食オタ|食の資格者コミュニティ

苺の親心(繁殖の仕方について)

都内で完熟の美味しい苺を届けたい!とチャレンジしている若手農家さんのところに、苺の収穫や管理のお手伝いに行っています。

作業しやすい高さで栽培する高設栽培で、温度管理や養分の調整、水やりまですべて機械で管理しています。  
また、自分の手の届く範囲で販売をしているため、完熟にこだわって収穫しています。

ところで、このつぶつぶ、実は「種」ではないってご存知ですか?  
このつぶつぶは「果実」で、このひとつひとつに種が入っているんですよ。 果実だと思っている赤い果肉部分は、花托と呼ばれるめしべの土台部分が発達したものです。 土台部分を食べていたなんて驚き‼ですよね。  
蜂によって受粉がされると…

この花托が少しづつ肥大していきます

花弁が散りどんどん肥大してきて

次第に赤くなっていくのです。  

しかも、このつぶつぶの中の で、苺は子孫を残すのではないのです。さて、どうやって子孫を残すのでしょうか?  
実は、苺は 栄養繁殖 で増えるのです。  
※栄養繁殖とは…種や胚から発芽するのではなく、根、葉、茎などの栄養器官から次の世代が繁殖すること。つまり親の体の一部から、子が生まれると言うことです。
わかりやすいところで言うと挿し木とか、球根の分球とかも栄養繁殖です。 苺はある程度、実を付けると、このようなランナー(ほふく茎)が伸びてきます。

株元から、つるのように伸びてその先に子株を発達させます。 このランナーは親株から少し離れたところに根を下ろし、初めは親株から栄養分をもらって成長していきます。親と子が繋がっているなんて、なんだか可愛い♪ 親の分身が子供になるのです。しっかり根ついたら、自分の根から養分を吸収して成長します。 ランナーを切ってあげます。親離れですね…子供は自分の分身のようにかわいい。と新米ママちゃんが言ってましたが、苺は分身ですからさぞ可愛いいんだろうなぁ…。