べようと思います!
実は青果市場、しかも朝の競りの時間に
お邪魔するということは、とても簡単なことではありません
…貴重な体験でわくわくドキドキ!
忘れられない思い出になりました。
今回取材にご協力いただいた
「八百八」店主小嶋英嗣さん、奥さんの真美恵さん。
そして、浦和市場の高野さん。
お忙しい中ありがとうございました!!
それでは、次回の食オタNOTEもお楽しみに♪
(文・写真:飯田 千尋)