「水あめ」って自分で作れるのかなぁ??
夏が近づくと思い出す、子どもの頃の想い出。
夏祭りの屋台でじゃんけんに勝つともらえた
”青い水あめ”が、好きだったなぁ…!
割りばしで練って、夢中で食べてた(笑)
口の中を真っ青にしていた記憶…。
「練りあめ」と言ったりもしますよね!
そんな夏の想い出の「水あめ」を
手作りできないか挑戦してみたいと思います!!
自然な色でカラフルな水飴が作れたらいいなぁ♪
昔ながらの水飴の作り方
水飴の原料
水飴(水あめ)って、何で出来ているんだろ??
「砂糖」と「水」??
いえいえ、違うんです。
実は、昔ながらの作り方だと
原料は「麦芽(ばくが)」と「お米」!!
え?
この2つで水あめが出来るって…
想像がつかないなぁ(汗)
確かに、”麦芽糖”って聞いたことあるけど…。
水飴とは?
そもそも水飴って、どんなもの?
【水飴とは】
デンプンを、酸や酵素で糖化して作られた粘液状の甘味料のこと
ふむふむ。
ってことは…
米の「デンプン」を麦芽の「酵素」で
”糖化”させたら水あめができるってこと?
…こりゃ、やってみるのが早いな!
ひとまず挑戦~!!
用意するもの
麦芽(ばくが)
「麦芽」とは、麦を発芽させたもの。
用意手段は2つ。
●麦を水に浸けて芽を出す(自分で作る)
●麦芽になったものを買う(購入)
乾燥してあると保存がきくようですよ。
今回私は「乾燥麦芽」をお取り寄せ。
こちらが麦芽です↓
商品詳細に「水飴が作れる」と
書いてあるものが安心です。
米
白米でも玄米でもOK!
でも、でんぷんを糖化させるってことは、
でんぷんが多い方が糖に変わりやすいよね。
お米の中で、でんぷんが多いのは「もち米」!
今回は、もち米でやってみます!
手作り水飴の作り方
いざ!
昔ながらの水あめづくり、初挑戦です!!
①麦芽を細かくする
まずは麦芽を、すり鉢かミルで挽いておくのね。
う~ん。
ミルでも麦の皮は残っちゃうなぁ。
まずは、このくらいの粗さでチャレンジ!
②お粥をつくる
お米は柔らかく、おかゆにするとのこと。
今回は、炊飯器にお任せ!
三倍粥にしてみました。
蓋を開けて、65℃くらいまで下げます。
そっか!
酵素が働ける温度が重要なんですね。
温度が高くても酵素が働かないので
温度が下がったことを確認!
③麦芽を混ぜる
挽いておいた麦芽を
おかゆによーく混ぜます!
炊飯器の保温温度が60℃の場合は
このまま炊飯器で保温OK!
我が家の炊飯器は保温が高め…。
なので、保温ポットに入れかえて保温します。
予め保温ポットに熱湯を注いで
温めておくと温度が下がりにくいみたい。
④そのまま8時間置く
保温ポットの蓋をして
8時間放置すると…。
おや?
お粥のもったり感がなくて、サラサラになってる!
水分も増えたような気がする。
水あめっぽい粘性はないけど…?
ここは、サラサラで合っているみたい!
味見してみると…
甘酒みたいな甘み!
すでに美味しいぞ!!
さらしでぎゅ〜っと絞って…
水分だけを抽出。
使うのは、そう!水分の方です!
ちゃんと糖化できてると、簡単に絞れる!
糖化できていないと、うまく絞れません。
お米のベタッとした感じが残る…。
搾りかすもこんな感じに↓
⑤煮詰める
絞り汁を鍋に移して煮詰めていきます。
鍋からはみ出ないくらいの中火でグツグツ。
(強火だと周りから焦げちゃいます)
おぉ。アクが出てきた。
アクを取るとどんどん透明に。
さらに煮ること20分…!
だんだん泡の感じが変わってきました↓
ここまできたら、慎重に…。
弱火にしてさらに煮ること10分。
とろ~っとしてきました。
最後は、木べらなどで混ぜながら煮詰めます。
するとムラなく上手にできましたよ。
好みの粘度になったところで
火を止めて、完成~!!
⑥手作り水あめ完成!
こんな感じに仕上がりました!!
ちゃんと水あめです~!
さっそく、味見♪
と、その前に!
童心に返って、ねりねりしてみた。笑
お味は…??
おぉ!
自然な甘さで、おいしぃーー!
穀物の甘みがクセになりそぉ!
本当に水飴できちゃった!
感動!!
補足実験:お粥の柔らかさ
今回なんとなく三倍粥にしてみたけど…
お米はどのくらいの柔らかさが良いんだろう?
●普通炊き(お米:水=1:1)
●十倍粥(お米:水=1:10)
この2つでも水飴作ってみました。
普通炊き
お米がまとまってるから、
麦芽と混ぜるのが難しい…。
案の定、糖化もうまく進まず…
ムラができちゃいました。
十倍粥
サラサラだから、麦芽とは混ぜやすい!
ただ、水の量が多くなるので
煮詰めるのが時間がかかる…。
加熱しすぎて、やや香ばしい水飴に。
比較の結果…三倍粥が良い!
出来上がりを比較してみましょう↓
普通炊きは糖化が難しい…。
三倍粥と十倍粥では、出来上がりの量はほぼ同じ。
だったら煮詰める時間が少ない方が作りやすい!
ということで。
やっぱり三倍粥くらいがベストみたい!
解説/水飴ができる仕組み
なぜお米と麦芽で、甘くなるのか??
不思議ですよね~。
まず、お米に含まれる「でんぷん」。
ブドウ糖がたくさん繋がった構造をしています。
糖だけど、この状態だと甘く感じないんです。
次に麦芽に含まれる「アミラーゼ」。
でんぷんの繋がりを細かく切断する働きがあるんです!
この働きが重要!!
アミラーゼによってでんぷんが切断されると…?
「麦芽糖」になります。
(※麦芽糖=ブドウ糖が2つ繋がった状態)
そうなると、人は甘みを感じるんです!!
ごはんを噛んでると口の中で甘くなりますよね~!
これと同じ原理!!
唾液に含まれているアミラーゼが、働いているんですよ。
つまり、水飴とは!
お米に麦芽を混ぜることで、
アミラーゼによってでんぷんを細かく切断。
麦芽糖に変化させているから甘い!!
その液体を煮詰めることで、
あの粘性が出るというわけなんです。
大根・ジャガイモ・片栗粉で水飴は作れる?
水飴が手作りできることは分かりました。
でもネックは「麦芽」の入手…。
なかなか手に入らないですよね…。
もっと手軽なものでできたら良いですよね。
麦芽の代わりになるものは?
あ、そういえば!
でんぷんを分解するアミラーゼって、
野菜にも含まれていますよね!
<アミラーゼを多く含む野菜>
・大根
・カブ
・山芋
・人参 など
大根!良いじゃない!
麦芽と同じようにアミラーゼを含むなら
麦芽を大根に変えても出来るんじゃないかな??
野菜オタクとしては、
やらないわけにはいかないでしょー!
やってみましょーーー!
麦芽を大根に変えて挑戦!
でんぷん=もち米
×
アミラーゼ=麦芽→大根に変更!
さぁ、もち米と大根で水飴は作れるか?!
大根はすりおろして、絞って汁だけ使います。
もち米のお粥に、大根汁を混ぜ混ぜ~。
65℃で保温すること8時間…。
糖化してるかな~??
う゛!
すんごい大根臭…!!!
(※大根を使用するときは、炊飯器より保温ポットで作ったほうが良さそうです)
でも見た目はサラッとしてるなぁ↓
恐る恐る…味見…。
あれ?!
甘くなってる!!
さらしで絞って、煮汁を煮詰めてみましょう。
もち米×麦芽よりも白濁している気が…。
やや心配になってきたぞ。
加熱していると…
おや??
なんだか白いのが浮いてきた!
アクを取って煮詰めていくと、
だんだん透明に…!!
泡の感じが変わったら弱火に。
さらに煮詰めると…
とろみがでてきた!
まだ粘度は少ないけど…
あんまり煮詰めると焦げそうだなぁ。
ここまでにしておこう。
水飴が完成~!!
大根でもできちゃった♪
甘みもしっかりあります♪
大根の味は…あまり感じないかな!
ただ…部屋中が大根臭でいっぱい(汗)
もち米をジャガイモに変えて挑戦!
でんぷん=もち米→ジャガイモに変更!
×
アミラーゼ=麦芽→大根
麦芽を大根に変えて成功したので、
次はでんぷんも変えてみちゃおう♪
<でんぷんを多く含む野菜>
・じゃがいも
・さつまいも
・かぼちゃ など
お米の代わりのでんぷんと言えば…!
やっぱりこれでしょ!
ジャガイモ!!
ジャガイモからでんぷんを取り出す方法
まずはジャガイモから、
でんぷんを抽出しなくちゃ!
ジャガイモはすりおろしますー。
それをさらしやガーゼで包んで、水の中でゆする!
こうして水中にでんぷんを溶かします。
この汁をしばらく放置すると…
こんな風に、でんぷんだけ沈むんです↓
おもしろ~いっ!!
表面の水分を捨てる
↓
水を変える
↓
混ぜ混ぜして放置
…を繰り返します。
すると、水がだんだん透明に!
沈んでる白いのが、でんぷん!!
これででんぷん液が出来ました♪
ジャガイモ×大根で水飴を作ってみる!
さぁ、やってみましょう!
ごはんと同じ状態にするんだから…
でんぷんを水に溶かして加熱すれば良いよね!
ダマにならないように、
泡だて器などで混ぜ混ぜ~。
おぉ!
ドロドロになってきた!!
急に変化するので、ビックリ!
火を止めて65℃くらいまで下がったら
大根の絞り汁を投入~。
大根汁が冷たいので、湯煎しておきました。
酵素が活性しやすい温度をキープ!
さてさて、こちらも保温ポットに入れて
8時間待ってみましょう。
すると…
あんなにドロドロだった液体が
やっぱりちゃんとサラサラになってる~!
さらしで絞って、
煮詰めていくと…
ちゃんと水飴になったよ!!
もち米でつくる水飴よりも白っぽい。
甘さは、だいぶ控えめだなぁ。
もち米よりでんぷんが少ないのかなぁ。
そして、大根臭がやや気になる仕上がり(汗)
片栗粉×大根で挑戦!
ジャガイモのでんぷんで出来るってことは
片栗粉でもできるよね!?
だって片栗粉は、馬鈴薯でんぷん!!
※馬鈴薯(ばれいしょ)はじゃがいものこと
片栗粉と大根で水飴が作れたら、
めちゃお手軽じゃない?!
でんぷん=もち米→片栗粉に変更!
×
アミラーゼ=麦芽→大根
やってみましょう!
片栗粉を水に溶かして、火にかけてみます。
お~!
片栗粉の方がドロドロになるのが早い。
でんぷんが多いのかな?純度が高い?
期待大!!
大根の絞り汁を加えて、
8時間置いておくと…
やっぱりこれもサラサラになってる!
煮詰めたら完成!!
やや白っぽい水飴~!!
なんでだろ…?
じゃがいも×大根よりも、大根っぽさが気にならない!
甘みもしっかり感じます!!
成功~♪
大根のアミラーゼがしっかり働いて糖化できたのかも。
大根×片栗粉で水飴が作れる!
これはみなさん挑戦しやすいですね!!
カラフルな水飴作りに挑戦!
ここから、野菜オタクの本領発揮!
大根にはカラフルな品種がある!!
色大根を使えば、
色付きの水飴ができるのでは?!
カラフルな水飴づくりに挑戦してみましょう!
カラフル大根で色水飴を作ってみよう
用意したのはこちら。
赤(紫)と緑の大根!!
(紅しぐれ?京むらさき?とビタミン大根かな?)
1番手軽にできる片栗粉でやってみよう。
でんぷん=片栗粉
×
アミラーゼ=カラフル大根
赤大根
赤大根の絞り汁、いい色ですね~!
片栗粉でんぷんに投入。
変色が心配でしたが…
糖化しても赤大根の色が残ってます!
煮詰めても変色してない♪
アクが緑っぽい…!なぜ??
不思議なアクをとって
さらに煮詰めてみました。
緑大根
緑大根の搾り汁は、うっすら色づく程度。
ちょっと心配だなぁ。
しかも、煮始めたら…
アクと一緒に緑色素も集まってきちゃった(汗)
コレ取っちゃうと透明になっちゃうよね?
アクは取らずにこのまま煮詰めてみよう。
カラフル水飴完成!
そしてそして~♪
完成したのがコチラ↓
色がキレイについてる~!
すごいすごーい!!
緑大根は、アクを取らなくて正解。
もち米やじゃがいもの水飴と並べると
カラフルで美しい!
色水飴も食べてみましょう♪
割りばしに付けて練り練り~♪
童心に返っちゃいますね。(笑)
赤大根はこんな感じ↓
透明感もあってキレイ!
ブドウの味がしそう(笑)
野菜の色だから安心して食べられる!
そして、自然な甘みで結構ハマる!
甘くない素材同士で、
甘い水飴ができるのは面白い。
理屈がわかっても不思議ですよね~。
野菜オタク的には、ジャガイモと大根で
水飴ができちゃうのが1番感動かな。
アミラーゼはカブや人参にも含まれます。
いろんなカラフル野菜で、
もっといろんな色に挑戦しても楽しそう!
お子さんとの自由研究に、是非!
水飴づくりやってみてくださいね♪
大人のほうがハマっちゃうかも。