食オタ|食の資格者コミュニティ

今日から手軽に薬膳生活♪カンタン生薬をつくってみよう!

「薬膳」と聞くと、何を思い浮かべますか?

「健康的!」「体に良い♪」
それとも…
「苦そう」「まずそう」「難しそう」??

今回の食オタは、『薬膳』!!

私、実は、国際薬膳食育師でもあります。

一見ハードルが高そうな薬膳ですが、
実はとっても身近なもの。

今回、スーパーで手に入る食材で、
生薬も作ってみたいと思いますー!

気軽に薬膳生活始めましょう!

そもそも薬膳ってなに??

説明だけ読むと、知識がないとできなさそうな感じが…

でも実は!
皆さんも薬膳、やっていますよ!

例えば、秋に美味しい焼き秋刀魚と大根おろし。

その季節に合った旬の食材を身体に摂り入れることは、栄養価も高く、味も良いため薬膳でも同じ!
そして、添え物の大根おろしは、大根の消化酵素で魚の脂による胃もたれを防ぎます。

こう聞くと、薬膳がちょっと身近に感じます♪

生薬とは

左下:枸杞子(クコシ=クコの実) 中上:大棗(タイソウ=なつめ) 右下:山査子(サンザシ)

 

普段から自然と取り入れている、
生姜ネギミョウガシソニンニク三つ葉わさび
これらは「薬味」と呼びますよね~!

薬味があることで、お料理が引き立ち、アクセントの役目にもなります。
やはり、冷奴やおそばに添えるネギや生姜があるとより美味しい!

この薬味たちが、薬膳でいう「生薬」なんですね!!

私たちが普段食べているものは漢方薬に含まれているものもあるので、決定的な線引きは難しいみたいです。

※薬効が強いものは薬となり、漢方薬の場合は複数の生薬を組み合わせ薬理作用を増強させたものになるので生薬と同一ではありません。

生薬を作ってみよう!

「生薬って作れるの??」

結構カンタンに作れます!!

生薬って、専門店に行かないと売ってない、買えないと思っていませんか?
もちろん中には、お店でしか手に入らないものも、手に入れにくいものもありますが、全ての物が入手できないわけではありません。

私たちが普段から食べている食材にもあるんです!

手づくり生薬に挑戦してみましょう!

使うのはこちら↓

生姜、かぼちゃ、みかん、トウモロコシ

ミカン、かぼちゃ、トウモロコシは、通常は廃棄してしまうところを使用しますよ!
身体にも良くて、フードロス問題にも一役買うので一石二鳥。

 

◆体を冷やす?温める?食材の特性

生薬をつくる前に。
食材によって、体を冷やしたり、温めたりする作用があることを頭に置いておきましょう♪

東洋医学では食養生のカギでもある分類があります。
食べものの持つ自然の食効能を生かし、自分に合った生薬を使用します。

◆食材の特性を表す「五気」

体内での熱寒性を表す

:消炎、解熱、鎮静
 
:ほどよい熱寒性

:身体を温め、新陳代謝を促進


身体が冷えやすい「寒」の体質の方は身体を温める食材をとり、暑がりの「熱」体質の方は身体を冷やす食材を多すぎない程度に摂取し、ちょうどよいバランスの取れた身体にもっていくよう促します。

季節によって体に合った食材を選ぶのも良いですね!

それでは!
あなたに合った生薬を作っていきましょう~♪

手づくり乾生姜

まずは、しょうが!
好きな方も多いですよね♪

生姜は温める作用があります!

生姜(ショウキョウ)温性

生姜は風邪薬の葛根湯にも使用されている生薬です。
生姜の皮を剥き石灰をまぶして乾燥したものをショウキョウと呼びます。
蒸して乾燥させたものを乾姜(カンキョウ)、そのまま乾燥させたものを乾生姜(カンショウキョウ)といいます。

【期待される効能】
芳香性があり、食欲増進効果、胃の冷えや痛み、嘔吐などに良い。
身体を温め新陳代謝の促進、発汗。
特に乾姜はお腹の冷えや、腹痛、下痢の解消にも用いる。

 

乾生姜(カンショウキョウ)作り方

作り方はとっても簡単!
レッツトライ!

(1)スライス
生のショウガを1~2mm幅で、薄めにスライス。

(2)干す
ザルや網に入れて半日~乾燥!

以上!簡単でしょ(笑)

乾燥させる際は、裏側にカビが生えやすいので、ザルの場合は時々ひっくり返し、風通しをよくしましょう。

触ったときに、固くカラカラになっていればOK!
こちらが完成したもの~↓

出来上がったら密閉できる保存容器や保存袋に入れます。乾燥材を入れるとより品質が保てます。

手づくり陳皮(チンピ)

こちらはミカンの皮♪
陳皮(チンピ)って聞いたことある人も多いのではー?

陳皮(チンピ)…温性

本場中国ではマンダリンオレンジの果皮を干したものを使用しますが、日本では温州ミカンの果皮を乾燥させたもので代用することが多くあります。果皮を陰干しして乾燥させ1年以上たったものを生薬として利用します。陳皮の陳=古いものという意味で古いほど価値があると言われています。

【期待される効能】
芳香性で胃の健康に良い。
食欲不振、疼痛、痰や鎮咳薬として用いられる。
リモネンという香り成分によるリラックス効果。

陳皮(チンピ)の作り方

(1)洗う
みかんの皮に付着している農薬やワックスを落とします。


40度のお湯に3分以上漬け込んで、きれいなスポンジなどでよく洗います。
タワシは皮が柔らかいため厳禁です!

気になる方は、無農薬と書かれたみかんを買うのがオススメ!

(2)皮を剥いて干す
皮を剥いたら…
ミカン果肉は美味しく食べちゃいましょう♪

外皮を適当な大きさにちぎり、重ならないようにザルや網で干します。

風通しの良い日陰で!
約10日~でカラカラに!

(3)粉砕する
用途により粉砕します。
もちろん砕かず、そのままでもOK!

完成した陳皮はこちら~↓

密閉できる保存容器や保存袋に保管します!

 

◆手づくり南瓜仁(ナンカンニン)

そうです!
カボチャの種!

南瓜仁(ナンカンニン)温性
南瓜子(ナンカシ)とも言い、カボチャの種を乾燥させたもの。
日本では、パンプキンシードで有名です。欧米でよく食べられるカボチャと同様、パンプキンシードも栄養豊富な食材として現在も人気であり、ドイツでは尿失禁など泌尿器の治療薬として認可されています。

【期待される効能】
駆虫薬、腸内の寄生虫や腹痛に良いとされる。
乳汁不全や鎮痛作用、消化促進作用があると言われている。
カボチャの種には、マグネシウムをはじめとする鉄・カリウム・亜鉛などのミネラル分を多く含む。また女性ホルモンのバランスを整えるリグナン類が含まれるため、更年期障害や月経不順、骨粗鬆症などにも良いと期待されている。

南瓜仁(ナンカンニン)の作り方

(1)種を取り出す
カボチャから種とワタを取り出します。
種を水洗いし、ワタを除きます。

薄い種は捨て、ぷっくり大きな種を残すようにしましょう!

(2)天日干しで乾燥
天気のいい日に3日~は乾燥させましょう!

干す時間がない時やきちんと乾燥できていない時は、電子レンジ乾燥させたり、フライパンで煎るという方法もあります。

焼き目が付き、殻が割れてきます。
(全部が割れるわけではありません)

綺麗に実を取りだすなら、
天日干しが一番です!

(3)殻から取り出す
キッチンバサミで殻に端の方から切れ目を入れます。
中を取り出していきます!

綺麗にした爪切りを使うと、とても簡単!

地道な作業ですが…
一粒ずつはがしていきましょう!

(4)フライパンで煎る
取り出した種をフライパンで煎ります。

そのままでも食べられますが、私は煎って香ばしいほうが好みなので、さらに煎ります。

◆手づくり玉米鬚(ギョクベイジュ)

これ、何か分かりますか??

トウモロコシのヒゲです!

「トウモロコシのひげ茶」ってありますよね!
あれです♪

玉米鬚(ギョクベイシュ)…平性
トウモロコシのひげ。通常は乾燥させたものを使用する。南蛮毛(ナンバンモウ)とも言う。
韓国ではトウモロコシのひげ茶として健康や美のために良く飲まれている。

【期待できる効能】
利尿作用があり、浮腫みの改善になる。
排尿の不調、尿や腎の結石、黄疸に良いとされる。
高血圧の予防にも用いられる。

米玉鬚(ギョクベイジュ)の作り方

(1)トウモロコシのヒゲをとる
使用するのは新鮮なヒゲ!
先に黒い部分をカットしておきましょう。

(2)ヒゲをざく切りに
3cm程度の大きさにざく切りします

(3)天日干しする
茶色っぽくなるまでザルや網で数日天日干しします!
通常は2~3日ですが、様子をみて行って下さい。

(4)乾煎りする
焦がさないように注意!

密閉できる瓶や袋で保存します。

手づくり生薬を使ってみよう!

自家製生薬使ってさっそく体調を整えていきましょう!

◆乾生姜(カンショウキョウ)

ー乾生姜のお粥ー
風邪を引いた時や身体が冷えた時に是非!
乾生姜を米と一緒に炊きます。
だし汁で炊いても、鶏がらスープで炊いても美味しいですよ♪

ー乾生姜の豚肉ソテーー

細かくした乾生姜と豚ロースを塩コショウで炒めてみましたー!
中国では、豚肉って「料理できないのは鳴き声だけ」と言われるほどの万能食材。

乾姜はミキサーやすり鉢で粉末にすると
使い勝手がよくなります。

普通の紅茶に、乾姜とハチミツを加えれば、お手軽生姜ティー。
汁物や鍋物、煮物に入れてもOK!

是非一度お試しくださいね。

◆陳皮(チンピ)

ー陳皮のお茶ー
手軽にすぐできるのがお茶!
陳皮5g~10gに対し水300㏄ほど用意し、煮出します。
ほんのりみかんの爽やかな味が楽しめます。

このまま飲むこともできますが、緑茶や紅茶に混ぜたり、乾生姜とブレンドし黒糖を入れると、薬膳茶効果でとても身体が温まります。

ー陳皮ポン酢ー

市販のポン酢に、細かく刻んだ陳皮を入れるだけ!

さらに果汁を入れると風味が豊かに!
酸味だけでなく、ほのかな甘みと爽やかな香りで、普通のポン酢が早変わり。

その他、細かくした陳皮をヨーグルトや、ちゃんこ鍋などに入れても、爽やかになり美味しいですよ!

 

◆南瓜仁(ナンカンニン)

ーカレー味南瓜仁おつまみー
作り方はとっても簡単!
南瓜仁をフライパンに入れ煎ります。
味付けにカレー粉少々と塩を降って出来上がり!

煎る際にオリーブ油を入れると
よりコクが出て止まらない美味しさです。

 

ー南瓜仁のパウンドケーキー

茹でてマッシュしたカボチャと、薄力粉と砂糖、卵、バターを合わせた生地に、刻んだ南瓜仁を混ぜ込みます。

上に南瓜仁をトッピングして、オーブンで焼いたら出来上がり!

その他南瓜仁は、スープのトッピングやサラダの上に散らすなど、様々使用できます。
カリカリとした食感と香ばしさはクセになりますよ!

 

◆米玉鬚(ギョクベイジュ)

ー玉米鬚のお茶ー
玉米鬚と言えば、やはりお茶ですね。
玉米鬚5~10gに対し、水は500ml程度が目安。
煮出して完成!

あっさりとしてクセがなく飲みやすいので
お子様にもおススメです!

ー玉米鬚ごはんー
米2合に対し大さじ1杯程度の玉米鬚を入れます。
この時入れる玉米鬚は細かい方が口に残りません。

トウモロコシとトウモロコシの芯を一緒に炊けば、まるごとトウモロコシを味わえます!

まとめ

手作り生薬から活用法までいかがでしたか?

意外と簡単に生活の中に取り入れられそう!
と思いませんか?

薬膳は、生薬だけを多用するのではなく、お肉・お魚の栄養、野菜のビタミンやミネラルの効能も配慮し、自然なものを生かし中医学理論に基づき体質に合った料理を作ります。

中医学理論は知識が必要でハードルが上がりますが、私が一番オススメしているのは、旬の食材を積極的に身体に摂り入れること!

旬の食材はその季節に合った栄養分を含み、人間の身体を元気にしてくれる神様からの贈り物。

そこに自分の体質にあった生薬をトッピングすればさらに効果的!

病気になる前に、食で自分の身体を整えられたら素敵ですね!

あなたも是非気軽な気持ちで薬膳生活を送ってみてください♪

次回の食オタNOTEもお楽しみにー!!