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総集編「野菜染め」第3弾!野菜アク染め&媒染液研究とビワ葉染め

私と言ったら、「野菜染め」?!

なんと、「大根の葉っぱで染め物」
の教室があるとのこと。

キレイな色がでるらしい!

↓大根の葉っぱ

野菜染めオタクの血が騒ぐ~(笑)

そしてその日をきっかけに野菜染め研究、再燃!!!!

噂の大根の葉染め教室、参加してきました!!

というわけで、今回は…
野菜染め研究第3弾です!!

過去の野菜染めシリーズ記事はコチラ▼

「大根の葉」染め教室に参加

ワクワクしながら鎌倉にある「福来鳥」さんに到着。

さっそく渡邊公子先生より大根の葉で染め教えて頂きました~!

大根葉染めに初挑戦!!

大根の葉っぱも、特別なものが用意されていました!

「鎌倉大根」の葉!!

鎌倉の伝統野菜だそうです。

愛らしい白とピンクのお花♪

葉っぱの色が濃くて力強いです!

■染める布

用意されたのは染まりやすいシルクのストール。

動物性の繊維…シルク・ウールなど

たんぱく質を含んでいるので染まりやすい。

■植物性の繊維…綿・麻など

染まりにくいので呉汁(豆乳)や牛乳などで洗って、たんぱく質を加えてから染めるとよい。綿の中でも下処理なしでも染まりやすいものもある。

大根の葉は生を使用するのでストール重量の倍量を準備。

葉は切って煮出していきます。

結構たくさん使いますね!

乾燥している玉ねぎの皮などは素材の重さに対して半分量でOKって!
私、野菜染め第1弾ではタマネギの皮を同量使っていました!!

濃い色が出たわけだ…。

学びは大切!

染める前の準備

染める前に素材を充分に水に浸して、
色が入りやすくしておきます。

お米の浸水と一緒ですね!

いよいよ染液に布を投入

煮出した大根葉の汁の中に素材を入れていきますー!

どんな色に染まるのか~♪

ワクワク♪

ぐつぐつする必要はないそうです。

お風呂くらいの温度に
じっくり20分は漬けておきました。

時々混ぜることで、
色ムラを防げるそうです!

媒染(ばいせん)液につける

次に「媒染」!

「ばいせん」って何?
復習しておきます~。

媒染とは
野菜などから抽出された成分を金属イオンと結合させることで色を「定着」させたり「変化」させたりする役目のこと。ナスのお漬物にミョウバンを使用したり、黒豆を煮るときにさびた鉄釘を入れるのも同様の効果です。ミョウバンやネットなどで市販されている銅や鉄の媒染液を使用します。染め物の色の変化を楽しんだり、染めたものの色を大切にするためにも大事な工程です。

今回は「銅媒染液」を使用。

むかって左が、銅の媒染液。
水色の液体です!↓

先生が試作されたときミョウバン(アルミ)媒染は
あまり色が出なかったそうです。

ふん!ふん!なるほど。

色が出なくてもあきらめず、媒染液を変えれば良いのだ!
勉強になります。

媒染液の中にもしっかり20分漬け込みます~。

もとは黄色だったのですが、
銅媒染液につけると…↓


わ~!!きれいな緑色!!

時間とともに色が入っていきます!

水洗い後、干す!

媒染液につけて、20分後。

色が落ちなくなるまでしっかり水洗いします。

そして、干して完成!!

鎌倉の自然豊かな風景に優しい色合いのストールがひらひら♪

完成です!!!!

大根の葉っぱから、こんな綺麗で優しい色に染まるなんて♪

野菜の色ってホントに素敵♪

野菜のアク染めに挑戦

春は、灰汁(アク)の強い野菜が多いですよね~。

下処理していると、こんな風に灰汁(アク)が出ます!!

ん?

この灰汁で染めたら何色になるのかな~?!
挑戦してみたいと思います!!!

今回準備したのは、こちらの3つの春野菜(山菜)!

3種類のアクを、次の条件で染めてみたいと思います!

アク染め条件
●染める素材…シルク、綿
●媒染液…銅

それぞれどんな色になるのか?

やってみます!!

染め液(=灰汁)の準備

それでは!
灰汁(アク)を準備していきましょう!

■ツワブキ

ツワブキ食べたことありますか??

とてもやわらかいのが特徴。

皮からもアクがたくさん出そうなので
漬けておきました~。

灰汁がどんどん出てきています!

 

タラの芽

タラの芽って、「たら」というの木の若芽。

ほろ苦さと香りが命で、3月から4月露地ものが出回ります~。

「山菜の王様」ともいわれています!
天ぷらにしても美味しいですよね!

今回は東京の露地ものを使用。
タラの芽をたくさん頂きました♪

グツグツとしっかり灰汁を出します。

ツワブキよりは色が薄めかな??

筍 たけのこ

春の訪れ感じるタケノコ。

皮ごと茹でて灰汁を抜きをしますね。

収穫してすぐは灰汁が少なく、日数が経つとエグミが増してきます!

なので、すぐに茹でて灰汁抜きしてから保存が基本~。

今回のタケノコは、掘りたてだったので米ぬかなしで茹でます!

写真ではわかりにくいのですが、
灰汁はうっすらピンク色?!↓

もしかして、タケノコには
アントシアニンが含まれてるの?

灰汁(アク)の色比較

煮出した灰汁の色を比べてみました。

向かって左から、ツワブキ・タケノコ・タラの芽↓

灰汁の色が、こんなにも個性的なことにまず感動!

灰汁って呼ぶのは失礼なような(笑)

染めると何色?

教室で教わった通りの手順で染めていきます!

温めた灰汁に素材を入れ、20分漬けておきました。

(↑これはツワブキの灰汁)

銅媒染液をつくります!

分量はお好みですが、今回は
水1リットル対して20㏄。

この銅媒染液にシルクの布を投入~。

入れた瞬間!

ふぁ~と色が変わっていきました~!!

きれいですね~♪

ピンクの灰汁だった筍は、逆の水色に変わりました!!

綿コースターもやってみました。

灰汁とは思えない優しい色に♪

干して、完成です♪

想像を超える美しい色に感激!!

アクで染めた色(※素材=綿、媒染液=銅)

ツワブキ…優しいオレンジ色
タラの芽…優しい黄色
たけのこ…春の青空のような水色

筍アクの色変化

意外にも、筍のアクで染めた色が
とっても素敵!!

銅媒染液につけたら青っぽくなりましたよね。

なぜ、ピンクから水色になるのか?

調べてみました!

銅媒染液の内容は酢酸銅の水溶液。

銅の表面は酸化すると、ろくしょう(緑青)とよばれる青緑色の物質に覆われ、それが溶けだしているので青緑色の液になります。その液に漬けることで青色寄りの色に変化します。

ほほぉ~!
ということは!

媒染液を変えると、また違う色になりそうですね~!!!

やってみましょう~!!

媒染液による色の変化

媒染液を変えた色の変化を、次の野菜で実験したいと思います!

①たけのこ
②葉人参
③紫大根の葉

媒染液の比較実験①たけのこ

さっき試した「銅」媒染と
「アルミ」媒染を比較してみます!

比較する媒染液
●「銅」媒染液
●「アルミ」媒染液(ミョウバン)

アルミ媒染は、「ミョウバン」を使用します!

アルミの媒染液だと、何色に変化するのでしょうか?

結果は…

あっ!
アルミ媒染のミョウバンだと、
ピンクっぽい色になりましたね!!

媒染液の違い

調べると…

ミョウバン媒染液は、アルミニウムの水溶液ということ。

phが弱酸性なので、赤寄りの色に変化するらしい。

つまり、色の変化には…

●金属イオンによる変化 
●phによる変化

 

があるということ!!

金属イオンによる変化

銅媒染

◆酢酸銅の水溶液
酸化した銅のろくしょう(緑青)が溶けている

→ 青 寄りの色に変化

phによる変化

アルミ媒染またはミョウバン液

◆アルミの水溶液
phが弱酸性

→ 赤 寄りの色に変化

染め物は化学ですね!!!

他の野菜でも試してみましょう!!

媒染液の比較実験②紫人参

赤や紫の野菜に含まれるのは、
そう!「アントシアニン」!!

アントシアニンとは
青紫や紅色の色素成分でポリフェノールの一種。花や果実に広く含まれている色素成分。ph、温度、金属イオンなどによって色調が変化する。

今回は紫人参をピックアップ!

アントシアニンをたっぷり含んでいそう~!

さっきの筍では、ph値を変えることで色が変化!

今度は酸性に傾けるよう「酢」で媒染してみます!!

比較する媒染液
●「銅」媒染液(金属イオンによる変化)
●食用酢(phによる変化)

では、実験~!!

紫人参の外側をうすくピーラーで剥いて煮出していきます!

おぉぉ!!
すごい色!!

あっという間に鍋の中がムラサキ色に!!

すぐに色素が溶けだしました。

アントシアニン色素が熱に対して不安定なのがよくわかる~。

取り出してみると、人参からすっかり色がぬけていました。

紫色が抜けると…、あらっ不思議!
にんじん色(橙)になりましたね。

ワイン色のような紫人参の煮汁に
布を入れていきます。

媒染液は「酢」と「銅媒染」。

「酢」は、phを変化させる媒染です。
こちらの食用酢を使用↓

「銅媒染液」は、引き続きこちら↓

さて~、
どんな色になったのでしょうか?!

結果は…

向かって左が、酢につけたもの。
右が銅媒染に漬けたもの。

おおおお~!!!

ハッキリと色が分かれました!

もともと赤紫色(ワイン色)が、酢はピンク、銅媒染液は青に変化!

媒染液の比較実験③

媒染液の比較実験③紫だいこんの葉

「紫だいこん」の葉が、家にあったので染めてみましょう!

紫大根の葉は、茎の部分も少しムラサキ!

アントシアニンなので、紫人参のように染まるか~?

教室でならった大根の葉染めでは、
「緑色」でしたよね~。

媒染液は、銅媒染を使用!!

\予想/

A:アントシアニンが強ければ紫人参と同様に、「青色」。

B:大根葉の要素が強ければ鎌倉大根と同じく、「緑色」。

 

みなさんは、どっちに染まると思いますか?

\結果/

銅媒染してみると…

やっぱり「緑色」でした!

アントシアニンは少量だったみたいですね~!

次々に生まれる美しい色。

野菜染め研究に
どんどんハマっていきます♪

【実証】本当に果物色になるのか?

「桜の葉からは桜色、びわの葉からはびわ色が出るのよ」

と、染め物教室で先生がさりげなくおっしゃってました。

えっ!

…それって、ホント?!

びわの葉っぱって、こんなに濃い緑色↓

この葉っぱから、淡い橙色のビワの実色が出る?!

信じがたい…。

これはやるしかない!!

びわの葉っぱを探さなければ…!

ビワの葉染めに挑戦!

なかなかビワの木が見つけられず
あきらめていたら…
尊敬する大先輩の畑でビワの木を発見!

しかも愛知県!!(笑)

ビワ葉を少し取らせていただき
連れて帰ってきました♪

びわ葉で本当に「ビワ色」に染まるか?

さっそく帰宅して煮出してみると…

ん~?

あまり色が出ていない感じ。

液を透明の器に入れてみましょう。

わ~!!!

本当に「びわ色」だっ♪

布を鍋の中にいれてみましょう!
ワクワクしますね!

お~~~♪
なんときれいなピンク色に!!

銅媒染すると…

あれ?!

銅だから青っぽくなると思ったら
渋めの「びわ色」!!!

化学反応は想像がつきません…。

干すとまた色が変化しました!!

う~ん、
化学?は難しい(笑)

でも、あの濃い緑色の葉っぱから
「びわ色」に染まりましたね~♪

こうなると!
柿の葉っぱ、梅の葉っぱ…etc
いろいろと試したくなりますね!

ビワの葉染めでプレゼントを作ろう


このビワ色は、母好みの色~♪

そうだ!ストールを染めて、母の日のプレゼントにしよう!

一度煮出したびわの葉っぱ。
もう一回、色出るかな~??

細かくカットしたら行けるかも?

二番煮汁なのにいい色が出ました!

そういえば鎌倉大根の葉っぱも細かく切ってから煮出していましたね。

「細かく切る」、大事ですね!

さっそく二番煮汁で白いシルクストールを染めてみました。

きれいなピンク色です♪

古い白いハンカチも蘇るかも!!

どんな風に染まるのか楽しみ~!

ピンク色を残したかったので、今回はあえて媒染なしにしてみました。

びわの葉染めのストールはやわらかいピンク色に♪

鎌倉大根葉染めのストールと並べると、春らしい色合いですね。

古いハンカチも素敵にリメイク!!

楽しい~♪♪

ストールは母の日にプレゼント♪

「びわの葉」染めの不思議さに
驚いていました!

80歳を過ぎた母から
「野菜染めしてみようかしら?」と。

興味を持ってくれたようです♪

野菜染め総集編~まとめ~

「野菜染め」色見本

今回もたくさん染めました!

今回染めたシルクをぜ~んぶ並べてみます!!

どの色がどの野菜&媒染液か覚えていますか~??

答えは…

綿コースター

やはりシルクと比較すると
綿は、色が入りにくい素材。

でも逆に、やさしい色合いになりますね!

野菜染めおさらい

今回使用した素材

●動物性の「シルク」

●植物性の「綿」

★染める前に浸水を忘れずに!

野菜染め手順

1.染める素材は浸水しておく。

2.生のものは素材の重さの倍、乾燥したものは半分の重さを準備する。

3.煮出した液に火をとめて冷めないうちに20分ほど漬ける。煮出した液から素材が出ないように時々かき混ぜる。

4.媒染液を作っておく。

5、軽く絞った素材を媒染液に30分くらい漬ける。色ムラが出ないように時々混ぜる。

6、色が落ちなくなるまでよく水洗いして干す。
(アントシアニンは影干しがオススメです。太陽光で色が抜けることがあります)

【注意】

※金属アレルギーの方は媒染のときは手袋を着用しましょう。

※銅媒染液に使用したボウルは食用に使わないこと!

過去の野菜染めシリーズ記事


そう!そう!

灰汁抜き後の山菜は
おいしくいただきましたよ~!

ツワブキの佃煮は、
とまらない美味しさでした♪

大根の葉っぱからみどり色。
灰汁が思いがけずきれいな色に変身。

媒染液による色の変化。

びわの葉からびわ色に染まる。

…まだまだ奥が深い「野菜染め」!

みなさんもいろいろと
研究してみてくださいね~♪

では次回の食オタノートもお楽しみに!