みなさ~ん!きのこは好きですか?
キノコ好きの私が気になったのは、
夏のきのこ、きくらげ!!
以前「お刺身がオススメよ」と言われ、本当にびっくりしました。
今回ご縁がありきくらげ栽培の様子を取材させていただけることになりました。
半ば、突撃取材!(笑)
さてさて、どうなることやら…。
きくらげって何者?
◆そもそもキクラゲって
キクラゲは、海に居る「海月(クラゲ)」の仲間ではありません!
キノコの一種です。ちなみに夏が旬。
乾燥きくらげは知っていても、生のキクラゲってあまり見かけませんよね。
鮮度が命なので流通が難しいのかもしれません。
◆きくらげは耳に似ている?!
きくらげは「木耳」と書きます。
耳の形に似ているからという説が有力。
英名は「Judas’ ear」「Jew’s ear」。
つまり、ユダの耳・ユダヤ人の耳という意味。
イエスキリストを裏切ったユダが首を吊った、ニワトコの木からこのきのこが生えたという伝承もあり、ヨーロッパでは食用にしていないとも言われているんです。俗説はともかく、世界共通で「耳」をイメージするきのこなんですね。
◆キクラゲの栄養って?
注目すべきは、その栄養成分。
女性に不足しがちな鉄分がレバーの約3倍。
カルシウムや、その吸収に必要なビタミンDも豊富。
カロリーはほとんどなく、多くの水溶性食物繊維で、体の中からきれいにしてくれる優秀な食材なんです。
植物性コラーゲンも含むそうで、本当に女性には嬉しいですね。
調べれば調べるほど、きくらげが気になってきました…。
でもどのように栽培しているのか想像ができません!
これはもう見に行くしかない!!
そこで、お得意の突撃取材ですね。
きくらげ農園ってどんなとこ?
「きくらげの状態のいい時に取材をさせてほしい」と依頼を出してみると…
「今がいい状態です。なんなら今日でも」
という返事。
さすがに当日は無理でしたが、翌日にGO!
訪れたのは、千葉県君津市にある「マリポ農園」。
代表の古木さんが出迎えてくれました。
竹林の奥にきくらげハウスが隠れていました~。
緑に守られて、日向より少しひんやり。
でもハウスの中は結構な湿度が…。
栽培方法の正解は、「菌床栽培」でした。
おがくずにふすまや糠を混ぜ、殺菌してきくらげ菌を入れて、作られています。
だいたい食パン2斤分ぐらいの大きさというとわかりやすいかな?
目の前に広がるきくらげたち。総数1200とのこと。
早速見てみると、まるでビロードのような質感。
掌の半分ぐらいの大きさがあります。
そしてかなり肉厚!
90%以上が水分ですからプルンプルンです(笑)
思わず出た言葉が
か、かわいい~~~!
きくらげは夏のきのこなので、
6月~10月に収穫しているそう。
手間をかけて、愛情をかけて
大きく、厚く育てているのですね。
夢に見ることもあり、夜中も様子が気になるそうですよ。
まるで子ども、しかも赤ちゃんと同じかも?
丁寧に一つ一つ見て、数時間おきに乾燥しないように
水やりをしなければなりません。
でも水やりの時間は一定ではないため、自動散水はしていません。
ほしがっていない時にあげてしまうと、いいきのこにはならないそうですよ。
繊細なんですね。
成長を見て上下の場所を変えたりしながら、いつ収穫するかを決め、全国からの注文にこたえているそうです。
そこには厳しい品質管理がありました。
もともとは菌の勉強を専門にしていた古木さん。
まだまだ研究途中とのことでした。
自分でも育ててみた!
古木さんに無理を言って、菌床を分けていただきました。
何事も自分でやってみないと!
菌床が菌糸で白くなっているものが良くて、袋に切り込みを入れるとその刺激で出ようとするらしいのです。
写真でいうと、左側が全体的に白いですね。
菌糸がいきわたっている証拠です。
切り込みの入れ方で、きくらげの出来が変わってくると聞くと、震えます…。
と言うことで、すでに切り込みの入っているものを2種類選んでもらいました。
日中水やりができるのかがネックでした。
家族の協力を得て、皆で愛情を注ぎ成長を見守っています。
きくらげのベストな形はこんな感じ。
水やりに不備があると形が悪くなると聞き、ドキドキです。
とにかく毎日観察。
成長が驚くほど早くて、飽きません。
タイムラプスで撮影したいぐらいです。
思わず語り掛けてしまうぐらい可愛いいんですよ(笑)
素人の私でもこんな風に育てることができました。
たった1週間でこんなに成長するなんて、正直驚きでした。
なんでも夜のうちに成長するらしいです。
う~ん…、じっと見ていたい(笑)
ただ色がなぜか茶色!
黒いイメージだったのですが…。
乾燥を防ぎ、湿度を保つために、お風呂場で育てているから日照が足りないのかな?
キッチンに移動!
今度はエアコン使用のためか乾燥が気になります。
早速古木さんに連絡。
色は日照がある方が薄くなるとのことで一安心。
気にせず湿度を保つことを最優先で…。
お風呂場に逆戻りです。
ちょっと過保護気味かな?!
1週間経たずに1回目の収穫。
めちゃくちゃ嬉しい!
愛情をかけているつもりですが、
そこはやはり素人!
形は今一つです(笑)
でもその後も順調に収穫。
そこで思う…。
これは夏休みの自由研究にも向くのでは?
気になる方は来年どうぞ!
菌床はネットで買うことも可能なようですよ。
「きくらげ 菌床」などで検索してみてくださいね。
マリポ農園を見学して
5年前から試行錯誤を繰り返している古木さん。
他の人と競合しないものをと考え、ありとあらゆるものを試したそうです。
可能性のあるものを一つ一つ検証。
結果たどり着いたものがきくらげ。
人は無いものをできない理由としてあげたがるもの。
でも逆に有るものを考え抜いたそうです。
適地適作の考えで、房総のチベットと呼ばれるこの地で水の美味しさに着目し、「気候は作れる」の考えのもと、栽培を開始。
根が深いと言われる竹林を切り開き、
きくらげのハウスを作ったそうです。
認知が取れるまでは苦労もあったけれど質にこだわり続け、今ではお客様に待っていただいているほど大人気。
約9割の方からお礼の手紙やメールがくるのだとか。
「生きててよかった」との言葉が励みになっているそうです。
研究熱心で知識が豊富。
少年のような笑顔と温かいお人柄の古木さん。
朝5時からの収穫や配送のほか、品質管理と丁寧な袋詰めも担当している知子さん。
たっぷりの愛情を受け、
今日もきくらげたちは
元気に育っています!
この美味しさを味わってみてほしいと
心から思います。
きっときくらげの概念が変わりますよ!
きくらげは食べ方いろいろ
◆生キクラゲを調理するときは?
生のきくらげは30秒ほどさっと熱湯を通し、冷水で冷まします。
お刺身もよし、酢の物もよし。
中華炒めや佃煮も美味しいですよ。
必ず一度は火を通してくださいね。
◆きくらげ食べてみた
シャキシャキ野菜とコリコリきくらげを、塩糀とごま油で和えたシンプルなものが、私はいちばん好き!
たっぷり贅沢に入れた飛竜頭風も
食感の楽しい一品になりました。
我が家でもどんどん収穫できるので、
湯通しして冷凍保存もしています。
今回もとても勉強になりました。
素晴らしい出会いに感謝!
次回の食オタノートもお楽しみに~!