食オタ|食の資格者コミュニティ

うがい薬で実験!ビタミンCが多い野菜を調べてみよう

いよいよ夏休み突入!

子どもの夏休みの宿題と言えば、
自由研究ですよね?!

夏休み自由研究シリーズ

今回は、ビタミンCを調べる化学実験!

野菜や身近な食材のビタミンCが
多いか少ないかを調査します!


「ビタミンCなんて気軽に調べられるの?」

そうなんです。
実は、簡単に調べることができるんです!

用意する物は、どこでも手に入る「うがい薬」

1日あれば終わる実験なので、思い立ったらレッツトライ!

うがい薬でビタミンCが多い野菜を調べてみよう

用意するもの

ー道具について補足ー

◆透明カップについて

透明なカップは、ご自宅にある透明なグラスで代用可能です。

◆しょうゆ差し(スポイト)について

私はしょう油さしを100円均一で入手しました!
スポイトがあれば、スポイトの方が作業はしやすいです。

実験での使用の際、スポイト(醤油さし)は、食材ごとに水で洗ってから使用しましょう。

   

準備する食材はわざわざ揃えなくても、ご自宅にある野菜や飲み物で十分。

ここにあげた食材は、一例に過ぎないので
ブドウやイチゴ、麦茶など、
お好きなものを選んで実験してみてください!

目的・きっかけ


野菜や果物に多く含まれていて、身体に良いと言われている「ビタミンC」。

でも、人間の目には見えないので、
果たして本当にビタミンCが摂れているのか?
実感がわきません…

そこで!!

この実験では、ビタミンCを目で見て
確認してみたいと思います!

冷蔵庫に入っている身近な食材で
どのようなものに多く
ビタミンCが含まれているんでしょうか?

調べてみましょう~!!

実験方法

うがい薬を使ってビタミンCが含まれているかどうかを調べます!

実験手順
(1)
フルーツや野菜の絞り汁を各々のカップに入れていきます。

・そのまま絞れるものは絞る
それ以外はミキサーにかけ、ガーゼで絞る
ミキサーが無い場合はおろし金で擦る

(2)
大きめの容器に100mlの浄水と、ヨウ素入りうがい薬を20滴入れ、ヨウ素液を作ります。

※浄水…カルキが抜かれている水

(3)
(2)のヨウ素液を10mlずつ透明カップに移しておく。

(4)
絞った果汁を醤油さし(スポイト)にとり(3)のコップに
いれていく。何滴で、ヨウ素液が透明になったかを調べ記録していく。

一滴入れるごとによくかき混ぜ、液体の色の変化をよく観察しましょう!

なぜうがい薬で調べられるの?

・うがい薬の成分はヨウ素であり、ヨウ素はビタミンCと反応すると透明になる性質があります。
・ヨウ素液に入れる抽出液の量によってビタミンCの含有量の多い少ないがわかる。
(少量の果汁で透明になった場合はビタミンCの含有量が多い)

実験してみよう!

下準備

●レモン、オレンジ、グレープフルーツ
・・・手で絞る

●その他野菜
トマト・玉ねぎ・大根・キウイ・ピーマン・ブロッコリー・じゃがいも・紫じゃがいも(シャドークイーン)
・・・ミキサーで攪拌後、ガーゼに包み絞る

絞った果汁はコチラ!
色とりどりで鮮やか♪

すべて5ml分は用意しておきましょう!

液体カップが分からなくならないように、
「野菜名」「果物名」「ドリンク名」をそれぞれ付箋に書いておきます。

実験予想

注目選手

●レモン

ビタミンCと言って思い出すのが、やはり「レモン」!
果たしてレモンのビタミンCは、どの野菜やフルーツよりも多いのか、気になるところです!

●じゃがいも

野菜の中でもビタミンCが豊富と言われる「ジャガイモ」。
今回はアントシアニン色素を多く含むシャドークイーンという品種が手に入ったので、こちらと比較をしてみることにしました!

私の予想では、色が濃いシャドークイーンの方が、ビタミンCがより多い気がしていますが…。

●酢

今回の実験では、酸っぱいイメージがあるビタミンCの真相を確かめるため
「酢」も実験対象にしてみました!

酢にビタミンCが含まれている感じはしませんが、実際どのような変化があるか見ていきたいと思います!

結果はいかに?!

実験結果

さて、それぞれ何滴で透明になったでしょうか!?

調べたもの結果(滴数)ビタミンC量
レモン 5~6滴 やや多い
トマト 9滴ふつう
玉ねぎ17滴少ない
大根6滴ふつう
キウイ3滴多い
ピーマン8滴ふつう
ブロッコリー5滴やや多い
じゃがいも(男爵)3~4滴多い
じゃがいも(シャドークイーン)3滴多い
オレンジ4滴多い
グレープフルーツ5滴やや多い
緑茶5~6滴やや多い
35滴~少ない
牛乳測定不能測定不能

※牛乳は色が濃いため、透明になる前に濁ってしまい(下の写真のような感じ)、残念ながら測定ができませんでした(>_<)

ビタミンC含有量 ベスト5

1位

キウイ&じゃがいも(シャドークイーン)

2位

じゃがいも(男爵)

3位

オレンジ

4位

ブロッコリー&グレープフルーツ

5位

レモン

感想・考察

ジャガイモはビタミンCが多い!

ジャガイモにビタミンCが多く含まれているのは知ってはいたもののまさか1位になるとは驚きでした!!

そして男爵イモより、シャドークイーンの方がビタミンCの量が多いことが判明したのも大きな収穫です!

ビタミンCはレモン<ブロッコリー!

また、レモンよりもキウイ、オレンジ、グレープフルーツ、ブロッコリーの方が含有量が多いということも見逃せません。


一般的に「レモン=ビタミンC」「レモン○個分!」というフレーズが頭に浮かびますが、実際はレモン以上にビタミンCが含まれている食材が多くあることがわかりました!

もし、フルーツで気軽にビタミンCを摂ろうと思うなら、今後はキウイを積極的に選んでも良いなぁと実感。

飲み物にもビタミンCの選択

飲み物を選ぶ際は、緑茶はビタミンC含有量が多いので、緑茶も選択肢に入れておきたいと思いました!

お酢の酸っぱさはビタミンCじゃない

「酸っぱい=ビタミンCがかどうか」を確かめるため、酢を実験しました!
やはり酢にはビタミンCがほとんど含まれていないことが明らかとなりました!

では、なぜレモンや柑橘類が酸っぱいか?
それは、クエン酸が原因!

ビタミンC自体がすっぱいのではなく、「ビタミンCを豊富に含む食材に、クエン酸が含まれていることが多い」という事実がその理由です!

これまで何となく「ビタミンC=酸っぱい・黄色い・レモン」という思い込みをされている方も多いと思います。
今回の実験を通してビタミンCの真実が明らかになりましたね!

番外編・加熱実験

ビタミンCは熱に弱い!!

そこで!
実験結果でビタミン含有量1位だった
キウイと紫ジャガイモを加熱。

電子レンジで加熱して、
ヨウ素液との反応を実験してみました!

実験結果

調べたもの滴数考察
キウイ4滴生よりも1滴多かった
じゃがいも測定不能ヨウ素液が青くなった

キウイ

生のキウイが透明に変化するまで3滴だったのに対し、加熱したキウイは4滴という結果に!この実験結果により、ビタミンCを効率よく摂取するには加熱するより生で摂った方が良いということが分かりました!

じゃがいも

一滴入れた時点で
ヨウ素液が青色に変化!!!

透明になることはありませんでした。

かなり青いですね!

加熱したことにより、じゃがいものデンプンが糊化。
アミロースと反応(ヨウ素デンプン反応)したことにより青色に変化したといえます!

想定外の結果だったため、
青くなってしまったことに驚きました!

何でもやってみないとわかりませんね!!

番外編 感想・考察


今回は、2種類の食材しか加熱実験をしませんでしたが、他の食材で色々試してみるのも面白いと思いました!


生の状態では酸化還元反応がどれにもみられましたが、デンプンを含む食材だと、加熱したことによりヨウ素デンプン反応が見られて、色々な科学変化が身の回りであることを実体験できました!

中学生以上、大人向けの解説

ビタミンCとヨウ素液の反応について

ヨウ素は酸化剤と言い、相手を酸化させる性質を持っています。
ビタミンCは還元剤と言い、相手を還元させる性質を持っています。

ヨウ素液の中に、ビタミンC(アスコルビン酸)が入ると、ヨウ素とビタミンCが反応し、以下のような化学反応となります。

アスコルビン酸(ビタミンC)+ ヨウ素 ⇒デヒドロアスコルビン酸 + ヨウ素化水素(ヨウ化物イオン)

これを酸化還元反応と言い、互いの作用により、ビタミンCは酸化、ヨウ素は還元されることで、ヨウ素化水素という無色の液体に変化するのです。

 

ビタミンCの働き

ビタミンCの科学名は「アスコルビン酸」。
水溶性ビタミンで、水・熱・アルカリに弱いという特性があります。

ビタミンCがもつ効能の1つに強い抗酸化作用があげられますが、この抗酸化作用により活性酸素による細胞の酸化が予防でき、結果として動脈硬化や心疾患、加齢による様々な症状を妨げられると言われています!

その他にも、コラーゲンというたんぱく質を生成する際に不可欠なため、皮膚や粘膜の健康維持に役立っています。また、鉄分の吸収を促進、脂肪を燃焼させるカルニチンの合成を助けたりと、様々な効果が期待できる栄養素!

身体の中では常に酸化還元反応が起こっており、身体のビタミンCなどの抗酸化物質が足りなければ酸化還元が酸化に傾き、体はさびやすくなり、老いていくと言われています。
いつまでも元気で老いの進行を早めないために、ビタミンCを十分とり、活性酸素を還元することが大切であるといえるでしょう!

必要不可欠なビタミンC

ビタミンCは、かつての死の病「壊血病」を予防するための物質として発見されました。
「抗壊血病=アンチスコルビック」という名から、科学名「アスコルビン酸」が命名されたほどです。

壊血病とは?
ビタミンCの欠乏により、コラーゲンが生成されず細胞間が緩み、血管と関節が弱くなり、皮膚や歯肉からの出血、関節痛、衰弱、貧血などの症状出る病。

人間の身体にはビタミンCを生成するための酵素がないため、ビタミンCは他のビタミンンと同様、体内で生成することができません。
そのため、必要な量を野菜や果物などから摂取する必要があります!

まとめ


今回の食オタ、いかがでしたか??

ビタミンCは、柑橘類に限らず、様々な食材に含まれていることを目で見て確認することができました!

食に対する多くの選択肢を持っている今の時代だからこそ、偏りがない食生活を送り、日々健康的に過ごせるようあらゆる食材からビタミンCを積極的に取り入れていきたいと強く感じました!!

わたしたちが普段生活している中でも、科学の切り口でみれば、様々な化学変化の連続といえそうですね!

小学生なら、今回のような実験で、身近な食材から研究してみてください!
色の変化が楽しいですよ♪

もっと詳しくビタミンCを調べたい中学生以上の研究は、ヨウ素液とビタミンCの割合から計算式を導き、ビタミンC含有量を出すことができるので、さらに深堀しても楽しいですね!

次回の食オタも乞うご期待~♪

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